2023/12/03 のログ
■ゴーザ > 「安心しろ、こう見えて吾輩にも見境はある。
まるっきりやる気のない相手に無理やり喧嘩を売るような、下らん真似はせんよ。
あと森の主は止めろ、エルフどもに聞かれでもすると色々厄介だ・・・吾輩はともかく、おぬしがいらん因縁をつけられるかもしれんしな」
どっちかと言うと、鹿とか猪とかたまに熊とか狩って食べている魔族を主呼ばわりすると、妙な恨み買いかねんぞと釘刺しておいて。
「ようし、しっかり捕まって居ろよ・・・どうりゃあああああっ!!」
少女は一つ思い違いをしている。それはこの魔族確かに力は強いが、人助けというか穴の底から引っ張り上げるのは初めてなのだ。
ゆえにその方法は・・・まずは真上にぶん、と魚でも吊り上げるかのように放り上げてから、ぐいっと自分の方に引き寄せる。つまり、急スピードでのフリーフォールやらされるようなもので、慣れないと途中で手を放してしまうか、酷くすると酔ってしまいかねないもの。
■ティアフェル > 「負け確の勝負はちょっとねえ……
負けるのはキライ。勝たせてもらうのはもっとキライ。
――あら、唯一無二でついでにでっかくて強い存在を人は勝手に主と認定するものよ、主殿」
相手の注意もどこ吹く風。
ナマズとかそんなのと同格と云っているようで大変に失敬だろうに、居直ったように口にしてはに、と口角を上げて。
「っ、――ぎゃああぁぁあっ!! 一本釣りいぃぃぃー!?」
てっきり、そのままうんせよいせとずりずり引き上げてくれるもんだと、予想していたから。
一気に引っ張り上げられて、ぽーんと縄ごと一瞬無重力状態で中空に跳ね上げられ。
まさか助けてもらう方が危険だとは夢にも思わなかった。いとも軽々と放り投げられるように浮いたかと思えば、刹那にぐん、と強く乱暴に引っ張られて、縄は離さなかったので。
べしゃっ!と彼の血塗れの白い前身に潰れたような音を立てて激突の予感。
■ゴーザ > 「だから、やらんよ。
吾輩はただ強くなりたいのであって、弱い者いじめがしたいわけではないからな。
・・・まあ、おぬしが呼びたければそれでいい。吾輩は吾輩で何が変わるわけでもないしな」
一応はティアフェルの身を案じていっただけの事、本人がいいなら別に構わないとあっさり許可してみたり。
「・・・うん?これはいかんな・・・よっこいしょっと」
思ったよりすごい勢いで自分の方に飛んでくる少女見て、口調はのんびりしたものながらどこからともなく魔族の幅と同じくらいの大きさの真っ白いクッション取り出して胸前に構えてその体を受けとめ。
ポスン、と案外間の抜けた音がするだろうか。
■ティアフェル > 「そ? か弱い乙女をイジめて楽しむような主様じゃなくって良かったわー」
どこかか弱いというのか、そんな軽口を叩いて呼び方云々に関しては好きにしていいようなので。主、と性懲りもなく呼称しては満足げにアホ毛を揺らし。
たかが呼び方一つで目くじらたてるようなそんな心の狭い自尊心の塊エルフがいたとて知るものか。
「衝突緩和システムー!? ………っぷっは……はー……どっきりした……
……てか、これ、どっから取り出したのよ……あ、それより一本釣りありがとう……じゃなくて、助かりました。このご恩はできるだけ忘れません……」
相手の前面にぶち当たるかと思いきや、ばふんっ、とその直前で手品のように取り出されたクッションに全身を受け止められて。どこからこんなエアバック…と驚愕しつつも埋まっていた貌を手をついてふは、と離し。
それから至って正直にバカが先頭につく勢いの正直に礼を述べ、ぺこりと頭を下げた。
「……あ。で……3時間? なにに付き合えばいいの?」
■ゴーザ > 「ん?ああこれか?
何でも放り込んでおける便利な袋とか言うやつだ。
クッションの方は、まあ・・・一昨日、寝るとき大変だろうからともらった奴だ。
うっかり忘れてて使ってなかったんだが、役には立ったな。
うむ・・・まあ気にするな、吾輩にとっても都合がよかったというだけの事だからな」
クッションについてはマジックアイテムらしい袋から取り出しただけだと種明かししてから、比較的そおっとティアフェルの体地面に下ろし。
何をすればいいのかと問われると、そうだったなと手打ってから再びニヤリと笑い。今度は血まみれなので更に凄味が増していたりはするが、告げられた内容は穏やかと言うか意外だろうもので。
「ああ・・・何の事は無い、吾輩と一緒に王都に行って肉を喰え」
■ティアフェル > 「………そお。
いや、別にわたしに不利益は一切ないからなんでもいいんだけどさ………なんていうかあの一瞬でよく間に合ったね……。
都合……?」
こちらは引っ張り上げてもらって助かることしかないが、逆に彼が自分を助けたことでないか利益を得るのだろうか?と不可解そうに首を傾げては。
そのまま慎重に下ろしてもらって、ようやく無事地面に足を付ければ、ほぉ~…と大きく息を吐き出して。
助かった、と穴の底から地上へと降り立ち自由を噛みしめていたところ。
魔物でしかない血みどろのなんか白い主様がニヤリするので、本能的にぞくっとしたが。
「…………んん?
なにそれ、どういうこと……? 意味わかんなすぎて逆に何かの罠かと疑念が渦巻くのだけど??
