2024/11/16 のログ
ラヴィニア > ごくんっ

最後の一切れを飲み込むと、けふ、と皮臭い息を吐く。
さてこれで食べれるものはゼロに等しい。
最悪道にでも生えている雑草でも食べるか、と小柄な人影はどこかへと消えていく。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」からラヴィニアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 王都から離れる事、数刻。近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い道を遮るように柵が設けられ、
脇には幾つかの天幕が建てられて、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは王都の兵士達。
曰く、最近、山賊や盗賊の類が出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという兵士達の憂さ晴らしと私腹を肥やすための手段に他ならなかった。

「――――よし。次の奴、こっちに来い。」

でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、隊商の馬車を通せば、
列をなしている次の順番待ちの通行人に近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
そして、その事を理解している兵士達は、国の為ではなく利己的に民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にラヴィニアさんが現れました。
ラヴィニア > メグメール喜びヶ原街道「まれびとの道」。
夜空には薄雲のせいで弱弱しく見えるが星は輝き、月も眩く。
昨晩から歩き通しでやっと人の匂いのする場所まで辿り着く。
地面を見れば轍があり、人々の行き交った痕跡が存在し、
明確に今も使われていると分かるその街道を歩く小柄な人影が一つ。

昨日で最後の食事である皮の胸当ても食べ終えた。
水分は雨水を飲んで何とかなり……何とか我慢する。
それでももってあと少し、魔物が飢えと渇きで倒れるのは大変恥ずかしい事。
何とか覚えのある場所へ、人のいる場所へ、辿り着かねば。

「……み、ミず……でき、レバ……海水。」

海の香りは僅かにもせず、水の匂いもほとんど無し。
地面を視線を落とせば無数の足跡があり、これを辿るとしたら多くが向かう方か、多くが来た方か。

知能まで弱体化した状態では深く考えることもできず、「……ぅー……。」と唸ることしかできず。

明かりもなく、地面にしゃがみこんでいる。
はた目から見ても怪しい状況だが、そんな事は気にしてられるほど余裕はなかったのだった。