2024/06/14 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にニュアさんが現れました。
■ニュア > 危ない、と思った時には遅かった。
ブーツの踏み込みの一歩、樹根と腐葉の堆積からなる地面についた靴先が埋没し、接地を崩してゆく。
瞠目。咄嗟に体勢を立て直す暇も無く。
「───……… ッ、!?」
地盤がもとより脆弱であったのか、表層を築いていた樹根が腐ったか。
魔物の落とし穴、なんてのは考えたく無いので却下。
ともあれ、視界が反転し、気付いた時には既に遅し、
ばきめきとけたたましい音と共に落下と相成って。衝撃より暫く後、呻き声が響くのである。
「ッ ぅ ッ痛──……………ンだよ、コレ…… 」
尻餅の姿勢にて悪態をつき、周囲に視線を巡らす。
燦々と降り注ぐ一条の陽光は頭上から。高さにして数メートル。彼処から落下したらしい。
周囲に立ち籠める湿った土臭さと、ひんやりとした温感。
岩肌に樹根がのたうち、湿性植物が繁茂する──自然洞穴、というべきか。
立ち上がろうとして──… 眉を顰める羽目になる。
「ぁ゛ーーー………… もぅ!」
左足首、若干の違和感。どうやら捻ったか。
──観念したように、再度壁沿いに、とすんと座した。
歩けない程では無いにせよ、処置は必要だろうから。
■ニュア > 端正な少年風容貌のぬばたま色の視線を巡らせ──… ン? と。至近に目を留めれば、
「ぁ。」
薬草にも用いる蔦草の繁茂に手を伸ばし、葉を数枚毟り取り、、
ついでに手短に、足元のたうつ根の一本をナイフで削いでは滲み滴る蓄水を切り口より失敬し、指で揉む。
生じた冷性の粘汁と腰袋から取り出した自製軟膏を練って、
ブーツを脱いだ真白く細い足首、薄く腫れる患部に塗り、布を宛がい結べば──…
「こーれーでー……… ヨシ、っと。」
即席の湿布の完成だ。暫く経てば或る程度の酷使にも耐えうる程度には痛みも引くだろう。
よっ、と。───…立ち上がる。庇いながら歩く程度なら問題は無いように思え。
「ジギの葉群生してるし、意外と土も水も良さそうだし……
コレさぁ、穴場の採取地だったりするんじゃない……?」
ひょっとしたら、禍転じて、の線も有り得るやも、と。
僅かに足を引き摺りながら、ではあるが。
少しばかり奥へと繋がる横穴を散策してみようかと歩みはじめて──。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からニュアさんが去りました。