2023/10/31 のログ
エレイ > その夜は何事もなく、平和に過ぎて──
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からエレイさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にイェフィムさんが現れました。
イェフィム > 散々っぱら魔物をぶった切った後、袖で返り血を浴びた頬でのろのろと川辺までたどり着く。
依頼で様々な魔物を狩った後なので、血なまぐさい匂いを浴びているのは仕方ないことだと思いたい
剣に付着した血糊は剣を振るえばピッと払いとれるからいいものの、
川辺までやってきたのはせめて顔くらいは洗いたいと思ったからで…。

「…また血なまぐさいとか言われるだろうな…。」

っていうか返り血をあんまり気にしない性格故だから気にしてないだけなのだが、
家に帰ればそうもいっていられない、ましてや義両親はお貴族様様と言った性格だ。
ちょっとの血なまぐささですらも顔をしかめる様が目に浮かぶ。
まぁ、だからってやめてはやらんけども。

勝手にしろと言われたから勝手にしているだけだ文句あるかというだけの話である。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にサテラさんが現れました。
サテラ >  
 川辺にはあまり人間が近づかないと聞いて、やってきたのは馬娘。
 無警戒に人馬の姿のままのんびり歩いていれば、居るわ、出るわの魔物三昧。
 とりあえず話が通じるのは追い払った物の、通じない相手は力でわからせるしかないもので。

「――よいしょーっ!」

 気の抜けるような元気な声と共に、宙を舞う巨大な数メートルはあろうという水蛇の怪。
 蹴り飛ばされて気絶したそれは、不運にも顔を洗おうと川辺にやってきた騎士の近くに、どすんと重たい音を立てて落下した。

「なんか蛇さんが血の気多いなぁ。
 カエルさんは大人しく帰ってくれたのにー……」

 なんてぶつくさいいながら、川沿いに歩いてきたら、当然、騎士殿にも遭遇しようというもので。

「……あ」

 半人半馬の姿で、両手に気絶した水蛇を鷲掴みにして遭遇してしまえば。
 うっかり、という、間抜けな声も出ようというものだった。
 

イェフィム > じゃぶじゃぶ……。
とりあえずは髪や顔に付いた血を洗い流していく。
服に付着した血液はどうしようもないが、肌に付いたものくらいは落として帰りたかった。
…別に家族のためにというわけじゃないのだが、年頃の少女らしく少しは気にするという感じである。

「んぉ…。」

どすん…。
重たい音を立てて落下した水蛇の化け物に顔を上げると、
じろりとあたりを見渡す。

「………。」

そんな巨大な蛇を両手に川沿いを歩いてくる半人半馬の少女。
警戒するように剣を手に取った…は、いいのだが、あまり敵意を感じられなくて困ったように首を傾げさせる。
敵?と言いたげな様子で。

サテラ >  
「――――!」

 ぶんぶん、と首を振って、パッと蛇を手放す。
 足元にどすんどすん、と蛇が二匹転がる。

「え、えへへ……」

 そしてすぐさま両手を万歳。
 いわゆるお手上げ状態。
 敵意がありませんのポーズだった。

「お散歩中で通りすがりのケンタウロスでーす……」

 ぱたぱたと手を振って、ちょっと引きつり気味の笑顔を向ける。
 が、どこをどう見ても人間ではなく、ケンタウロスと言えば魔族の中でも有名な種であることは違いない。
 人間からしたら、敵視されてもおかしくない生物だろう。
 

イェフィム > ぽたぽた…、と水滴を髪から滴らせながらじっと目の前の少女?を見つめる。
少女が手を離せば、自然とその両手につかまれていた水蛇がどすん、どすん、と地面に落ちる。
敵意が無いように見えるポーズを見せられれば、ふむ、と頷いてジトリと少女の上から下までを見やり。

「……いや、失敬、女性相手に不躾だったな。」

シャンっ、と剣を腰に下げた鞘の中に仕舞うと、胸に手を当てて一礼する。
敵意が無い、と言っている位上に、討伐すべき魔物のリストに入っていないのならば刃を交える理由は無いとばかりに。

「そうか…、俺の方も通りすがりの騎士の一人と受け取ってもらって構わない。」

少なくとも両手を上げて歓迎するわけにはいかないとは思いつつも、
無抵抗の種族を無理に討伐する気にはならないようで、こちらも両手を上げて見せる。
もちろん、相手が敵意を見せるならばそれに相応な態度をとる気ではあったが…。

