2025/02/10 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 乗合馬車」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「……」
まだ日の高い時間帯。
曇り空の下で街道を走る幌馬車の中、申し訳程度に拵えられた長椅子に腰掛け、ぼーっと佇んでいる金髪の男が一人。
依頼の遠征先から王都への帰途につく折、たまにはこういうのに乗ってみるのもいいか、などという気まぐれから
たまたま通りかかった遠征先の停留所に居合わせたこの馬車に乗車してみたのだが──
最初は他に数人の乗客が一緒だったものの気がつけば自分ひとりになっていた。
意外にも王都に直帰する客が自分以外にいなかったことに驚き、こんなこともあるモンだなあ、なんて
しみじみしながら最後の一人が降りるのを見送ったのが十数分前。
ガタゴトと車輪から伝わる振動に揺られながら、話し相手も居ないので何をするでもなく
ただぼんやりと王都に到着するのを待つばかりだったが──
「……む」
不意に馬車がゆっくりと減速し、やがて止まる。
まだ王都までは距離があるはずなので、新たな乗客でも現れたか。
そう考えてゆるりと馬車の後部に顔を向ければ、ちょうど馬車に乗り込もうとする
一人の乗客の姿が視界に入った。