2023/10/08 のログ
ムーチョ > 薬缶の中からぽこぽこ沸騰する音が、窄まった口からは中の蒸気が噴き出る音が響く。
薬缶の下のオレンジの灯りが揺らめき、深い闇を退け周囲と男を映し出す。
カップの中に即席の珈琲粉末をカップの中に入れてから、湯をカップに注いでいく。
揺らめく白い湯気と湯気に乗る香ばしい香り。

持ち上げたカップ一口口に含めば目の覚めるような苦みにふぅっと落ち着く吐息を漏らす。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」からムーチョさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にマグゴブリンさんが現れました。
マグゴブリン > 暖かな日差しに穏やかな風が吹き抜ける秋。
王都北部の森林地帯は豊穣の季節真っ盛りとなる。
樹々は果実を実らせて、滋養に富んだ茸があちらこちらで姿を見せる。
動物達は冬ごもりに備えて、脂肪たっぷりの肉を付けて肥ゆり、
近隣村落の狩人や王都の一般市民も、挙って自然の恵みに与ろうとする。

「――――……、」

だが、その豊穣の実りを得ようとするのは人間の専売特許ではない。
森の奥に住まう小鬼の集団、ゴブリン達にとっても同様である。
唯一、人々と彼らの異なる部分を挙げるとするならば、
その獲物の対象に、自身の仔を孕ませるための雌という存在が含まれるか否かで。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からマグゴブリンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」にムーチョさんが現れました。
ムーチョ > 昼下がりの妖精の泉。
青い空が広く見える開けた泉の畔。
一人の男がその畔の傍で立てかけられたキャンバスに向かい絵筆を握り走らせている。

その隣には妖精たちがこちらにながれてこない様にと邪魔を防ぐ為の小さなキャンバスや、粘土。

涼やかな風が周囲を走り、泉の上でさらに冷やされ男の体を撫でる。
時折冷えた指先を温めるために湯気立つ珈琲カップを持ち上げ手の中で揺らし、じんわりと伝わる熱をカップから奪っていく。

ムーチョ > ふと気づけば手元の柄の色合いが太陽の色の変化によって変わりつつある。
いまは夕暮れのオレンジの灯りが男と目の前の泉を照らし出す。

清廉な泉の表面が風で撫でられる度に生まれる小さな波頭でキラキラと輝いている。

そんな自然の作り出す美を男は楽しむ様に見つめ、脳に刻み込んでいく。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」からムーチョさんが去りました。