サテラ >  
「……あ、あれ?」

 剣を仕舞われると、それはそれで困惑した様子で目を丸くする。

「こ、これはまた、ご丁寧にどうもどうも」

 ぺこぺこ、と頭を下げて礼を返す、が。

「――って、いいの?
 その、わたしが言うのも変な話だけど。
 人間からしたら、魔族は大敵、みたいなものじゃないの?」

 そう、手を下ろして、再び足元の蛇を拾い上げると、不思議そうにしながら騎士の元に近づいていくだろう。
 それも、まったく無警戒のような様子で。
 

イェフィム > カチャリ、と川辺に膝をついて顔についた血を洗い流して、
改めて少女に向きなおる。

「なんだ、戦いたかったのか…?
 悪いが俺は不要な戦いは避ける方なんだ。」

そう言ってびしょびしょに濡れた髪を絞り水滴を落としていく。

剣を仕舞ってしまえば、不利なのは確実にこちらの方だろう。
腕力はもとより、逃げようにも馬の脚に人間が勝てるかという話。

「いいも悪いも、敵意のない奴相手に剣を振るうような真似はしないつもりだ。
 確かに魔族って言えば人間から見れば大敵だけどよ、それって一部の魔族の話だろ。
 さっきも言ったけど敵意のない奴相手に喧嘩しても楽しくねぇし。
 ってか、それを言えばそっちこそどうなんだよ、人間相手に無防備すぎだろ。」

無軽快な様子でこちらに馬の足音をさせながら近づいてくるのを見れば、
正直にそれはお互い様だろうとばかりに肩をすくめて見せる。

サテラ >  
「戦技を競うのは好きだけど、殺し合いは楽しくないから嫌。
 わたしもあなたと同意見~」

 とんとん、と蹄の音を立てて近づけば、ぽいぽいっと蛇を放り投げ。
 三匹の蛇が川辺に転がった。

「わあ、すっごく理解ある人間さんだ!
 えへへ、あなたからは殺意を感じないもん。
 だから一緒、でしょ?」

 そう言いながら、荷物からタオルを取り出して、騎士に近づく。

「ほら、もうだいぶ涼しくなってきたんだから、濡らしたままだと風邪引いちゃうよ」

 そう言って、騎士の髪を拭おうと手を伸ばす。
 

イェフィム > 「俺も必要とあれば殺しもするが…、進んでする気はねぇな。」

同じ意見だと言われれば、そうかそうか、と緩く笑う。
三匹の蛇が川辺に転がるのを見れば、言葉の通じない魔物を殺すのは正当防衛みたいなもんだろうと。
自分が通ってきた道にも無数の魔物が転がっていたことだろう。

「随分素直だな、俺が嘘をついている可能性は考えないのか?」

ふは、と笑いつつもタオルを手に近づいてくる姿に敵意が無ければ好きにさせる。
タオルで髪を拭われれば、ちょっと上体を屈めてわしゃわしゃと乱暴に自分でぬぐおうとするだろう。

「さすがにこんな形で風邪ひいたら情けねぇからな、ありがたく好意は受け取っておく。」

そう言ってタオルを受け取れば髪を拭い始め、洗って返した方がいいか?と訊ねて。

サテラ >  
「む、殺してないよ?」

 『ほら』と言いながら手をパンパンと鳴らすと、蛇たちは意識を取り戻したのか起き上がって、そそくさと草むらの方へ逃げて行った。

「ん、あなた、嘘つきなの?」

 そんな事考えもしなかった、と言うように首を傾げながら軽く水気を拭って。
 その後は騎士自身に任せて手を離すだろう。

「それくらいあげるわよ。
 それより、可愛い騎士さんはお仕事中?
 すごいわね、そんな細身で独り働きなんて」

 『凄腕なの?』なんて、不思議そうに騎士の腕に触れようとするだろう。
 この魔族、スキンシップに躊躇がない。
 

イェフィム > 「おやまぁ、素早い…。」

蛇たちが意識を取り戻して草むらに逃げていくのを見れば、
もう悪さすんなよ~、とだけ思っておくことにする。
さすがに二度目は無いぞとばかりに。

「必要とあれば嘘もつくさ。
 少なくとも正直者じゃあ、無いだろうな。」

ニヤリと笑みを浮かべつつ、少女には悪い人間もいるってことを教えておく。
ごしごしと整っていた髪の毛を乱暴に拭いてある程度の水気を取れれば、
タオルを肩にかけて手櫛で整えておく。

「そうか?ありがとう。
 ならばそれ相応の金額を支払うべきところだと思うんだが…。
 っていうか、可愛いはやめてくれ、もうそんな年ごろじゃないって…。」

少女の申し出にありがたく頷いておくが、それなら金銭面でお返しをすべきかと思って。

そしてそんな中、少女の口から可愛いとかいう言葉が出てくればぬぐ…と小さくうめき声を漏らす。
あまり言われたことのない言葉にびっくりした様子で、少し目元を赤く染めている。
腕に触れられることは特に拒否する様子は無く、少女の手には力を入れれば折れてしまいそうな、
そんな女の腕の感触が伝わることだろう。

