2024/05/24 のログ
虹石の獣 > (肉食の獣は怯えて姿を潜め、小型の獣が平穏を謳歌する
其れもまた、この獣が居る場所における異質な光景
故に自然と、追いやられた肉食獣が輪を形成し
中心へ向かうには、其の密集地帯を抜けねばならぬと言う、自然の防壁が出来上がる

幻が、幻であり続ける所以。
辿り着ける者が居るとすれば、余程の幸運か、悪運に恵まれたか。
或いは、相応の実力を伴う必要が在るのだろう――)。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」から虹石の獣さんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」にモルガナさんが現れました。
モルガナ > 王都より工兵中隊を率い、自らの私兵騎士団も護衛に随伴して野営地の構築に訪れた若き女騎士。
自然地帯探索の橋頭保。それは家を出て活躍にあこがれる子息息女の支援に
貴族からの援助で構築される高品質なものもある。

今回構築しているのはまさにそれで、あまつさえ、未だ現実を知らぬ駆け出しの言い草で
深部手前への設営。

……女騎士もその任を買って出たのは深部から時折出て来る強者相手への戦果を求めてのこと。
だったのだが、季節の変わり目の穏やかな時期なのか
後方からゴブリン等の魔物が様子を伺う気配さえない。

「……肩透かしですわね」

ため息一つ。打ち合わせで全行程の指揮は部下に任せて終わり。
後は待つだけ。そう、待つだけ。

「周囲の警邏に向かいます。随伴は不要です。
 皆さんは工兵の方達の護衛を怠らぬように。いいですね。」

せめて望んだ結果とも言わずともある程度のトラブルは欲しい。
それをこなした実績も。

それを求めるように、一人構築地点から離れて森に足を踏み入れていく。

人気から離れて、ゆっくりと、サーベルの柄に手をかけながら孤立していく。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」に虹石の獣さんが現れました。
虹石の獣 > (其れは、まだ其の存在が人に観測される前の事
何時から其処に発生したのか、或いは何処かから来て住み着いたのか
ただ、事実として其れは既に"其処"に居たのだ。

森の中、唐突に複数の中型獣が走り来る
本来は肉食、人間をも襲う可能性が在る注意すべき獣達が
されど、女の前に現れ、女を襲うでも無く駆け抜けて行こうとする
まるで、何かに怯え、逃れ行く様に

より大型の獣に襲われ、追い立てられて居るならば、そう言った事も在ろう
だが、其れが異常であると示すのは次の瞬間だ

――続いて飛び出して来るのは、虎。 肉食獣の頂点に位置する存在。
其れが、先の中型獣と同じ様に、女の存在に一瞥をくれるだけで、駆け抜けて行く。

其の末に、森に微かに響く筈だ。 他の、生息するどの獣のモノとも思えぬ独特な、鳴き声が。)

「―――――――クゥルルルルル……」

(――女であれば気付くだろう。 其の音にすら、魔力が乗ると。

その鳴き声の主こそが、他の獣を畏怖させた元凶である、と)。

モルガナ > 「……? ……!」

 音がする。そちらへ視線を向けた刹那、跳び出して来る肉食獣の群れ。
 目を見開きかわすか切り伏せるか、サーベルに填め込まれた輝石へ魔力を込め始めるのと、
 獣達が走り去っていくのを認めたのは同時。

「……なんですの……?」

 本来群れを成して狩りをする獣が、何かから逃げるように去っていくのを一瞥して、
 それを追うものが遅れてやってくると、身構えて現れた虎へ抜刀し、

「……!?」

 その虎さえも、単独で狩りをする連鎖の上位さえも目の前の己を餌とみなすどころか
 一瞥して走り去っていく。

 ……まだ上位がいる。竜か何かでもない限りは、そう思った矢先のことだった。

「……これが、本命……!」

 虎ですら即座に逃げ出すほどの大物。願ってもない好機と、女騎士は笑う。
 その音に乗る魔力を辿るように感覚を研ぎ澄ませ、
 輝石に魔力を込めたサーベルを振り放ち、刃から光刃を撃ち放つ。

 無音で空を裂き、枝を両断し魔力の根源へアタリをつけた先制攻撃。
 先手必勝。双方に援軍が来ないように無音の飛翔する斬撃を数発。
 立て続けざまに放つ。

 それが、己の居場所を特定させると、膨大な魔力を持つ雌だと主張しているようなものだと知らぬままに

虹石の獣 > (為した行動の、何を以て是とするか非とするか

騎士として、大型肉食獣すらも遠ざける程の得体の知れぬ何かを
人にとっての脅威とみなし、先手を打つ事は必ずしも間違った判断とは言えぬ
思考する暇を与えぬ遠距離からの斬撃は、其れが普通の獣であれば
十分に致命傷となり得る、必中必殺の一撃に他ならない

――だが、其れは、結果としてそうなった場合にのみ言える事

獣の正体を確認しなかった事、問答無用の先手を放った事
そして其れが、獣にとっての敵であり、雌であると言う誇示になった事は
女にとって、雌にとって、致命的な失敗となり得る選択だったか。)

「―――――………クゥルルルル……。」

(確かに。 命中した筈だと言う確信を、女は得ただろう。
だが、再び響いたのは、先刻と変わらぬ独特な鳴き声
音の響き其の物は変わらぬ、されど、込められた魔力が波の様にうねり
其の波にぶつかる女の存在を、森の中でも鮮明に浮かび上がらせれば

森の奥、ゆらりと、姿を現す美しき巨躯の――)

「―――――――……クゥルルルル…。」

(――刹那、女の視界に何かが放たれる。
其れが、槍先の様に伸ばされた尾の先端による刺突であると
果たして気付けるだろうか、対処出来るだろうか
一つだけ確かな事は、獣と視線が重なった瞬間

――これが、手を出してはならぬ類の物だと言う、確信を得る事だ)。

モルガナ > 大型の獣も押しとどめる程の衝撃と鋭さを伴う斬撃。
それ等を成立させるために斬り裂く瞬間に魔力が爆ぜる必殺の一撃。
それを幾重にも放てば虎さえ慄く脅威と言えど取るに足らぬ。