てゆうか、その見てくれじゃ街に入るのは無理じゃない?」
肉?ときょとんとしたように予想だにしてなかった答えに目を丸め。
■ゴーザ > 「うむ。吾輩も良く間に合ったと思うぞ、運が良かったなティアフェル」
・・・つまりは単にタイミングの問題だったと言う事。まあぶつかって怪我をした所で、自分専用の治療薬使えばいいかと軽く考えていて。
ちなみに、その治療薬。この異様にタフな白魔族専用のため、人間なんかに使った日には1時間くらいのたうち回る激痛が襲うとはこの場にいる誰も知らない事。
「あーそうか、今の説明だけじゃ判らんか。
ええとだな・・・王都に吾輩が贔屓にしている美味い肉・・・牛・豚・鶏・鹿・兎や魔物の肉なんかを出す店があるんだが、
その店があまり繁盛しておらんようでな。
出来るだけ顔を出して売り上げに協力しているんだが、いくら大食いとは言え吾輩一人で食える量には限界がある。
そこで、だ。ティアフェルの腹具合に無理のない範囲で何を食べても構わんから、吾輩に付き合え、とこう言う事だ。
無論代金は吾輩が全部出す。
味は吾輩が保証するし、ティアの損になる事は何もあるまい。
人助けだと思って一つ頼まれてはくれんか?」
疑念浮かべるティアフェルにもっともだと一度頷いてから、詳しい説明を始める。
要は贔屓の店が潰れないようにするために手伝ってほしいとの事。
「吾輩の見た目か・・・それはな、こうすれば問題はない・・・むうううっ!」
次の問いには、少し迷いながらも目の前で変化始めて。
まずは右肩の甲殻がベコンっと音立てて、体に沈み込み黒い地肌を晒す。
ついで左肩、足・・・と続きながら徐々に体が縮んでいき、最後に顔の甲殻が上に上がり角刈りの白髪頭になると、顔の真ん中にあった目が小さくなりながら左にずれ、刀傷に見える裂け目の中に沈む。顔の右側が蠢くとそこには普通の目が現れる。
そうして二回り位小さくなった・・・具体的には2mほどになったやや老年ながら元気一杯と言った感じの、見た目だけは人間が一人現れる。
ちなみに全裸(おい)
■ティアフェル > 「……主様の瞬発力の賜物じゃない?」
運っていうか、と微妙な顔をして首を傾げるヒーラー。
傷病を治療するのが専門分野なだけに、救助の際負傷したところで自力でなんとでもするので彼が治療薬、と出したところで遠慮するので、その薬の副作用については多分一生知りえない。
「う? ……うーん……変な肉じゃなさそうだし、別にお店でサクラするくらい全然いいんだけど……わたしそんなに大食いでもないからあんま戦力になんないかもだけど、いいの?
せめて自分の食べた分くらいは払わないと悪い気もするけど……
主殿がそれでいいんなら、わたしは構わないわ。どうせ街に戻ったらごはんにするつもりだったし。
味が本当においしかったら知り合いにも口コミしとくわね」
渡りに船…というものだが、文字通りノーリスクでおいしい思いだけしていいのだろうか、と思わなくもない。
しかし、それで助けた方が礼になるというならばと了承して。
そんなに繁盛していないならせめて自分が行ける時にはいくことにしようかと考え。
「え……、ぅ、ひぃっ……ちょ、ちょ、ちょおぉ……っ、怖い怖い怖い! いきなり変身しないでよーっ、てか服ぅー! レディの前でそんな思い切ったかっこしないの!」
レディ(笑)は目の前で急速に変貌していく様子を目の当たりにして、目を剥いて。
さすかに肉や骨格までも何か悪い冗談のようにねじ曲がって変化していく様は異形オブ異形過ぎてどん引き。
その上仕上がった姿は……まあそうだろうが一糸まとわぬ有様で。もう!と咎めるような声を出しながらさっき自分を受け止めてくれた巨大なクッションを両手で抱えて隠せ!と云わんばかりに投げつけようと。
「と、とにかく! ちゃんと服着て人間らしくしてくれるならいくらでも付き合うから。……3時間でしょ?
時は金なりよ。タイムイズマネー、行くよ、主殿。ほら早く服着て」
と、身だしなみをなんとかするように急かし。クッションが出てきたくらいなのだから衣服の一着や二着ついでに入っているだろうと見当をつけて。
着衣して人間に擬態完了したなら、王都へとまず帰投を。
そして、云われた通り経営難の店とやらの売り上げに、はち切れるまでがんばって協力しに行くのであった――。
■ゴーザ > 「構わん構わん・・・というかな、あやつ吾輩が食った以上に支払いしようとすると
『馬鹿にするな!』と凄く怒るのでな、連れの分まで払う分には文句は言えんだろうし」
正直に馬鹿がつきそうな店主の顔思い浮かべながら、遠慮するなと肩ぽむ。
「おお・・・いやあ済まん済まん・・・あれだけの事が出来る女ならこれくらいの事慣れているかと思っていたのだが。
うむ、すぐに済ませる。あやつの店も昼時は混むことがあるからな、急いだほうがいい。
今更だが改めて礼を言うぞ、ティアフェル」
先程のクッション取り出したのと同じ要領で鎧その他を取り出してさっさと身に着けると、コボルトたちの死体を穴に放り込んで軽く埋葬してからティアフェル伴って街まで行くのだろう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からゴーザさんが去りました。