サテラ >  
「正直者じゃないんだ?
 わたし、よく馬鹿正直って言われちゃうから、見習わないとなぁ」

 へにゃっと笑う様子は、とても力の抜ける光景だろう。
 人間社会一般の魔族のイメージとは、随分違って見えるかもしれない。

「えー、とっても可愛いと思うけど。
 顔だちも整ってるし、うーん、綺麗と可愛いの間、大人になりかけ、みたいなところとか?」

 そう言って、騎士の髪を手で除けて顔が良く見えるようにしたりと、遠慮がない。
 少しは怒られた方がいいのかもしれないが、そんな事考えてもいなさそうだ。

「それにしても、こんな細い腕で魔物退治?
 すごいなぁ、人間って器用なんだ」

 ぺたぺた、と騎士の腕を触りながら、うーんと唸る。
 これが魔族なら見た目の貧弱さは当てにならないところだが、人間は違う。
 見た目が細身であれば、単純な膂力は外見相応でしかないのだから。
 

イェフィム > 「正直者ではないな、少なくとも。
 でもそれは見習わなくていいところだと思うぞ。」

へにゃっと笑う様子を見れば毒気が抜かれていく。
いや、自分のことを散々すごいだのなんだの言われているが、
この正直者な少女が自然淘汰されていないことのほうがすごくないか?と思いつつ。

「だから、可愛いって言うなって…。
 こっちとしてはもう少し大人びた顔になりたいもんなのに。」

髪を横に除けられれば、気の強そうな幼さを残した顔立ちがよく見えることだろう。
逆に言えばこちらからも相手の顔がよく見えるようになる。
そう言っている少女も十分に顔立ち整っているように思える。

「まぁ、最低限度の魔法も使えるからな。
 力だけが退治手段ってわけじゃないし。」

騎士としても、人としても細身な方ということもあり、
周りからは舐められることも多いわけだが…。
そういう反応をしてこない少女は素直に好感が持てた。
いや、騎士が魔族に好感持ってちゃダメだろとも言われそうだが。

サテラ >  
「そうなの?
 難しいなぁ」

 きょとん、と無防備に首を傾げる。
 騎士からすれば、食い物にされてる側にしか見えないかもしれない。
 そんな純朴さだっただろう。

「ええ、勿体ないよぉ。
 人間は直ぐに成長しちゃうんだから、可愛いあなたは今しかいないんだよ?
 心配しなくても、何年かしたらキリっとしたカッコいい美人さんになっちゃうわよ」

 くすくす、と不満げな騎士に、親し気な笑みを向ける。

「でもそっかー、魔法騎士さんなんだ。
 それなら色んな戦い方もあるよね。
 その剣も、特別な剣だったりするの?」

 無遠慮に腕を触りまくった後に、満足したのか今度は腰元の剣に視線が向く。
 どうにも好奇心が猫のように強いらしい。
 いや、馬はそもそも好奇心の強い生き物ではあるが。
 

イェフィム > 「そうそう、純朴なのは取り柄だと思うし。」

食い物にされてる側にしか見えない…、なんというか、本当に大丈夫かと。
当方、ちょっと心配になっちゃっている。

「いや、だから可愛いって……。
 そりゃ魔族の方からすれば成長はあっという間かもしれないけど…。
 こっちはもうちょっと筋肉つけてゴツくなりたいところなんだけどな…。」

親し気な笑みを向けられれば不満げにぐるぐると腕を回す。
ごつくなった自分というのもいまいち自分で想像できないけど。

「まぁ、ちょっと特殊な魔法だからな…。
 ああ、危ないから触らないほうがいいぞ。」

興味津々というった様子で剣にも視線が来れば、待て待て、とばかりに手を出す。
仮にそれを手に取ろうとしたら白銀の剣は溶けて水のようになり、掴むことすら叶わないだろう。

サテラ >  
「取柄かぁ、そっかぁ。
 えへへ、優しいんだね?」

 にへ、と嬉しそうに笑みを浮かべる。
 素直に褒められて嬉しがっているようにしか見えないだろう。
 いや、本当に純粋に喜んでいるから問題なのかもしれないが……?

「んー、筋肉をつけるだけなら色々方法あるけど。
 それよりもあなたの場合、身体全体のバランスを重視した方がいいかな。
 女の子だと、どうしても踏み込みの強さで負けちゃうだろうし、重心を下半身に置いて、粘り強さを身に着けたら良いと思うよ」

 なんて、それらしいことを言いながら。
 ほんの少し制止が間に合わず剣に触れると、剣が溶けてしまい。
 それを見て『おぉー……』と、自分の手を握ったり開いたりしながら、感嘆の声を上げていた。