2023/09/20 のログ
サタン > 案の定とも言えるお粗末すぎる奇襲。
若いとはいえ、聊かはしゃぎ過ぎていて強者に対し警戒する意識が欠けている。
幸いなのは、雑な奇襲であっても、その存在が珍しい白狼だったからか。
高い木の上に位置した男の方までは、完全には警戒し切れていない様子な事。
蹴り飛ばされる狼の姿を見つつ

「――帰ったら、説教だな。」

ポツリと独り言を呟き、男は木の枝から立ち上がれば、そのまま一歩踏み出し自由落下に移る。
将来有望株をここで狩られては、痛い損失でしかない。
女のすぐ背後へと落ちるコースをとり、落下する速力を用いて
男は地へと着く刹那に、女の頸部へと意識を刈り取る為、右腕で手刀を振り下ろした。

リュエール > さらなる追撃、二匹は無理でも一匹ぐらいはオトして財布の潤いになって貰おうと意気込む刹那。
頭上の木々が揺れる音。
風ではない何か、重いものが抜けたような。

「────ッ」

そちらに意識が向いた瞬間には、視界が暗転した。
背後に巨躯の気配、意識を刈り取る急所への、落下速度を含めた重い一撃。
意識外からの攻撃を避ける間もなく走った痛みは一瞬で、男の手は女の意識を瞬く間に刈り取った。
がくりと全身から力が抜けて膝をつき、魔花の群生の中に倒れ伏す。
媚香の森の名にふさわしく、その花々は媚毒の原料、その中に長く滞在するだけでも発情状態になるという。
なんにしても、暫くは目を覚ますことはないだろう。
その女をどうするかは、男の手に委ねられた。

サタン > 胴へと女の鋭い蹴撃を貰った一頭は、なんとか立ち上がろうとしたが、
一撃で与えられたダメージに耐えきれずノックダウンした。
女の財布を潤す材料にはならなかった分だけ、幸いだったろう。

「―――すまんな。ん?…お前は…。」

無様な眷属達の失態の後始末とは言え、優れた戦士相手への不意打ちを、男は好みはしないが、
万が一にでも狩られる可能性を考慮しての不意打ち。
魔花の群生する場に倒れ伏せた女の顔を見て、男は以前見かけた存在と認識した。
このまま放置すれば、その魔の香りで発情するか、魔物に襲われるかの二択だろう。
だが、女のその肢体は捨て置くには惜しい。
色も勿論好むならば、一先ず意識の無い女の身体を抱き上げれば、
屋敷へと攫い味わう為、男の足下で転移の魔術陣を展開し王都への帰路へとついていった――。

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