2024/04/26 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」に枢樹雨さんが現れました。
■枢樹雨 > 静かな森の中。月が照らす湖畔に、妖怪いっぴき。
長い濡羽色の髪と二対の鬼角を隠す白絹を風に揺らし、胸には三味線を一棹抱えている。
数分前までは正座をしていた脚は少し崩され、夜の空気に冷えた草に白い素足が触れる。
けれど冷たいと思うことはない。妖怪の体温もまた、人と比べればずいぶんと低い。
しかし妖怪の目許はほんのり赤い。
長い前髪に隠れてしまっているが、仄暗い双眸はどこかぼんやりと暗い湖を眺めている。
その原因は恐らく、妖怪の左手にある陶器の器。その中で揺れる、暗い赤。
傍らには、葡萄酒の瓶が置かれていた。
「叶うなら、食べた事の無いつまみがほしい…」
淡々と、抑揚なく、誰に向けるでもないお強請りひとつ。
返事がない代わりとばかりに抱えた三味線の弦を爪で弾けば、その音が静寂へと響いて。
■枢樹雨 > そうして一人酒盛りを楽しむこと数刻。
空になった酒瓶を置いて、妖怪はその場から姿を消した。
抱えた三味線と共に――…。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」から枢樹雨さんが去りました。