メグメール平野部に広がる森林地帯にある森の一つ。
街道の近い場所は青々とした草木が生い茂り、日光も届きやすいため危険は少ない。危険な魔物や野盗に出会う可能性も少ない。
しかし、メグメールの森林地帯は奥に行くほど日光が木々に遮られて薄暗くなり、危険な魔物が跋扈するようになる。
希少な草木・花は大体が森林地帯の奥に群生しているため、それらを入手するためには敢えて森の奥に踏み込まなければならない。
森の奥には魔術師や魔女の家、魔族の隠れ家の類、小規模なミレー族の隠れ里なども確認されている。
「媚香の森」などと呼ばれるエリアが比較的王都近くに確認されており、その名の通り媚香のような成分を放つ魔花が群生する森で、事前に対策を行わなければ一時的な発情状態に導かれるような危険な場所である。
事前に対策をしていれば比較的安全であり、媚薬の原料となる魔花やその実の収穫に来る者も少なくない。
参加者(1):ROM(1)
Time:13:26:29 更新
■幻燈の亡霊 > 陽光が差し込む森林地帯にあって、それが歩む周囲は不自然なほど陰りに満ちていた。
一歩、一歩。
獣道でさえない領域で雑草を裸足で踏みしめ緩慢に歩む白い衣服をまとった女性。
顔は見えない。女性と分かるのは着衣の上からでも分かるほどの隆起が伺えるが故。
遺跡の外に這い出して徘徊する無数の魂魄を素材とした流動型トラップ。
物質に干渉出来る程の霊力を蓄えたそれは時折姿が掻き消え、再び姿を現した時には別の容姿に変化する。
大人に。子供に。スレンダーに。恵体に。長身に。小柄に。
素材となった者達、もしくはその複数を混ぜ合わせて統合した容姿に変化し、
獲物を求めて徘徊する。
「……ハァアアアアアアァァァァァァァ……♡」
獲物を殺すことはない。
ただ犯し、貪り、交わり、咥え込み、ねじ込み、彼我の境目が曖昧になるほどに溺れるのみ。
周囲に媚毒の瘴気をまといながら、魅入られた獲物が現れるまで彷徨って。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」に幻燈の亡霊さんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」からトーラスさんが去りました。
■トーラス > 王都の北部に広がる喜びヶ原との異名を持つ広大な平野。
樹々が折り重なる森林地帯にて野営を行なう冒険者一行が存在した。
ギルドで同じ依頼を受けた彼らは全員がパーティに属している訳でもなく、
共通の目的の為に一時的な協力関係にあるレイドを組んでいた。
彼らが受けた依頼は近隣の村々を襲い、略奪や女子供の誘拐を行なうオークの群れの討伐。
比較的中級者中心の構成だが、中には彼のようなベテランや逆に初心者も混ざっている。
果たして連携が取れるのかが懸念事項であるが、日中の様子を見るに最悪よりもややマシで期待以上である。
そもそも、冒険者は個人主義の輩が多い。パーティでもないとくれば足を引っ張らないだけで上々である。
今も火熾しを終えて歩哨の順番を決めた後は、各々が気儘に思い思いの時間を過ごしている。
同じパーティの者達は薬品や荷物を融通し合い、道中で気が合った若い男女は木陰にしけ込み、
そうでない者達は自身の天幕で食事を摂ったり、装備の点検をしたり、早めに休んでいる事だろう。
そんな仲間と呼べるかも怪しい同業者達を横目に中年冒険者は焚き火の前で革袋の酒を呷っていた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」にトーラスさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からリーさんが去りました。
■リー > 街道から少しそれた場所にある森林地帯。
そこのあまり深いといえない場所で木影に屈んではそこに生えるコケやキノコを丁寧に採取し袋に詰める。
「これでやっと半分まであと少しか。思ったよりも腰が痛いや…」
採取を終えれば立ち上がって、痛む腰を伸ばすようにして大きく背伸び。
採取の依頼はそれなりに受けてはいるが、今回は運が悪いのかあまり採取をするものが見つからず。