それは間違いなく人の、貴族故の驕りで。

空気に伝わってくる爆ぜた魔力の伝播。
それ等が木々や岩以外の何かに爆ぜたのだと感じ取った矢先に、
その鳴き声は聞こえて来る。

「……っ。」

強い存在はそれだけで貴い。まして雄大な巨躯に木漏れ日を湛えて虹色が煌めく。
その様は荘厳とも言え、目を奪われた。
初めて見る獣。見聞にない獣。

構えたサーベル、その切っ先が僅かに下がる。
戦意を抱いてはいけないとさえ思ってしまったが故、無意識の作法。

だからこそ、その一閃にはなんら反応できなかった。

「ぁぐ、つっ……!」

手を出してはいけない。というより、傷をつけるべきではないと思った。
刺突が穿たれ、その身に変容が即座に起こる。

体に痺れが、広がり、サーベルを取り落とす。
その場に膝を突きながらその灰色のたてがみを湛える獣を見上げる様は
まるで仰ぎ見るようにも思えて。

まるで、これから”供物”になることを予期するかのような仕草にも思えて。

虹石の獣 > (其の姿に、何を感じ、何を去来させるかは――人の勝手だ
サーベルを下げた女の行動は、人相手なら無抵抗を示す意思表示となり得たろう
だが、獣にとっては、敵が見せた、一瞬の隙でしか無い。
先に仕掛けたのは他ならぬ、女自身なのだから。

尾の先、針の如くに鋭利な体毛が女の身に突き刺さるなら
其れを引き抜かぬ儘で、獣が歩みを進める
穿った肌より流れ込む物が何らかの毒だと言う事を実感させながら
尾がうねり、其の身に巻き付いて、女を持ち上げる

まだ、森側へと踏み込んだとはいえ、傍に他の気配が多い事を理解して居るのやも知れぬ
女を戦利品の如くに携えた儘、森の奥へ、奥へと進んで行く其の間
もし観察の目を絶えさせなければ、いくつかの、獣の特質性を眼にする事が適うだろう
其の歩む足元に、植物の新芽が息吹き、痕跡を覆う事に
木々が、その歩みを邪魔せぬ様に、避けて居る事に。)

「――――――……クゥルルルルル…。」

(次に鳴き声が響いたのは、森の中、最早何処とも知れぬ洞窟の中に踏み入った後。
ぼんやりと、暗闇の中でも道の先が見えるのは、獣が身に纏う魔力の性質か
進んだ先、僅か広まった空間にて、寝床の様に敷き詰められ、生い茂る葛植物の上に
女の身体を、ぽんと解放すれば。

同時に、漸く針先が引き抜かれ、代わりに。
尾の先端が、女の着用して居た装備を、接合部から剥がして行く
サーコートやレギンスの留め具を、十分に刃を受け止め得る強度の其れを
絹を割く様に、余りにも容易く

そうして、最後に尾が、チェインメイルの裾から女の肌上に滑り込めば
ぶちり、ぶちりと、てこの原理か、或いは強度が落ちて居るのか
金属輪を繋いで製造されて居る其の鎧が、下から上に、引き裂かれて行く。 
――最早、其の身を護る物など何も無いと言う現実を、突きつける様に)。

モルガナ > 「ぁ、ぐ……。」

 拙い。そうは思えど動くことは叶わず、何かを流し込まれる感覚に戸惑うその身が容易く持ち上げられる。
あろうことか、尾で。
 その身が極端に重い訳ではないが、それでも装備を込めた全重量は相当なものになる。
 にもかかわらず、狩りのトロフィーが如く持ち上げられ、運ばれていく。
 殺すだけならその場でも良い。喰らうならば仕留めるのもその場で。

 その行動の意図が読めぬ中、目を見開いて広がる光景に心を奪われる。
 豊穣の一言。それだけではない。生い茂る木々が、人々が開墾するのに相当の労力を要するそれ等が
 まるで民が王へ道を譲るかの如く拓かれていく。

 足跡は豊穣に吞まれ、歩む先は木々が拓き、後に覆われる。
 そこに痕跡はない。
 人が、その痕跡を追うことは容易ではない以前の問題。
 まず、存在を知るに至るが困難。
 故にこそ対策を立て簒奪するが性質たる人間の目にもとまることはなく、
 そしてその領域に口を開く洞窟へ、淡い光が漂う洞窟の中へ誘われる。

「つぁ……!? な、なにを……。」

 小部屋のような空間、巨躯が眠るに充分な広さの中、寝床のような植物の集合に放り出され、
 ずるりと引き抜かれた尾針が引き抜かれる。

 そこらの冒険者が纏うものとは精錬の段階で品質に隔たりがある
 彼女の魔力に呼応する天空銀製の武具。
 それ等が容易く尾針に引き裂かれていく。
 金属の集合が、まるで布地に鋏を通すように”断ち切られる”
 身にまとう鎧が断たれていくと共に、豊かな乳房が巨躯の前に大きく弾んで曝け出される。
 あさましくも巨躯の雄大さ、強さを感じ取り高揚する身はわずかに朱色を帯び、
 胸の頂は硬化の兆しを見せている。

 肌に多くの傷はあれど深い傷はない。無駄な肉の無く、しかし色づいた肉付きは豊かな肢体。
 それ等が、小さな呼吸を繰り返しながら、身を護るものを奪われても動くことは出来なかった。

 動けなかった。ただ見上げることしかできず、雌の体を横たえさせたまま。
 流し込まれた毒の作用が広がりながら。

虹石の獣 > (――裂かれる、等と言う事象が
最も存在してはならないのがチェインメイルと言う防具だろう
上下に断たれた其の防具の残骸が、女の両腕から引き抜かれれば
数多平民の生活を賄って余りある価値だろう其れを、余りにも雑多に、傍の地面へと放った

