2025/01/03 のログ
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ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」にラヴィニアさんが現れました。
ラヴィニア > メグメール喜びヶ原 旧街道

今夜は夜空を見上げれば月も星々も薄雲により、
すっぽりと隠れてしまっている。
今にも雨が降り出しそうな予感がする。

王都にて目的が達成できなかったのは癪であるが、
ひとまず迷宮に戻り手立てを考えようと帰路についている。
海魔の巣窟に帰れば冒険者ギルドとやり取りした痕跡が、あるはずと信じて。

現在は見紛う事なき迷子である。
海水の気がないだけで、こうもなるのか。
王都から『セレネルの海』に向けて歩いていたはずだが、
気が付くと旧道?旧街道を歩いていた。

何故旧道と知っているかといえば、道に入る前に看板があったからだ。

近道ぽい?何て適当なことを考えずに、わかる道を歩けばよかったと思い現在に至るのである。

「い、や…ァ…これ、ハ、困っタ……。」

寒さに唇が紫に染まってもおかしくない気温。
それでも艶やかに赤い唇は変わらず、でも言葉を奏でる際にはそんな唇は動かなさい。

なので白い吐息は上がることもなく。
しゃべっているようで、しゃべっていない、不可思議な方法で言葉を紡ぎながら、道なき道よりは多少なましな道を歩く、
いつぞやもらったエプロンと三角巾を防寒具として非常食として装備したままの姿で。

ラヴィニア > 人間の少年に擬態しているだけで実体は海魔、魔物である。
水があれば、海水があればより本来の力に等しい力を振える。
今は無いので使えないが是くらいはできる。

「敵意、数、距離、ダレ?」

三角巾を脱ぎ捨て地面へと叩きつける。
同時に邪魔なそれを叩きつけた腕を薄雲が広がる夜空へ突き上げる。
――…そして人ならざる声で詠唱。

雨雲から水分を集め、集めた水分を突き上げた腕で吸い上げ、その腕は翡翠色に輝き、輝きは結晶となって装甲となる。

そうして変貌した腕を無造作に振るえば、翡翠色の結晶装甲から、
圧縮された水がパシュと短い音ともに無数の錐となり、
辺りを削りながら突き刺さる。

――…突き刺さった先は地面も抉れ、草木も穴だらけに。
けれど、察した気配も敵意もそれに怯えたか、あるいは何かしらの反応をみせたかで、感情のない瞳を向けた時には痕跡すらない。

安全は確保できたか?
ここに立っていても仕方ない。
わずかな水分で生成した装甲を霧散させてから、ゆっくりとした足取りで歩きだす。