2025/02/08 のログ
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ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 乗合馬車」にルーベルさんが現れました。
ルーベル > (窮屈だのぅ…)

街道を走る乗合馬車の中で細く息を吐きながら、内心で現状を嘆く。

貴族でありながら、若かりし頃は魔族と相対する槍働きもする男は時折単身でフィールドワークめいたこともする。
目的地までの旅路に気まぐれに選んだのが乗合馬車だったのだが、高価なものを選んだのにも関わらず、やたらと後から後から人が乗り込んできた。
先に乗っていた自分を含めた数人は座ることができているも、すぐ目の前にまで客が立ち乗りで乗り込む始末。

どうやら他の定期的な乗合馬車がそれぞれ何かの理由で運休したらしく。
足を掴まえられなくなった客へのサービスなのか、稼ぎ時と見込んでか、乗客を詰め込まれたようで。

…あるいは、噂には聞く少々特殊な乗合馬車やらの一種なのかもしれない。

事情を知っていると見做される客は高額で。
それ以外は低額のかわり、行われる痴漢的な行為をある種公然なものとして詰め込まれる。
ときには知らず値段だけに飛びつき乗り込む者もいるから、偽乗合馬車などとも呼ばれるそれ。

一応は安価な移動手段としても使えるも、酷い時には山賊やらに掴まったのにも変わらない様にもなるだろうか。

少し離れた座席で、身体を寄せあう者の姿も垣間見える。一応は隠すように零れ聞こえる声も。

妙に甘い香のような匂いも、それらを促す一助となっているか。

小鬼に交じれば人も法を忘れる…という言葉もあるが、さて、と。
寒い季節であるのに、僅かに蒸し暑いような馬車内で、暗金の瞳を細めて。