2025/04/21 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にアメリア・ストライデンさんが現れました。
■アメリア・ストライデン > 「これとこれ、あとはこれをお願いね」
普段は王都で趣味といえる店を営業してはいるが、時折には冒険者としての活動も行う。
ただ遠出で高難易度を受けると日数がかかるので近場の採取依頼。
森林地帯で採取をしてきた薬草やキノコなどの採取物を受付嬢に渡して確認を頼み。
その結果が出るまでの間、すぐに終わりそうな依頼がないかと確認を忘れず。
「やっぱり直ぐだと採取が一番ね。あとは……新人の教習?
このぐらいになるのよね」
やはり期間が短いほうが、そう考えると仕事は限られてしまう。
そこがネックと悩んでしまうが、そこは仕方ないと割り切り。
できる限りいい依頼がないかと探して。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 欠伸を噛み殺しながら冒険者ギルドに足を踏み入れる中年冒険者。
馴染みの職員に重役出勤だと苦言を呈されるのを愛想笑いで躱しながら依頼文が貼られた掲示板に近付き。
先客の姿を見掛けると、その豊満な肢体に視線を這わした後に口許を綻ばせて。
「よっ、……魔法使いのアメリアじゃないか?
アンタ、風の噂じゃ冒険者を引退したと聞いていたが、復帰したのかい?」
高位冒険者として名を馳せた彼女、一度や二度、何処ぞのパーティやレイドで一緒になった事もあったかも知れない程度の間柄。
そんな相手に気軽な調子で声を掛けると掲示板に貼られた依頼へと素早く目を通していき、
目敏く一枚の彼にとって都合の良い色褪せた紙を手に取ると彼女の前へと差し出して見せる。
「良かったら、この依頼を手伝ってくれないか?
ちょいと数が多いと面倒かも知れないが、前衛の俺と後衛のアンタならば何とかなるだろ」
色褪せた依頼文に書かれたのは岩喰怪虫(ロックイーター)と呼ばれる魔物の討伐依頼。
洞窟に棲息する地龍の一種で岩のように頑丈な体表は物理攻撃を弾き魔法しか利かず、
されども、魔法のみで仕留めようにも、でかい図体の割りには素早い動きで捉えにくいという厄介な相手。
半ば放置気味にされていた高難易度の依頼にて即席パーティを組まないか、と提案して見せる。
■アメリア・ストライデン > 依頼はこういうのを受けたい、そういう時には求める条件はほぼ見つからない。
王都なら別かもしれないが出張所ならあるだけ御の字の日もある。
納品を待つ間に探しているのもあり、真剣に探している訳ではないが受けようと思えるものはなく。
「……トーラス?王都のほうじゃなくてこっちに拠点を移したの?
引退はしてるけど、偶についででやってるの」
声を掛けられ、誰だろうと視線を向けると1,2度組んだことがあった男の姿。
引退したと言われると、そうだと小さく頷き、今は私用のついでと気紛れだと返し。
差し出された依頼に、何か目を引くものがあったかと色褪せたそれに目を向け。
「また面倒なのが残ってるのね。
私たちなら何とでもなるだろうけど……今はこういうのは受けてないのよ」
依頼が色褪せるほどに残っている高難易度依頼。
文字撮りに高位冒険者か数を集めて討伐をするような相手。
男の言うとおりに自分たちならどうとでもなるだろうが、今はこういう依頼を受けようという気がないのが問題であり。
少し考えて、遠慮しておくというように首を小さく左右に振って見せて。
■トーラス > 「いいや、元々、俺は根無し草のようなもんだからな。あちらこちらを渡り歩いてるぜ。
先日までは九頭龍山脈の方にまで足を運んでいたくらいだしな」
日々の依頼量や、そもそもギルドの数の多さから考えても王都が活動拠点となるのは冒険者の常。
されども、彼女のように定住地を持たない冒険者ならば、依頼が受けられれば何処でも仕事はできる。
一々、王都に戻るのが面倒な場合は依頼をこなしては出張所で次の依頼を受ける事も珍しくはなく。