獣が顔を寄せる。 女の眼前へ、其の目を覗き込む様に。
ゆっくりと鼻先を其の首筋へ、胸元へ、下へ、下へと移動させ
其の長い舌が、下胎から胸元までを、静かに舐める
そうして、何かを感じ取ったのだろう。 再び獣が、顔を上げた頃に。
四肢の麻痺、と言う毒性ばかりを感じて居ただろう女の、其の胎の奥で
鼓動の様に何かが爆ぜ、拍動し、苛烈な熱に蝕まれて行く感覚が始まろう

人には存在しない筈の感覚。 女の中に息衝く雌が、産声を上げる様な実感
子宮が、下手をすれば其の奥底までもが、狂い暴れ出す其の異常が
発情であると。 蝕まれた肉体が訴え出す受胎衝動であると。 ――自覚出来るかは、女次第。)

「クゥルルルルル……、……クゥルゥゥ…。」

(――再び尾が女の胴に巻き付き、其の身を持ち上げる。
運ばれるのは獣の胸元、其の体毛に押し付け、埋もれさすようにしては
ぐりゅ、と、其の下胎に、押し付けるのは、滑らかな感触と熱感を持つ、肉杭
獣にしては穢れに塗れて居ない、桃色の肉杭を臍下に擦り付け
持ち上げた女の身体の高さを、軽く調整しては、肉杭の先端に突き付ける

――もう、この獣が何の為に此処へ連れ帰ったのか、理解出来よう。

理由なぞたった一つしかない。 初めから女は、この雄にとって。)

「―――――……グゥルルル……。」

(――雌、でしか無かったのだ。

女の肉体が、巻き付いた尾によって、肉槍に沈んだ其の瞬間
膣孔を圧し開き、子宮孔までをも一息に貫いた熱杭が、肉の輪すらもを拉げさせ、抉り抜く
蝕まれた子宮を容赦なく押し潰す其の圧が、圧倒的な雄の存在が
――雌の頭から一瞬。 相手が獣で在ると言う現実すら、爆ぜ飛ばしかねない、程に)。

モルガナ > 騎士団の一翼を担う部隊長でさえ恩賞と賜るには身に有り余るほどの一財産。
それ等が無残にも部屋の片隅にも押しやられていくだろうか。

それ以上に、獣と女騎士の相性はおそらく最悪だった。
女騎士は大地、鉱山、盤石な地盤を旨とする属性。
それに対して獣は豊穣を魅せ、まるで大地に根付くかのような特性。

それ等が女騎士の秘奥たる鉱山……、子種を呑み込み宝石を生成する秘術に
本来なら洗脳催眠魅了の類を反射する術さえ仕込んだそれに渦巻く熱が煮えて溢れて来る。

魅了も洗脳も催眠も受けていない。
ただ、熱が胎を満たしていく。
鉱山と化した胎が本来の役目を思い出してしまう。

常人に存在しないはずの感覚。それを女騎士は持ち得ていた。
その感覚が全て、雌に染め堕ちていく。

「んひぃ、ぎ、ぁ♡ こ、これ、なん、でぇ……♡」

気持ちいい。心地良い。嬉しい。嬉しい。嬉しい。
獣の視線が舐め這い、長い舌がゆっくりと胸や下腹部を”愛撫”する。
愛撫だと認識してしまう。

ずぐりと、胎が蠢く。餓える。子種を欲する。
明確に”孕みたい”と体が脳髄を揺さぶってくる。

「ひ、ぁ、や、めぇ……♡」

容易く、またも持ち上げられる。体格の違う己のサイズに合わせるように
己の”孔”に”肉”を押し当てられる。
そうされる前から理解していた。全身に根を張り己という盤石を蝕む毒素が”本当の幸福”を囁いてくる。

それから逃れようと、獣の胸元を震える手で、麻痺している手で押し返そうとして、

「んぎぃっ!? は、ぁ、か、はぁあっ……♡ はぁーっ……♡♡♡」

鉱山が、制圧される。ただの一撃で占拠され、みちりと、雄の形に嵌り込む。

「か、ぁあ……♡ ぁ……?♡ ぁああ……?♡♡♡」

胎がゆっくりと弛緩する。そして引き締まる。歪む。
咬み合う。嵌り込む。
人の胎が獣のものにされてしまう。

獣に犯される。その事実への忌避、その根拠となる倫理観が己中で根拠を失う。
何故獣と交わっていけないのか。
何故獣に犯されてはいけないのか。
何故獣が女を孕ませてはいけないのか。

孕み乞いするように強く引き締めて蠢動する。子宮さえも戦慄いて揺れ動く。

「……ふぅー……♡ ……ふぅー……♡」

圧倒的な体格差。その中で、女騎士の手足に魔力が集約する。
大地ゆえに自浄作用は強い。毒を浄化し、麻痺した腕をゆっくりと浄化していき、
その両足が力を込めて、


寝床を踏みしめて大きく股を開く。

「……っ♡♡♡」

獣と女騎士の相性はおそらく最良だった。
豊穣が根付くための胎なのだと理解してしまう。
雄が動き出せば自ら腰を揺らし始めるだろう。
雄の前脚にゆるりと組み付き、衝動に意識を取り込まれた女騎士は雌の顔で舌なめずりをして。

虹石の獣 > (其処に何らかの計算や打算は存在しない
獣に在るのは本能だ、其の本能がこの雌の存在を見抜いたのだろう
だが、其処に獣らしからぬ知性は確かに存在して居た
鎧の隙間を的確に貫いた尾の一撃も、着用の術を知って居るかに容易く脱ぎ落させた防具も
女の混乱と揺れ動く精神を見越したかのような、熱塊での一撃も、だ

女の手足に収束し行く魔力に、僅か瞳が狭まった
其れがもし、獣に放たれる攻撃の意思であったならば、反応は違っただろう
だが、其れが女自身の手足を癒す物であったなら、其れを留めはしない
其の手足が動けど、脅威ではない判断したのか、或いは
――もう、抵抗はしないと言う、確信が在ったのか。)

「――――――……クゥルルル…。」

(女が自ら脚を広げた刹那に、獣の律動が力強さを増した
子宮孔を、肉の輪を拉げさせ容赦無く突き崩す一方で、その肉を突き破り、壊して仕舞う様な事はしない
自らよりも、この雌がより脆弱であると理解して居るかの様に、或いは
其の嬌声が、嬌声である事を理解して居るかの様に

