2023/08/13 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からミケリアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 王都近郊の森林を奔る川の畔。
水遊場などにも水をもたらす川は王都の民や近隣村落の住民の重要な水源で憩いの場ともなる。
そして、水を求めるのは生物として必要不可欠な事であり、何も人間に限った専売特許ではない。
森に住まう動物達も飲み水を求めて集まり、中には人に害する存在も発生し得る。

「――――……、そんな魔物を退治してくれ、とは、何とも業腹な事だなぁ」

水辺から少し離れた繁みの中、川からは見えぬ場所に張られた天幕にて、
中年冒険者の男性が、独り言ちて、嘆息めいた吐息を吐き洩らす。
ギルドに寄せられた依頼は、近隣住民が水浴びや飲み水に利用する川にて、
魔物が現れて遭遇したために退治して欲しいとの事。

だったら、場所を変えれば良いのでは、と思うものの、未だ実質的な被害は蒙っていないらしい。
その為、この場所を利用する者達は後を絶たず、要するに安心が買いたいとの話で。
魔物と言っても水場で周囲を害さないという生物の暗黙の了解を貫いている中、
自分勝手な人間のエゴに辟易しながら、天幕の中で川辺の様子を窺い覗き見る。
はてさて、川に現れるのは咽喉を乾かした魔物か、それとも、涼を求める人間か、と。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にユーゴさんが現れました。
ユーゴ > 「――――……参ったな。」

灯りのない洞窟の中、そんな風に一人呟く青年の表情は渋かった。

新たにダンジョンが発見されたらしい――とは、冒険者ギルドで聞いた話だった。
発見されたそこは、迷宮染みて道が枝分かれしており、調査にも人手がいるとか何とか。
それならば、と一団に混ざり、調査をしていたのはつい先程までのこと。
突如浮かび上がった魔法陣に周囲の冒険者達が巻き込まれ、レジストも間に合わず何処へと飛ばされてしまった。

「全員バラバラなのか――……俺だけ一人なのか。」

また一人ごちる。
とは言え、そんな事を呟いていても、現状が変わる訳でも無い。
小さな声で呪文を唱えて魔法で灯りを生み出せば、それを頼りに暗い洞穴の中を歩き始め。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にタレイアさんが現れました。
タレイア > 「はて……」

薄暗く湿った空気の籠る洞窟の奥より、昏い色のローブ姿が歩んでくる。
確かに感じたのは己以外の行使したであろう魔術と、生きた人間の気配。
今日に限っては手元に獲物も実験体もないわけで、疑問符と独り言を漏らす。

そして間もなく、己の下げるランタンと別の灯りを見つけ。
それに対して警戒の一つもなく近寄るのは
油断か傲慢か、それとも単純にそういう性格だから、か。

「こんばんは……冒険者のお方でしょうか。
 このような場所までわざわざなぜ……お一人で?」

ローブは目深、頬骨から上、目元は白い仮面に隠される。
口元だけに浮かべる微笑みと共に低く落ち着いた声が闖入者へとかけられた。
彼の出で立ち、気配、そして人数まで勝手に推測、確認しながら。

ユーゴ > 未開拓の場所では、いつ、どのタイミングで何が起こるか、出てくるかが予想し辛い。
僅かばかり、灯りの魔法を先行させて極力静かに洞窟の中を進んで行く。
そうして、時折探索の魔法を飛ばしては周囲の様子を窺い、

「――――……。」

不意、進行方向に捉えた他者の反応。
最低限の反応を捉える為の魔法では、それが人とも魔物とも判断はつかぬ。
足を止め、左腰に据えたレイピアの柄へと手をかけながら、
その何かが近付いてくるのを待ち――――軈て、目の前に現れたのはローブ姿の男だった。
上から下へ、視線を滑らせる間も、警戒の色は薄れぬ儘。
然し、表情ばかりは人好きのする柔らかな笑みを浮かべ。

「それは私の台詞――と、言いたい所なのだけれどね。
 新しく発見されたダンジョン……まあ、詰まる所、ここの調査に。
 ――――……貴方は?」

タレイア > 「ああ……お仲間とははぐれましたね、さては」

調査にせよ探検にせよ、一人で未知へと踏み入る人間はいない。
微かに感じた魔法の気配と合わせ、大方の予想を口に出し。

「こちらは調査というよりは……採集ですかねえ。
 人の手が入っていない場所ですから、珍しい素材でも見つからないかと。
 残念ながら今のところは空振りとなってしまっています」

