2024/11/09 のログ
メイ > 男の特徴的と思える外見からすれば、自分など確かに目立たないかもしれない。
ただこんな出会いではあるが、知り合いが増えたことはいい事なので次にギルドで見かければ声をかけるのもいいかもと。
そして歩き出せば男も歩き出し、自分に歩幅を合わせて歩く姿に見た目と違い気遣いもできるのだと一度見上げ。

「しばらく行くと分かれ道……ここね。ここを左でその先にも分かれ道。
左が宿場で右がまれびとの道に…」

男の説明を聞きながら地図を確認し、現在地を完全に把握し。
思っていた以上に出た場所が予定地よりもずれていたことに驚き。

「急ぎじゃないけど、出来たら今日中に戻りたかったけど…。
遅い時間だと門から入れないかもしれないし。
そうなの?だったらそこまでになりそう。
明日も用事があるって…依頼?」

ふと視線を感じての言葉に、じとりと見てしまい。
しかし男の言うことはその通りなので文句は言えず、ならそれまでになると口にして。
自分と違いベテランという雰囲気に指名依頼でもあるのかと問いかけて。

シアン > おはよー、おつかれー、程度の本当にちょっとした挨拶から軽い世間話をするぐらいの仲になるには此度はいい機会か。
黙っていると話しかけにくい雰囲気もよく醸すが喋っていれば表情の作りはともかく動きは結構柔らかく、
歩幅を合わせるのもそうだし必要以上に距離も詰めないし声だって聞き取りやすいように唇が動いている。

「そう、そこ。あっと、ここに小道はあるがこっちは入っちゃ駄目だぜ。近道だが、雑草だらけだ、しかもかぶれる」

彼女が地図を広げたところで人差し指を向けると地図には載っていない道があると一点指して、要注意。

「背負って走るのも考えんでもないが乗り心地は保証できねぇなぁ。
 ああ。いや。用事っつってもまぁかーなり個人的なやつだよ。
 お気にの酒造が新作を一番に振る舞ってくれるってんでな……
 ここしばらくかなり楽しみにしてたんだ。遅れるわけにいかねぇ」

本当なら、余裕をもって迎えるはずが……等という愚痴と一緒に、旧道なんかを歩いている経緯を説明したり。乗り心地のくだりについては、流石に人一人背負って行くとなるとかなり本気で走る必要になるわけだがおそらく彼女にとってはかなり辛い揺れと速度になる旨ちらほら。

「そう睨んでくれるな。そんな出てたらそりゃあ見る」

じろり、と低温な眼差しに悪びれもせずに、また、ゆらりゆらり、右手を胸の前で揺らし。

「いい肉の付き方してるし肉の質も悪くない。ぁいや、色気の話じゃなくて、いや、それもないこともないがな、んははは。
 まだまだ発展途上。頑張れ? 魔術師だろうと身体は鍛えて損はない。最後に物言うのは体力、て世界だからなぁ」

彼女が魔術師である、とは、明かされてはいないが先の言葉を届けたものといい全体的な身体の動きに肉の付き方エトセトラ……
まあ間違いないだろうと検討を付けながらの、先輩冒険者としてのちょっとした、余計かもしれないが、アドバイスも交えつつの世間話。

メイ > 冒険者を続けるなら知り合いは多いほうがいい。
たとえ挨拶をする程度だとしても、何かで組む可能性はあるのだから。
これで男が自分の勢いで進むようなら付き合いも考えるが、歩幅を合わせ、必要以上に近づかないことに悪い印象は持たず。

「道のわかりにくい近道は使わないよ。それに雑草が多いと何がいるかわからないし」

地図に載っていない道を教えてもらえば、あそこに書き込みをし。
聞いた注意に使うことはなさそうだが、覚えておくというように頷き。

「背負うって……それはちょっと…。
それは飲みたくなるのもわかるし、仕方ない。
楽しみがないとやってられないからね」

人によってはしょうもないと思うことかもしれないが、自分には男の楽しみが分かり、それは仕方ないと。
そして旧道を使っている経緯を聞いては頷き相打ちをうって。
背負われれば確かに王都に戻れるだろうが、乗り心地もだが密着することになるので、さすがにそれはという顔になり。

格好のせいで見るといわれると、それでも多少不服そうにしてしまい。

「…普通にセクハラだけど、それ。
その辺りは魔術で強化するし…鍛える暇もないから」

男の言葉とアドバイスにセクハラと言いながらも耳を傾け。
魔術師が専門ではあるが、体を鍛える必要の多少はあるかと認識し、
そんな話をしては最初の分かれ道を左に曲がって。

シアン > 草むらには要注意。魔物でなくとも野生の獣でなくとも野盗でなくとも、刺されたら危ない虫に、触れたらかぶれるで済めばましな毒草に、諸々で、彼女もそのあたりきちんと解っているなら口酸っぱくは言わない。他にも、此処、其処、地図に載っていない小道やら最近の要注意情報に載っていない毒草やらの助言も幾つか地図を指差してはぽつりぽつり。