それでも、子宮が一瞬たりとも元の形を取り戻す様な余裕など与えず、叩き付ける肉杭は
女の腰が動き始めても、自ら合わせに行く様な事はしないだろう
寧ろ、合わせたければ、女自らが合わせれば良いと好きにさせながら
獣らしく本能に従って、明確に初めから、奥底を抉じ開けに掛かるのだ

尾の巻き付きが時々具合を変えるのは、女の呼吸を遮らぬ為
腰を僅かに持ち上げ、熱塊が一層"好い"角度で嵌る様に馴らしては
ごつり、ごつりと、一層押し潰されて行く子宮を、屈服させる様に
其の内に、子宮孔へと減り込む肉杭の先端が、飛沫を流し込む
射精では無い、雌の胎にとっては撒き餌のような先走りが
刹那、雌の衝動を加速度的に強めて、無防備こそを強いれば。)

「――――――……クゥル…、……クゥルルルル……!」

(獣の声が、洞窟の、其の空間に木霊した其の瞬間
余りにも判り易く、力強く脈動した熱塊から、濁流の様な精が女の胎に、雪崩れ込んだ

子宮の内側を洗い流し、磨き上げる様な勢いと重量感と濃密さを伴った灼熱が
女の下胎に、其の意志とは無関係の、陥落の証を浮かび上がらせる
濃密なる魔力を伴った其れは、本来ならば鉱山たる女の胎にとって
数多なる極上の宝玉を生み出す材料となり得ただろう、が

今は、この獣は、如何だろうか。
例えこその秘術が正しく機能して居た所で、獣には関係ない
其の胎に根付き、孕む迄、犯せば良いだけなのだ
そして何より女の胎は逃れられぬ。 そう、染められて仕舞ったなら
秘術の奥底に封じられた、雌の本能こそを――獣は此処から、暴き出さんとして居るのだから
大地に豊穣が根付くは必至。 なればこそ――上塗りの秘術は、何処まで耐えられるのか)。

モルガナ > 女騎士にまだ理性や冷静さが残っていれば、チェインメイルの金属輪が一部破砕……、
正確に射貫いてさえいたことに、人間の価値観で言えば技量の差も圧倒的であろうか。
全てが本能。そしてそれを補う知性。

元より、並の人間が、多少優れている程度の人間では叶う相手ではなかった。
そんな優れた雄が、己を胎として見てくれていた。

「ぉあっ♡ はぁっ♡ は、ぅ♡ あっ♡ あっあっあっあっ♡♡♡」

まぐわっただけで感じ取れる雄の力強さ、膂力の差。
そして優しさと勘違いしてしまう胎をいたわる手心。
悦ぶ胎が労わられる悦びになお強く引き締めて肉槍を絞り扱き立てる。

牝胎の膣襞の絡みようが強く抵抗を伴い始めていく。
それは自らの胎に肉体強化の魔術を仕込んでのこと。

雄が合わせず己を使ってくれるならこちらが合わせる。
それも雄が出来るだけ本能を滾らせられるように自らを高めていく。

両足の膂力が更に増して雄の律動に合わせて腰を打ち据え子宮奥深くまで肉の切っ先を咥え込み包み込む。

「はぁあああああ♡ ぁああっ♡ こんな♡ こんな♡ これ♡ そんな♡」

更に尾さえも己の呼吸を、律動を阻害せぬように細やかに変化を見せる。
そして己の体で嵌り込むに最適な角度を躾けられていく。
脳が蕩けてそれをつぶさに取り込んで自ら角度を調整しだす有様で。

もはや半ば蹲踞めいて大股を開き、時折潮を噴き、とうの昔に陥落して、
敏感に子宮に浴びせかかる熱い予兆の飛沫を浴びれば胎の熱が増すばかりで。

「んぎぃ♡ ぃぁあ♡ ぁっぁああっぁああああああああああああ♡」

雄のいななきの刹那、迸る精の塊が浴びせかけられて唇を歪めて嗤ってしまう。
抗えない。欲しい。孕みたい。まぐわいたい。
圧倒的な雄に呑まれ、己が肉槍を納める鞘であると”思い出してしまう”
牝の役目。本能。
雄が望めばそれは理で、それを享受してしまう。

腰を前後に揺さぶる様は浅ましくもあるがそれは自ら雄の輸精管を引き締めて余さず絞り出す牝の作法。
ぼごりと膨らむ胎に苦痛はない。重圧さえ心地良く受け入れてしまう。

己が優秀なのは強い雄を受け入れる為なのだと。
鉱山はより優れた雄以外孕むべきではないからだと。

「んふぅー……♡ ふぅー……♡」

女の胎が、元の大きさに戻っていく。瞬く間に、鉱山たる子宮が精を飲み干していく。
だが、獣は本能で”牝が魔力を行使して自らの意志で精を魔力に変えて己の体に取り込んだ”ことを理解するだろうか。
それが、別の形で証を浮かばせる。

淫紋。

「失礼……♡ 旦那様の子種……♡ 貴方専用の孕み胎となる為に使わせていただきましたわ……♡」

牝に堕ちても作法は変わらず。胸の体毛に指を沈み込ませながら、自らの意志で鉱山としての機能を放棄する。
代わりに獣の子種を確実に孕む、強い個体を孕む為に魔力を捧げる体に堕としていく。

そして、全身の魔力パスをあろうことか雄へ向けて開き、全てを接続していく。
種付け交尾をしている間だけ接続する淫紋回路。

そうしてもいいと思った。そうしなければならないと思った。
自分はこの”神”の為の孕み孔なのだと。

太古にこの獣を崇めた慣習もあっただろうか。
中には優れた牝が巫女として身を捧げ神に嫁入りする時代もあっただろうか。

女騎士は、自ら獣の牝として体を適応させていく。
孕巫女として全てを差し出してしまいながら、向かい合うように腹の下でまぐわっていた孕巫女は
自らの意志で身を反転させてうつぶせに、四つん這いの姿勢になり、たっぷりと肉の乗った尻を雄へと押し付ける。