「――名乗り遅れました、薬師のタレイアと申します」

今日に限っては魔族は偽りなく、此処を散策していた理由を説明し。
加えて大袈裟に深く礼をしながら、軽い自己紹介までも付け加える。
そうしてまた数歩ほど、にこやかなままに距離を詰めていく。

男からは、魔力に通じたものであれば人に非ざる物の濃い気配を感じるかも知れず。
ローブの下、人体とは別のものがひっそり、動くのが。暗闇の中で見えるかどうか。

気付かず、警戒や敵対心見せないままであれば――
これはそれなりに善き隣人としてのふるまいを続けるだろう。

ユーゴ > 相手の台詞は当たらずとも遠からず、だ。
だが、今の所正直に答える必要性を感じなければ、
明確は答えは返さず如何とでも取れるような、軽い仕草で双肩を竦めて見せる。

「なるほど……私はユーゴと。
 貴方の推察通り、一介の冒険者だ。」

次いだ台詞には、相槌交じりの呟きが落ちる。
発見されたばかりのダンジョン、と言うだけで、
冒険者ギルドが把握するより早くに認知していた者がいたとしても、なんら不思議ではない。
思考を巡らせながら、相手の名乗りに応じる様、空いた左手を胸元へと添えて会釈を返した。
一介の冒険者――と謳うには少々儀礼的な所作。

それが、一呼吸を置いて翻る。
意識的に知覚するよりも早く肌を走る異質の気配に、反射的に腰元のレイピアが抜かれていた。
相手の歩みを阻むよう、切っ先がローブの表面を仄かになぞり。

「――――……悪いけれど、それ以上足を踏み出さないでもらえるかな。」

タレイア > 「そう警戒せずとも、何もしませんよ」

得物の切っ先まで向けられれば笑うよな声色と緩む口元。
踏み出すな、と言われたのにむしろ逆らってもう一歩を。
レイピアを向けたままであれば、ローブを越して肉を突く感触があろう。
自ら傷を負いに行くかのような、異様な行動を見せ。

「うん、しかし、そう見るのでしたらそのように振る舞うべきですか。
 丁度エルフはあまり最近見かけてませんでしたし……」

彼の反応がどうあろうと、男はマイペースに独り言続け。
男が片手を持ち上げたならば、指先に灯る桃色の強い発光。
催眠の効果に似たそれはあくまで一瞬だけでも彼の意識を奪うために使い。

それと同時に、内側よりずるりと這い出した肉色の触手が数本。
暗闇、足元を這うようにくねって彼の足首をとらえ、強く引く。

ユーゴ > 警告代わりに突き付けた切っ先が、肉の中へと埋まる。
予想外の行動を目の当りに、柄を掴む右手が思わず小さく跳ねた。

「何を――――、」

変わらぬ様子で言葉を紡ぎ続ける男に、奇異なものを見るような、
それでいて胡乱めく眼差しを投げていたのは失策だった。
持ち上げられる手に反射的に身を引こうとするも、視界へと入り込む鮮やかな光源に目が、意識が眩む。
体の落ちるような感覚に覚醒するも、時すでに遅し。

「……――――ッ、く!」

相手の胴へと埋まっていた切っ先を横に薙ぎ、その肉を絶たんとはするものの、
足首を引かれてしまえば、体が地面へと崩れて行く事を阻む事は出来ず。
せめて、受け身の姿勢を取ろうと身を捩り。

タレイア > ごぷ、と傷痕から血液が溢れる気配があるも、痛みや恐怖を見せることない。
刃先が抜けて逃げればローブがはためき、彼の得物の先から赤黒い液体が垂れた。

その一方で、触手にて引き摺り倒した青年へ微笑みを向ける。
受け身とって身を捩るさ中にも、這い寄っていく物は増えるばかり。
足首から足、太腿、と衣服の内側から這い上がって絡めとっていき。

「いけませんよ、他人に刃物なんて向けたら」

彼のレイピアを蹴り飛ばそうと片脚を揺らしながら
己の肉腕に絡めとられている相手を見つめては笑う。
そして見上げてくる視線の先、再び指先揺らして灯す光。
先程の催眠が強度を増して再度、彼の身体の自由を奪いにかかり。