「勿体ねぇなぁ、アンタくらいの魔法使いならば引く手数多だろうに。
まぁ、本来ならば複数パーティでの討伐が検討されてもおかしくないからな、誰もやりたがらないんだろうさ。
流石のアンタでも魔力がカラっけつになっちまうか? ノリ気がしないならば、無理にとは言わないが……」
首を左右に振るう女に対して、口端を緩めると苦笑いを浮かべた後、顎をしゃくって受付嬢を示して見せる。
其方に視線を向ければ査定を終えた受付嬢が、厄介な居残る依頼を片付けてくれるのか、と期待に満ちた眼差しを向けている事だろう。
物理攻撃が利かない相手。倒し切るには並みの魔法使い複数人掛かりとなるが、パーティに複数人の魔法使いがいるのは稀だ。
その為、そもそも、このような出張所で受けられる事はなく、ギルドとしては処理できずに困っているというのが本音だろう。
■アメリア・ストライデン > 「あぁ、そうなのね。あっちは今はほとんど行かないのよね」
現役だった頃は依頼を探し、または依頼であちらこちらに行ったのを懐かしそうにし。
今はもう財産をつぎ込んだ安住地を得ているがそれまでは根無し草に近かったなと。
今では王都以外で活動はほどなく、ここにきている時点で珍しいもので。
「他のことをしたくなったのよ。それに何でもできるって期待に応えるのも疲れたってあるし。
普通なら高位冒険者のパーティーか複数で討伐されてるものだし……依頼人が報酬を渋ってるのかもね。
この程度でそんなことはないわよ。本当に気乗りがしないのと一応は引退したって公表はしてるのよね」
元々から依頼を選ぶときには気分も入っていた。
引退後は冒険者活動したいが気まぐれなので、簡単なもの以外は気乗りがせず。
男に促されて受付嬢を見れば、期待に満ちたまなざしに気が付き息をこぼし。
ああ言う視線に応えるのが疲れたというのもあり、困っているのはわかるのだが、申し訳なさそうにもう一度首を横に振って見せて。
■トーラス > 「まぁ、引退したならば九頭龍山脈まで足を運ぶなんて面倒なだけだからな。
俺は、その内、シェンヤン辺りまでもう一度、出向こうかと思ってるがね」
九頭龍山脈よりも更に遠方、国外まで遠征すると気楽に笑えるのは彼が自由であるからだろう。
彼女のように経営する店舗を長期間空ける事が難しい状況では考えなしにそのような事も言えまい。
再三の誘いに彼女が首を縦に振らないのを見て取ると肩を竦めて受付嬢と相手を交互に眺める。
期待に満ちた視線を向けていた受付嬢もがっくりと項垂れる様子に、小さく笑いを滲ませて。
「そうか、それだったら仕方ない。余りしつこいのも野暮なんで引き下がるとするか。
じゃあな、アメリア。冒険者を引退したんじゃ危険もないかも知れないが、まぁ息災で」
これ以上、粘っても折れる事はないと感じれば、手にした依頼文を掲示板へと戻して、
ぐるり、と一瞥した後、手頃な魔物討伐の依頼文を剥がすとひらひらと揺らしながら背を向ける。
其の侭、受付にて依頼受諾の手続きを済ませると出張所を後にして、冒険へと向かい――――。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からトーラスさんが去りました。
■アメリア・ストライデン > 「そうなのよ。そこまで行くと何日か店も休みにしないといけないのよ。
あっちは稼げるの?」
王都で店を始めたので遠出は本当に避けたいもの、自由はなくなったといえるが充実感はあり。
それに何より万が一があればある意味得た次の人生を失うというリスクも感じ。
受付嬢が肩を落とすことは悪いと思うが決めたことなので。
「そうしてくれると助かるわ。
えぇ、あなたもね」
依頼を戻して別に依頼を手に背を向ける男を見送れば自身も依頼の報酬を受け取り。
王都への荷運びが運よくあったことに気が付き、それを受けて出張所を後にする。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からアメリア・ストライデンさんが去りました。