「んぁむぅ……♡」

あまつさえ、己の体に絡みつく尾を手に取ると、その先端、己を狂わせた尾針の先へ舌先を這わせ、つぷりと自ら刺してしまう。
まるでそれは神への誓いの儀式のように、自ら舌へ毒を取り込もうと。

虹石の獣 > (獣は、己をよく知って居る。
己が尾針の齎す毒のひとつが、雌にどんな影響を齎すかも
ひとたびそうなって仕舞った雌が、其れまでに見せていた"人間らしさ"を投げ捨て
獣に等しく股を開き、胎を捧げ、狂い堕ちて行くと言う事を

だが、目の前で、この雌が見せた反応は、姿勢は
人の個性と言う物が、数多際限無く存在するのだと言う事を知らしめる
自らを、其の身に携えて居た物を捨て去り、"らしさ"だけでなく
人である事すらもを放棄して、獣の為に其の身を捧げ、胎を変える

新たに雌が魔力を行使した事は、獣も理解した
芸術を、或いは魔術と言う学問における紋様の意味までを理解は出来ぬが
程なくして其の身から己に向けて、魔力が流れ込んで行く事を知れば
瞳が雌の顔を向き、不思議そうに凝視してから。
――腰を、女の胎に叩き付ける。 先刻よりも深く――子宮の輪郭を、胎に浮き上がらせる程に。)

「――――――クゥルルル……、……クゥル…?」

(まだ、吐精は続いて居る。 雌が搾り取ろうと腰を揺らす度、応える様に。
雌が身を反転させれば、自然と獣は其の上へと伸し掛かる
押し潰すのでは無く身体の形を合わせ、より獣として自然な――交尾の形へ
尾の拘束を、外しはしないまでも緩めれば、下胎に巻き付け緩く締める
子宮の下部より、精が漏れ出さぬ様に塞ごうとすらしては
雌が、尾の先に顔を寄せ、何かをしようとして居るのを眺めつつ

――舌に触れた針から、反応めいて毒が流れ込む
初めに其の身を毒した麻痺では無く、次に其の身を毒した、媚毒の方を
舌と言う血流にのり易い部位から、一気に流れ込むだろう其れが
今度は子宮よりも先に、女の脳髄を染めて行く事を――人は、破滅と言うのか、堕落と言うのか
或いは――幸福と、表現するのか

律動が再開される、吸収され切って再び空虚となった子宮を、先刻よりも容赦無く穿ち抜く
大丈夫だと雌が訴えたからだろう、其の通りに。 この雌が思ったよりも頑丈であると認識し直した故に
肉付きの良い尻肉が、柔らかな体毛の中で歪むほどに、熱杭が子宮の奥底を押し上げ
鉱山で在った事すらも塗り潰し、忘却させ、新たな意味を刻み付ける様に

――獣は知らぬ、其の雌が、王国にとってどれだけ影響の在る存在であるかを
獣は知らぬ、王国の趨勢が、この大陸にとってどれだけの影響を齎すかを
求むるは只、番となるべき雌の存在のみ。 故に獣は、自らを捧げた雌に応えるのだ

舌から摂取した媚毒が、一線を越えた其の時から
雌の卵巣が、ぶくりと沸騰するかの熱を帯びて狂い始めるか
女の意思に反して身体が、胎が、苛烈な衝動に戦慄き――吐き出そうとし始める、背徳を
与えて、赦して、孕む事を決定付けて。 ――其の上で。)

「――――……クゥルル……。」

(――獣が鳴いた其の刹那、確かに。
魔力で繋がった女の脳裏に、言葉が浮かぶ筈だ――名を、名乗れ、と。
声だけでは無く、魔力が循環する様に、女の肉体に獣の魔力が与えられ、流れ込んで行く
そうして、其の脳裏に一つ、浮かぶものが在ろう

女が知らぬ名前、この場でそれを示す物は、唯一つしかない
魔力と共に流れ込んだのは、きっと記憶の断片だ
かつて、其の獣が、何と呼ばれて居たのかを示す、ふるき、ふるき、なまえ
其の脳髄に、心臓に、魂に刻印される――       と、言う名を)。

モルガナ > その獣が重ねた年月よりかは余程浅いのだろう。
だが、ミナスジェイラスが大を連ねて積み重ねた品種改良。
鉱山であるが故に、それを看破されても雄を絞り尽くして凌駕し帰還する。
その圧倒的な勝率、生還能力が魔窟たる王都にあって鉱山を秘匿たらしめる要因。

故にこそ、苛烈な雄を味わうほどに牝胎は眠る才能を魅せつける。
貴族としての作法が雄を咥え込む牝の作法に変じていく。
翻弄されるのは失礼と雄竿を悦ばせる為に屈服していた胎が自ら咥え込んで
胤乞いのまぐわいに没頭する。

肉欲と理性が本質的に一体であるミナスジェイラス。
故に、その浮かび上がる淫紋は儀礼的な作法により形作られるのではなく、
雄より取り込み味わった子種から感じ取る”魂の形”を浮かび上がらせる。
故に常道の型ではなく、故に認めたこの雄ただ一頭の為に身を捧げる
従来の子宮は情欲ではなく、雄々しい雄の衝動と荘厳さを際立たせる唯一無二の造型を浮かび上がらせた。

その形を理解せずとも、体と魔力が一つとなった雌雄にはそれがマーキングめいたものだと理解も出来るだろう。

その末に、雄の律動に牝尻が戦慄いて波紋を刻む。
そして浅ましくも尚胎に子種をいただきながら雌の作法に乗っ取ってドギースタイルに切り替えもすれば
雄はごく自然な仕草で己の背に咬み合うのだからたまらず薄暗い笑みを浮かべる。

みちりと、牝の魔力が沸き立ち濁流が如くうねりを魅せる。
舌先に媚毒を受け入れ堕ちていくのは間違いなく幸福。
それも、ミナスジェイラスの秘奥、追い込まれてようやく顕現する魔性の牝の胎を
引きずり出し全霊で雄に従う幸福。

