2024/03/02 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都の北部に広がる喜びヶ原との異名を持つ広大な平野。
樹々が折り重なる森林地帯にて野営を行なう冒険者一行が存在した。
ギルドで同じ依頼を受けた彼らは全員がパーティに属している訳でもなく、
共通の目的の為に一時的な協力関係にある、レイドを組んでいた。
そのため、火熾しを終えて歩哨の順番を決めた後は気儘に思い思いの時間を過ごしている。
同じパーティの者達は薬品や荷物を融通し合い、道中で気が合った若い男女は木陰にしけ込み、
そうでない者達は自身の天幕で食事を摂ったり、装備の点検をしたり、早めに休んでいる事だろう。
冒険者は個人事業主で、得てして個人主義だ。個人が何をしようが無関係な他人が口を挟む事はない。
そんな仲間と呼べるかも怪しい同業者達を横目に中年冒険者が焚き火の前で革袋の酒を呷っていた。
「オークの討伐、か……。
キング級やジェネラル級の変異種が発生していないと良いんだが」
彼らが受けた依頼は近隣の村々を襲い、略奪や時には娘の誘拐に至るオークの討伐。
彼含めて討伐経験者は多いが、連携も取れない状況では全員が無事に帰れる保証は何処にもなく。
何事も起こらなければ良い、と熟練冒険者にあるまじき枯れた思考を抱きつつ酒に口を付けた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にオークさんが現れました。
■オーク > 朝。見渡す限りの白。
夜のうちに積もったようだ。緑肌の巨漢は顎に手をあてると呟く。
「この景色では魔物を観察できるほど接近はできない……さりとて野山を移動しても人間達に補足されそうだ。
昼はこの洞窟に滞在して、夜に移動を開始するのが無難か……」
睡眠はとったばかりだ。食事を済ませれば、この半日やれることはほぼない。
懐紙を取り出して、矢立から筆を抜く。
雪原に1mを超える生物が現れればオークほどではないが目立つだろう。監視を兼ねた、趣味の時間。
『白雪の……』
景色を眺め、短い詩を作ろうとしていた。
■オーク > 唸り、首を捻り、考え込んでいた巨漢が雷にうたれたように頭をあげる。
そのままさらさらと筆で紙に何やら書き込んだ。反芻するように己が書いた文字を読み上げると、牙を剥きだした。笑ったのだ。
気付けば太陽はもう少しで上りきろうとしている。ただ座っているだけでも腹は空く。
巨漢はバックパックから火打石と小さな鍋、そして玉ねぎを取り出した。
雪を沸騰させて濾過し、スープでも作ろうか……洞窟の中に燃える物は多くあったから、そいつを使おう。
降ってわいた休日について、己の種族が信ずる神への感謝を忘れない。大地が脈動するような声で祈った。
「……アイオーンの恵みがあらんことを」
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からオークさんが去りました。