2025/02/24 のログ
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ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  天頂を過ぎ緩やかに傾き始めた太陽が没するまでは、まだ数刻といった頃合いに…… 

「いやああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!」

 まるで、断末魔もかくやというような悲鳴が木々の枝葉を揺らし、枯れかけた茂みを震わせ木霊した――

 街をつなぎ、大地を割るように平地を走る交易路は森の方へ一本分岐していて、枝葉を擦り合わせるようにして立ち並ぶ常緑樹林を別つように旅人を導いて通っていた。

 その道に入ったのが、不幸の始まりだとも知らずに数刻前足早に分け入り、日が暮れる前にこの先の宿場に着かなければと懸命に歩を進めていた。
 この、大型の馬車は通れないほど幅が狭い森林の道は、交易路の途中にある宿場町までの近道となっており、身軽な旅人や冒険者御用達となっている。

 そんな道の途中で出くわしたのは、魔犬・ヘルハウンド。よりによってコレだ。相性最悪苦手中の苦手。
 大の犬嫌い、総じてイヌ科の魔物も同等に無理。
 他の魔物ならいざ知らず、これと遭遇してしまっては完全に戦意を喪失して泣きわめきながら逃げる、という情けない行動一択となってしまう。

 そこらの町娘と大差ない様子でがたがたと震え怯え、絶叫の尾を引きながら裸足で逃げ出す冒険者。

「いや! いや! いや! いやああぁぁー!! いやだぁあぁぁ!! やめてやめてやめてこないでえぇぇぇ!!」

 背後に迫る燃えるように真っ赤な双眸をギラつかせた魔獣から全速力で逃げ惑いながら、悲鳴を上げ、泣きじゃくるみっともない女が、周囲の静寂を薙ぎ払っていた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」にティアフェルさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」からティアフェルさんが去りました。