尾だけの拘束。それも子種をこぼさぬだけのそれ。
後は、雄と雌がまぐわうだけの姿勢。

「オォッ♡ オッオッオッゥァ♡ ハァッハァッハァッハァッ♡」

先程よりも苛烈な蹂躙に牝の腰遣いが小刻みに振り立てて応えていく。
牝の事情などお構いなしの雄に牝のほうから合わせ始めていく。

やがて尻を上向きにして豊乳を蔦植物に埋もれさせる牝の作法を見出して、
雄の縄張りと化した鉱山を明け渡して耕し直されていく。

(胎が……♡ 旦那様専用の胤孕みの道具に……♡
 他の子種ではもう孕まぬ……♡ 宝石も生み出せない……♡
 ミナスジェイラスとして無価値な女に……♡)

 嬉しかった。幸せだった。それまでの自分が否定されることが。
 旦那様だけのものにされてしまう。国から獣に己が寝取られる何者にも代え難い高揚。

 その中で旦那様と繋がり合う牝に言葉が注がれる。

 17番。
 牝はそう名乗った。
 当代の長女として選抜された数多の子供の一人。
 選抜されてからの名。モルガナとは名乗らなかった。

 17番。
 その番号は今や旦那様だけが知る自分の本当の存在を示す名。
 それを受けた瞬間、雄は牝の魂まで支配する儀礼を受けたことを覚えるだろう。

 ―美しい名ですね

 牝がそう告げた。絡み合う魔力の奔流の中で、この牡の番となれることを牝は悦んでいた。

 ―仔を成しましょう

 ただそれだけ伝えて、人から見ればおぞましいほどに喉から肉欲に溺れた声を絞り出して、
 獣毛に尻を埋め込みながら種乞いの作法を見せつけて。

虹石の獣 > (獣が吠える。 ――否、鳴き声に其処迄変わりはない
だが、雌には確かに其れが、雌の言葉に応えた物であると知れるだろう
魔力だけでなく、意思すら繋いだ雌雄に、最早言葉は不要
其れでも、雌の肉体は意思の介在とは無関係に嬌声を響かせ続け
二重に雄へと、其の信奉を伝え、証明し続けて居た

17番、人間で在れば其処に、何かを感じ取って仕舞うのやも知れぬ
だが、獣にとってそれは、唯、この雌を示す名、以外の意味を持たぬ
故に、結ばれるのだ、番として。 己が雌として、互いに其の名を、交わした事を証として

どぶんっ…! 熱塊が予告なく爆ぜ上がる。 再び濁流に等しい吐精が子宮を襲う
先刻までの魔力濃度とは比にならぬ。 恐らくは一度魔力を消費された事で
"喰らい切れぬ量"を、其の胎に詰め込もうとして居るのだろう
上から下へと、重力に従い噴出して行く灼熱が、僅かすら漏れ堕ちる事無く子宮を膨張させれば
胴を締め上げる尾に力が籠り、下胎を締め付けて、逆流を防ぐ

最早、鉱山としての役割を果たせぬ胎では、其れを受け止め切る事なぞ出来ぬ筈だ
長い、長すぎると精の奔流に溺れ行く子宮が、最早其処だけでは留めきれなくなれば
其の瞬間こそが、雌の身が、いま最も望む結末を迎える、瞬間、か。)

「―――――――クル……クゥルルル……。」

(――律動が、やまない。
射精しながらも子宮底を抉り続け、まるで、命を絞り出し幾度でも受精を果たせと、命じるかのように
其の内に再び、上塗りする様な吐精の勢いが襲い来るのは避けられぬ
ぼこり、爆発めく追撃の噴精が、雌の胎を、ゆっくりと孕んだ様に、臨月めいて変えて行く
追い打ちの吐精が、最早どれだけ時を経たかも判らぬ程に撃ち込まれ続け
果てに、女の子宮が、飽和し、過剰に注がれた雄の魔力を受け取れなくなる頃に

――獣に尻を掲げて見せる雌の身を、ゆっくりと引き起こして

寝床に、ごろんと仰向けに転がる獣の腹の上へと、其の身を乗せようか
無論、未だ繋がった儘に。 番となった腹の上の雌を、あやすように。)

「――――――クゥルルルル……。」

(―――――17番、と、獣の意思であろう声が、雌の脳裏に響く
其の名を呼び、覚え、意味の有る物とするかの如くに

巻き付いた尾の、先端。
先刻までは鋭く尖って居た体毛が、今は柔らかく雌の頬を撫ぜる
しゅるり、しゅるり、じゃれる様に。 或いは、愛でる様に。
どくり、どくりと繰り返される熱塊の脈動が、時折胎奥を打ち据える中でも

――この獣に、愛されながら今。 其の胎に命を根付かせて居るのだと
そんな実感を、何よりも強く、強く、感じられる筈だ)。

モルガナ > 大きく激しく雄竿を食い締める膣襞が戦慄く。
それは言外の、雄の咆哮に牝の下の口が応えた結果。

つがいである、一組である、離れぬ雌雄である。
牝からすれば雄が別の牝を選んでも良い。
今この瞬間選ばれた。今この瞬間に雄の子種で孕む幸福に充たされている。
この雄は、より優れた子孫を残すべきだと言う牝の執念が魔力を介して伝わってくる。

己の全てを曝け出す。
人だと思ったものの内に潜む使命を背負わされた牝。
その牝が、雄に見出されてようやく幸福に充たされて、その全てを曝け出す。
何も感じぬ、ただ己を示す名だと受け止めてくれる。
だからこそ牝はこの雄の仔を孕みたいと言う欲望に支配されていく。

「ぅううううぁあああああぉおおおおうううううう……♡♡♡」

人が、獣の姿勢で四つん這いになり、尻を高々と持ち上げる。
とうとう、雄大な雄の腹を牝の腰遣いだけで押し上げるだけの膂力を魅せて来る。

どぶり、ぞぶりと胎を満たす濁流を、小さな体が受け止めて雄への賛美が如き嗚咽を絞り出し続ける。
嬉しかった。雄が己の枯渇した胎に魔力を注いでくれる。
完全に生態が合致してしまっていた。
両肩を寝床に押し付けながら嬌声の限りを絞り出し、腰をヒクつかせて繁殖行為に没頭する。

