2024/07/21 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にニュアさんが現れました。
ニュア > 乗るはずだった乗合馬車が、魔物の襲撃に遭い乗車が適わなくなった、なんて知らせを受けたのは数刻前のこと。
馬車着場から急遽、日の落ちる前に辿り付くが適うギルド出張所迄戻ることになったのだが、
途中で天候は崩れ驟雨に見舞われるわ、キラーアントの群れに出くわすわ、散々。

出張所の扉を潜った頃には、外套からぼたぼたと雨雫を滴らせ、濡れ鼠もいいとこで。
普段なら開口一番に悪態でもつこうところが、すっかりと疲労困憊、グロッキーが過ぎて無言の少年風貌が此処に。

「……………………………………… っくしゅッ。」

有り得ない。
寒い、疲れた、魔物の体液やら泥やらで服は汚いの三重苦。
同じ境遇の冒険者と此処迄の行動を共にできたのは良かったが、
一先ずの宿泊部屋を求めたがる状況迄同じ境遇であればこそ、宿泊受付も暫しの順番待ちを余儀なくされる。

おまけに、コレ。
自分が部屋を確保する前に、下手したら部屋が埋まるパターンじゃない?なんて危惧がもうすごい。
故に、フードの奥、水も滴る白皙容貌の無言にはなんともいえない顰め面までが付与されていた。
厭な予感をひしひしと抱えながら、己の番が来るまで暫くの待機と相成って。

ニュア > フードの隙間より窺える線の繊細さは、果たして少女か少年か。
薄い体軀から判別は難しいだろう。
神経質さすら漂う血色薄い白皙の膚、射干玉の双眸、そして煙る長い睫毛。
ずぶ濡れの野良猫を思わせるのは、どうにも人を寄せ付けたがらぬ雰囲気の所為か。
話し掛けてくれるな、なんて気配をぴりぴりと醸すのだ。要するに不機嫌だった。

そして漸く、娘の番になる。
ギルド職員兼宿屋番の『いやァ、災難でしたねぇお疲れさまです~』なんてヘラついた声に、
ギッ、と据わった半眼で凍てついた一瞥くれてから。

「一泊したいんだけど。」

にべもなく問うたなら、宿帳を眺める職員は、またヘラついた声と顔でこう言うのだ。
『いや~、災難に次ぐ災難ってこういうコトをいうんですかねぇ。
 実は今、最後の一部屋が埋まってしまいまして… 後は雑魚寝の相部屋が――…』
ほらきた。こういう勘は当たるわけで。

「ぇ、無理。」

ドきっぱり即答。『いやいや、無理と言われましてもね~~』職員が言う。そりゃそう。
そして物理的に融通が利かぬことも娘も承知するから、特大の苦虫を噛み潰した顔にもなる。

「――――…はぁ。最悪。 じゃあもうイイよ、それで。」

湯くらいは借りて手拭いで身体を清めるくらいは適うだろう。
眠れ―…る気はしないけど、一夜くらいなら起きてても。本当は厭だけど。めちゃくちゃ厭だけど。
一室の宿泊費よりも遙かに格安となる硬貨を渡したなら、寝床の治安も知れよう。また溜息。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にアキアスさんが現れました。