「わかってくれるか? 助かる。今度、機会があったら一杯()ろう。
 酒にはかなり煩くてな。煙草は吸わんが葉巻もちょいと嗜んでる」

酒、煙草、女に博打と冒険者にはありがちなそれらはかなり当てはまっているクチである。
女にたいしてだらしがない、ところもあるが、そこはきちんと区別付けているのは見ての通り。

「魔術師ってぇのは、二足のわらじって言葉があるがそれに近いもんな? 大変なのぁわかる」

魔術師としての訓練、にくわえて、体力や体術の訓練、ともなると、時間がいくらあっても足りない。
己はそっちの道の人ではないものの同業者を見ていればその労苦を察するのは易く、頷く。

「今、強化の話が出たが、例えばだ、10の身体能力に10の強化を足しても総算すると20の身体になるわけだが……
 冒険者やってると50とか60とか出すやつ平気でいるし中には200とかいう化物なんかに出会す時がある。
 因みに俺ぁ、最近じゃねえが、300ぐらいあるんじゃねぇかって奴と()りあってな、腕が使いもんにならなくなるとこだった。
 まあ勿論それは上の世界の話だが、新米だからって、絶対そういうのと出会さんとも限らん」

先輩冒険者からの、お節介アドバイスが小言じみて続いているし思い出話なんかも披露しながらも分かれ道を左へ。
そこからもう少し歩いていけば、もう一つの分かれ道だ、彼女が左なら自分は酒の話通り右なので一度立ち止まり。

「おっと。ちょっと説教臭かったか? うん。他の攻撃魔術で補ったり身体能力強化を磨いたりで別に遣り様がないわけでもない。
 あくまで一ベテランの一経験談からくる、一つの見解ってことで、勘弁してくれ。
 で、ここまでだ、こっから宿場町はすぐ着くからあぶねぇ事もねぇだろ。またな?」

自分でも長話だったし余計なお節介過ぎた自覚も出てきたので、謝罪も零しつつ、文字通り別れ道ゆえ右手を握手に差し出した。

メイ > そう古い地図ではないのだが、記載漏れが多いもの。
その抜けている部分を助言とともに聞けば地図に書き込み。
草むらは本当に何がいるかわからない、なので出来るだけ近くは通らないようにしていると、男の言葉に返しながらも感謝も告げ。

「新作はどうしても気になるよ、私も時々に行くときもあるから。
そうね、ギルドで会えたら奢ってくれたら嬉しいかも。
それならおいしいお酒も教えてもらえそう」

冒険者ならそれこそ色々な物に手を出すのが多い。
その中でも薬に手を出していないなら、煙草や葉巻は気にしないと。
そして女癖はどうだろうと思うが、襲ってこない所を見ると悪くはないのだろうと考えて。

「魔術のほうを優先するから、鍛えてる余裕がないの。
鍛えてると今度はそっちの勉強が疎かになるから」

冒険者をしていなければ時間は足りるかもしれないが、どうしても冒険者活動を考えれば時間は足りない。
大変なのはわかると聞けば、そういう知り合いでもいるのだろうと考えて。

「その例えなら……私は10を30にするのが今は限界。
どうにもできない相手なら…魔術で飛んで逃げるのもできるし、無理もする気もないし…。
私がそういうのにあったら…どうにもできないよ」

おせっかいアドバイスを聞けば耳を傾け。
もちろんそんな状況もあり得るので依頼や行先は吟味していると告げ。
それでも遭遇してしまえば、その時はその時としか言えず。

「大丈夫、変な自慢話よりもよっぽど参考になったよ。
ベテランの経験談からの話ほど参考になるのはないし」

そんな話をして歩いていればもう一つの分かれ道。
男の言う通り左に行けば宿場であり、自分は急いで帰る用はないのでそちらに一歩。
男の話はお節介ではなくとても参考になったと改めて礼を言い。
そして右手を差し出されるとその手を握り握手をし、別れることになって。

シアン >  
「んはは、ちゃっかりしてやがる。いいぜ? 奢っちゃる。楽しくやろうじゃねぇの」

誘ったのは、こちらだ、先輩なのも、こちらだ、其れを知ってか天然なのか……
財布の話には今迄で一番大きく笑気を吹いては大口空けたものだが是と答えて。

「二兎を追うもの、何て言葉もあるぐらいだ、疎かにしちゃいかんのもよーくわかる。
 そこを何とかするすべがあるとしたら、まさに今メイちゃんが言った、吟味だな?
 依頼書をようく見て土地のことようく調べて危険からはとことん遠ざかると良い。
 ……その歳で30っつーのもすげぇ話ではあるけど。ふはは、将来楽しみだ」

彼女の確りとした受け答えもあり、別れ道もあり、お節介もちょっとした同行もここまで。

「いやぁ、そう言ってくれると助かる。年寄は説教臭いもんだと思って側だが気付きゃこっち側とは、ふは、俺も歳取ったな。
 うん、それじゃ、またどこかで」

握手を返されればしっかと握って一度二度と振れば、離してから、最後にもう一度ゆらりと中空で揺らしては背を向けて互いの道を行くことになるだろう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」からメイさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」からシアンさんが去りました。