交尾。
射精。
繁殖。
繁栄。

その言葉が紡ぐ意味を流し込んできたのは牝のほうだった。
雄が牝を見下せば、瞳だけで嗤いながら雄を誘っていることが伺える。

受け止め始める。どこまでも、雄の衝動を、使命を牝は腰を押し上げて受け取める。
仔を孕み、生み落とした後に命を落としても構わないという意志が流れ込んでくる。
それだけの価値がこの雄にあるのだと牝の敬意が押し付けられてくる。

この雄の子孫は増えなければならないのだと。

全霊を以て、雄に応える。
それは女騎士としての矜持が生まれの呪縛に、牝としての高揚に余さず絡み合った結果。
17番という牝が雄に掲げる在り方。

嬉しい。雄の子種で腹が膨れていく。
嬉しい。只の群れの一つだった自分が雄に求められている。
嬉しい。この雄が完全な存在となれるならこの魂を明け渡しても惜しくはない。

私が、自分が、己が、この雄のつがいなのだと魂が脈動する。

「……ぁ……♡♡♡ ふ、ぅ、く、ふぅうううう……♡♡♡」

そう覚悟した刹那、獣であるはずの雄が、決してしてはならぬはずの
獣であれば”屈服の姿勢”である仰向けの姿勢に体位を変えていく。
それは間違いなく己を、番を、母胎をいたわる雄の雌への敬意さえ覚える作法。

それだけで、牝ははしたなく雄の腹の上で膣絶頂と脳絶頂を曝け出してしまう。
舌を放り出し、目じりに涙を湛えて、両腕をだらりとたらして雄に心底屈服してしまう。

己を未だ離さぬ尾の絡みようが愛おしい。
ともすればあらゆる敵さえ射殺せる尾針が緩くたわんで己の頬を撫でて来る。
だから、人の仕草で、雄にだけ差し出した淫紋に指を添えて、魔力を注ぎ込み、
より深く、淫猥に歪めていく。

単体では完全と言えぬもの。それは多々ある。
そも、完全な個体は仔を成す必要がない。
だからこそ、雄大な神の如き雄でさえ、雌雄であるならば不完全なのだと。

貴方が完全な存在になる為の牝、番なのだと、胎の上で17番が嗤う。
この身は、貴方の仔を宿して、貴方の本能全てを受け止めて満たして悦ばせる(完全な存在にする)ためにあるのだと。

目の前で異種の番が、異種の欲望の限りを雄へ伝えるように、
腹の上で自らの豊乳を揉みしだきながら、陰核を指でこねくり始める。

貴方はもっと多くの()を孕ませるべきなのだからどこが弱いのか知るべきだと言うように。

虹石の獣 > (――完全な存在がこの世界に存在するのだとしたら
果たしてそれは、何を以て完全、と定義付けられたのか
其れ一つで完成した存在、だとするのならば、確かに
圧倒的な力を持つ獣も又、不完全に過ぎる存在なのであろう

雌の意思が流れ込んで来る。 仔を為して欲しいと
自らだけでは無く、他の雌すらも孕ませる事で、其の種を広げて欲しいと
互いの記憶や意識が同調する事で少なからず、人間と言う存在、への知識が獣に流れ込む
言葉、思考、理念、在り方。 種族、容姿、価値観、文化。
其の全てに獣の理解が及ぶ訳では無い、だが、この瞬間確かに獣は
人間、と言う種の一端を知る事になったのだろう

きっと、だからかも知れぬ。 獣であれば屈服を示す其の体制も
人間にとっては、決して可笑しくは無いモノ
雌の記憶と知識から得た物が、獣を、ひとつ、完全へと近付けるのだ。)

「―――――――……クゥルルル……。」

(胎の上で雌が、躍る。 其の意味を見定める様に獣は暫し、様子を眺めていたが
雌が自らして居る様に、乳房を長い尾で捕らえれば、くるくると器用に巻き付けて、片方を絞る
尾の先端で、針を刺さぬ程度に尖った乳頭を弾いては、教わる儘に触れ方を学び
そうして、其の内に、自らの前足を雌の胴体辺りに押し付けては、肉芽を弾く真似事を

――とは言え、巨大な前足では細やかな愛撫が適う筈もない。
精々、妊婦の如くに膨らんだ胎の辺りを、てちてちと揺らすだけに留まるだろう
そうして、獣は知るのだ。 人の姿と言う物が、如何に機能性のある形状をして居るかを。
雌の様な指先も無く、地面を踏みしめるだけの脚では、学んだ所で生かせない
その利便性と器用さの全てを詰め込んだ様な尾は、されど、其れ一つでは雌を愛でるには足りない

少しばかり、残念そうな声音が零れた後で。
その代わりに尾を波打たせ、両の乳房を縄の如くに絞り上げれば

――雌の下で刹那、妙な変化が起こるだろう。
ごきん、と、何か、形が変わる様な。 自らが座り込む胴体にて――骨格が、歪み、形を変える様な
雌から流れてきた知識を参照にして、或いは目前の雌と言う人間の形を参考にして
次第に獣が、其の形を変えて行く。 ――不完全であるが故に、完全では無いが故に
特定の形に囚われる必要のない獣が――人、と言う種の形を、模倣して行く

されど、完全では無い故に、不完全であるが故に、人の姿を完璧には模倣し切れぬ
貌や体毛に獣の印象を残し、人とは言えぬ巨躯を残し、代わりに、同じ事が出来よう手足を手に入れ
再び女の下胎に、前足では無い、両掌を――指先を、其の感触と動かし方を
確かめる様に触れて、指を沈め、精に満ちた子宮を歪ませる、か)。