それでも依頼は依頼と前に来た記憶を頼りに集めるものが採取できる場所を回り。
「後は…ちょっと奥だけど行くしかないか。今日中に集まるかな」
最悪は野営、暖かくなって来てはいるがまだ寒いこともあるのでできれば遠慮したく。
それでも一度戻ることを考えると野営のほうがマシ。
そう考えては別の採取場所を目指して森の奥へと進んでいく。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にリーさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からサワリさんが去りました。
■サワリ > 昨今、メグメール近辺で冬が明けたというのに小動物がめっきり姿を現さない事象が発生している。
多くの職人たちが狩りや収穫を前提としているなか、思わぬ不作に一部の装飾品や小動物由来の素材の価格が高騰している。
学者や冒険者ギルドの間では生態系の変化や魔力の影響説を唱えているが、目立った被害はまだ報告されていない為真相は闇の中である。
「…………」
ぐじゅるるるる と、粘着質な音を立てて壁面を這いずる青黒い塊。
まるで寝袋かと思うように縦長に膨らんだ何かが天井を這いずりまわり、奥へ奥へと進んでいく。
道中には小鹿や兎の骨と思わしきものが散乱しているが、近辺にそれらを捕食したであろう中型モンスターの気配もない。
自然に用心深い者ならば、あるはずのないところに居るはずのない者の死骸が存在する異常さに何とも言えぬ気味の悪さを感じるだろう。
そして、更に進んだ先には人骨らしきのまで……
ごぼごぼと蠢く膨らみからは、ぽろぽろと白い何かが落っこちていく。
……人骨だ。恐らく、この塊に丸呑みされた者の末路だろう。
食べカスを棄てるようにして骨だけを排出すれば、再び禍々しい塊はじゅるじゅると壁を這って獲物を探る。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にサワリさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からラヴィニアさんが去りました。
■ラヴィニア > さて、それでも歩かねばなるまい。
王都へ向けて、おいしい食事に向けて。
少年は歩く、歩いて歩いて何処かへと……。
■ラヴィニア > 素足で木の枝や小石を踏めば怪我をするのは必然。
で、あるが素足の少年は平気な顔をして獣道を歩く。
靴は無くとも尖った小石や枝程度で怪我をする存在ではない。
足の裏は当然のように見えない程度に鱗を発生させていて、
それが天然自然の靴となり、踏みしめる物を踏み砕いていく。
「……馬車、乗るべキ?でも、あノ、海から、馬車あっタ?」
知識は一般の人間と変わらない程度には存在している。
存在していないのは人間の常識であり、その辺は魔物だから仕方ないところでもある。
誰も見ていないところで首をカクと傾げる。
誰も聞いていないところを口も動かさずに言葉を発声する。
それだけ見ても、この存在が普通じゃないことくらいは傍目から見ても理解できるだろう。
時間が夜、場所が森の中にひっそりと存在する獣道でなければ。
■ラヴィニア > ――…王都に向かった筈。
王都マグメールに向かった筈。
街道を歩いて、歩いて、歩いて、歩いた末に、此処はどこ?
メグメールに広がる森林地帯を明かりも持たず歩く人影一つ。
それどころか、袖の短く裾がながいシャツのみに素足の在り得ない装いで歩いている。
野犬、野盗に山賊、ゴブリンといった存在から見れば、カモがネギを背負ってスープまで持ち込んでいるように見えるだろう。
けれど、誰も近寄ることはない。
そんな姿でこんな時間に危険な場所を歩いている。
それは狂人の類か、あるいは――…それだけの強者であるからだ。
少年は後者。
その正体はセレネルの海に存在する迷宮の一つコアである。
コアが自我を持ち、人に擬態したおぞまくも恐ろしい魔物である。
多少…だいぶ……かなり、食い意地がはっているが、見た目から想像もつかない力の持ち主の魔物である。