モルガナ > 生物は元来、決して届かぬ完全を、至高を目指して進化を繰り返す。
そうして果てなき変化を経て強者はより強者へと変化していく。

雄が囁いてくれた名が”あれ”であるならば尚のこと。
雄に己の何もかも明け渡した牝から流れ込んでくる人の知識の中で
貴方の”人の世での名の意味”を伝えて来る。

貴方は、貴方の仔は、いずれ完全に至る為に生まれてきたのだと。
生物として雄大にある為に生まれてきたのだと、貴方に屈服させられた牝が迷いなく魔力を以て告げて来る。

牝の献身が、雄を更なる高みへと引き上げていく。
それは、獣にとって恥辱の仕草を以てでも己の身をいたわってくれたことへの敬意。

「……針を、刺してもいいのですよ……♡♡♡
 牝を……、貴方の繁殖へ相応しい体にしてもいいのです……♡♡♡」

乳房を、長い尾が愛でてくれる。それだけでまつげを震わせて脳イキしてしまう。
雄の嗜好の外で己を真似て愛でてくれる。それだけで嬉しい。
だがその一方で牡の機能を、まるで雌を気遣うように行使しないのだから、
毛束に指を絡ませて、自ら勃起した乳首へ柔らかな体毛を圧しつけもして
雄の為の体にしてほしいと囁いてくる。

「んぅ……♡ いいですよ……♡ 好きに可愛がってくださいな……♡
 それとも……♡ 貴方の見初めた牝は……♡
 貴女が撫でた程度で壊れる程度の脆弱だと思いまして……♡♡♡」

本来の歴史であれば、その牝は人を導き最前線に立つに相応しい存在だった。
だが、今はまだ芽吹くことなく、大成することなく、ただ迷走した挙句に
たまたま運よく貴方という優れた雄に見初められただけのこと。

その牝が、才能を開花させていく。ただ雄に応える為に
陰核や腹を撫でて来る前脚を取り、自ら頬を摺り寄せて、先端に口づけの雨を降らせる。

「……すっごく……♡♡♡ ……嬉しいんですよ……♡♡♡ ……私……♡♡♡」

愛撫の拙さに良し悪しは伴わないのだと。
雄が欲して牝を求めてくれるから嬉しいのだと、魔力の連結を以て嘘偽りのない高揚を訴えて来る。
なんなら壊されても良い。貴方の寵愛の証なら本望だと。
貴方の欲望の赴くままに、淫靡に引き絞られた乳肉を前に突き出して舌なめずりをする。

今貴方が手に入れたこの牝は、どんなふうにしても良いのだと獣欲を煽り立てて。

だが、それさえも、牝の浅慮であったと直後に思い知る。
獣の姿が、人に寄せて来る。
それは間違いなく牝を欲しての雄の行為。行動。

「は、ぁあ……♡ これは、流石に、卑怯、ですわ……♡♡♡」

獣に寄せた牝が、人に寄せた雄のこの上ない作法へ淫蕩にまみれただらしない表情を晒してしまう。
そのまま、己の両腕を頭の上で組んでしまう。
雄に触ってもらえるままに、胸を突き出したままの姿勢で弄んでほしいと、
いっそ欲望を体にぶつけて欲しいと、牝の衝動が濁流の如く、
それこそ先ほど散々に注ぎ込んだ白濁の如く熱を帯びて雄の意志に流れ込んでしまうだろう。

虹石の獣 > 「――――――くぅるるる……。」

(口を動かす。 喉を鳴らす。 人間に近付いた形は、内部器官も。
同じ鳴き声でも、若干の際は感じられようが、同じ存在である事は疑いようも無かろうか
人間の理解は、決して退化では無い。 番となるべき種への理解が、退化である筈もない
知識は可能性を広げ、可能性は獣をより完全に近付けて行く
その第一歩が、この雌であった事は、獣にとっても在る意味で、幸運だったのやも知れぬ

下胎での"練習"を終え、獣の指先が雌の乳房を掴み、指を沈ませる
手加減は判って居るのだろう。 人間相手にしては強く、この雌相手ならば上等に。
先刻の雌自身の動きを模倣し、根元から絞り上げ、先端を捏ね上げて
雌の咽喉から漏れる嬌声が、より強くなる様に、反応すらを伺いながら
ただ孕ませればいい、と言う、獣然とした最初の姿勢とは異なる
それは一種、番への愛情でも在ろう。

腰を、下から突き上げたのは、まるで不意打ち気味に
人型になってもなお、雌とは圧倒的に異なる体格差の儘で
其の砲身だけは威容を、形を然程変えぬ儘。 されど初めより、より、雌の内側へと嵌まり込む形状に。
胎の上に再び、熱塊の輪郭が、ぐぽりと浮き上がる程の深みを穿っては
乳房と共に、其の身体を愛で、貪り、翻弄する

手指に責めを明け渡した尾の先端が、乳頭に針を突き刺せば
正確に、乳腺を穿ったその針先が、媚毒を奥へと流し込む
両の乳房すらも染め上げる熱が、肉毬を次第に熱で溶かし
揉み絞る指先が一層、其れを奥へ奥へと揉み込んで浸透させれば
もう、雌の身体に、媚毒に染められて居ない個所など無くなろうか。
急速に、雌として更に熟れて行く事を強いる媚毒は、次第に乳房を、一回り張り詰めさせて。)

「――――――……じゅう なな 番 ……。」

(人に近付いた声帯が、其処で漸く――女の名前を、正しき名前を、呼んだ。

流れ込んだ人の言葉すらも、この短期間で習得しつつあると言う其の知性は
情報が他の人間に伝われば、明確なる脅威と断じられかねぬだろうが

今は、其れを知るのは、この雌だけ

再び爆ぜる熱塊と共に、多少なりと細やかに動き易くなった身体で
抉り込んでいる子宮の内側に、円を描いて熱塊を擦り付けて行く
本来であれば、精々が子宮孔に押し付けて行われる程度の物だろう、が
獣であるが故に、知識の応用でしか無い故に、其処には容赦が無い
ぐりゅ、ぐりゅ、とあらゆる角度で胎を苛む熱杭が時折
円を描く最中に、両翼へと連なる窪みすらも擦り上げ
時折鈴口が嵌まり込む予感すらも見せる度に、再び雌の身体に、新たな受精衝動を齎して

――嗚呼、矢張り本質は獣なのだと判るだろう
雌の存在を確かに番として愛でながらも。 ――孕ませると言う本能だけは、変わらぬのだから)。