2024/03/20 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 草原」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──まだ日の高い時間帯。
爽やかな風の吹く街道脇の草原を、馬に騎乗しゆっくりと進む金髪の男が一人。
日差しに眩しげに目を細めつつ、くわわ、と、一度でかい欠伸を漏らし。
「ンー……さ、今日ものんびり昼寝タイムとしゃれこみますかねぇ……──ンン?」
目元を擦りつつ、いつも昼寝に利用している辺りまで辿り着けば、ぽつんと一人立つ人影に気づいて
ぱちくりと瞬きし。
自分以外にこんなところまでやってきている者がいるなど珍しい、なんて考えながら、
馬を歩かせ緩やかにそのそばまで近づくと、へらりと笑みを浮かべながらその相手を見下ろし声をかけてみる。
「──やあやあコンニチハッ。お一人ですかねぇ?」
■エレイ > その後どのようなやりとりがあり、何があったかは当人たちだけが知る話で──
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 草原」からエレイさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にフォグさんが現れました。
■フォグ > 王都のはずれに設立された簡素な冒険者ギルド出張所……のように思える施設。
相場よりもやや高い報酬が目を惹くが、実態はひどい有様である。
特に、経験に乏しい冒険者や切羽詰まっている者を獲物とする詐欺まがいの案件ばかりを並べている。
最近は王都でとある催事が賑わいを見せている事もあって、急遽人手が欲しい組織はたくさんある。
「一応、正規のギルドが摘発に来ないとも限らないから気をつけなくちゃね」
別の詐欺団体が冒険者およびギルドと協調して非合法行為を暴かれ、潰された事例を耳にしていた男は辺りの同業者らしい
男性と話し込んでいた。
その為の用心棒も数名在籍しており、下級の冒険者程度ならどうとでも出来る体制なのだが。
「それにしても、さっき”面接”した子……あれじゃ流石に送り込めないなぁ。
しばらくその辺の娼館にでも派遣させとく?」
依頼文の表向きの文面は、短期の王侯貴族向け遊興サービス。
想像力に乏しい若い冒険者が早速食いついたが、クライアントの受けが悪そうなので本来の依頼とは逸れるものの
風俗店に短期の穴埋めとして派遣させることに。
食いつきが良くても、肝心の冒険者そのものが玉石混交。
最近はお世辞にも質の良くない冒険者が目立ってきており、引っかかりはするがあまり旨味がないのが実情だ。
……中には世間知らずがやってくるので、まるで大物を待つ釣り気分。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にニュアさんが現れました。
■ニュア > はて、こんな処にギルド出張所なぞあっただろうか。
通りすがりざまにその少年容貌は頚を傾げた。
けど、時折繁忙の折に仮設の出張所が増設されることもままあるのは事実。
そういった施設には時折、掘出し物の依頼があったりするもので。
故に。
先程から貼り紙を眺める一人の旅装姿。
小柄で華奢な体躯と、目深に被ったフードの所為でいまいち性別は窺えぬ。
が、貼り紙を見上げる横貌は、白皙の繊細さを有し。長い睫毛が殊更に目を惹くだろう。
掲示された依頼内容を睨み──。
「報酬は悪くないんだけどさァー………なァんか、巧い話っぽすぎ…?」
金は無い。たとえ有っても、もっと欲しい。だが、喰い付くに躊躇うものがある。
なんかこう、何となく。ウマい話過ぎる、というか。
少しばかり悩ましい顰め面に呟いて、貼り紙の字面を眺めゆき。
■フォグ > 出張所に現れて良い稼ぎになる依頼はないかと眺めている者達は少数ながら既にいる。
だけど積極的に声をかけに行く真似はしない。
ただでさえ胡散臭さを漂わせる依頼。嬉々として囲いに行けばいらぬ警戒心を煽り、逃げ出す恐れもある。
単なる仕事の仲介屋ながら、まるで獲物が罠にかかるのを待つような駆け引きだ。
小柄なフード姿の訪問者に男は目も暮れていなかったが、
しばらく経っても張り紙と睨めっこを続ける煤色の小柄なシルエットにやがて他の男が視線を向ける。
「ん、ああ。行って来ようか」
同業者に顎で示された先、男とも女とも分からぬ小柄な貴方のもとへと同じく黒い外套で野に生きる者と
思わしきニオイを漂わせた赤髪の男性がゆっくりと歩み寄ってくる。
「随分と長い事悩んでるみたいだね。気になる事でもあるのかな??」
やや人相が悪く見える、つり目の男性は凶暴そうな顔つきに反してフレンドリーな口調で貴方へと声を掛ける。
■ニュア > 「なぁんかなぁ………」
掘出し物なのか胡散臭いのか、どうにも紙一重だ。
その小柄は、「王侯貴族向け遊興サービス」とやらの依頼書の前に、長く佇むことをしていた。
依頼内容自体に惹かれたわけじゃない。
こういった依頼を切欠に、商売への繋ぎを構築するのは商売人の常套手段。
依頼を口実に潜入が適えば、顧客発掘の機会も同時に得られる。
だから、この手の依頼は普段から特に気にするようにしていたのだ。
近付いてくるギルド関係者と思しき男に気付き、面を向けた。
「ぁ。これ。 具体的に遊興ってどういう? 報酬良すぎて逆にヒくっていうか、さ。」
ギルド員、というには妙に癖のある風貌の男だ。だが、口振りは友好的。
冒険者崩れの強面な輩もギルド員にいないことはないし。まぁ、こんなもんか、と。
貼り紙を視線で示し、眉を跳ね上げて問うた。
■フォグ > このような場所で斡旋される依頼など、王都にあるギルドでは公に斡旋しづらいものや、
いわゆる訳あり物件ばかり。中には本当に、思わず困惑してしまうようなオイシイだけの依頼もある。
胡散臭さを感じる貴方の直感は決して間違ってはいないかもしれない。
長く葛藤している貴方が、その辺の勢いだけの間抜けな者達と違って警戒心が強いのだと洞察する男は
諦めて引き返すのを待ってはいたが、なかなか動かない様から興味ありと判断。
貴方と直にコンタクトを取ってみようと歩み寄った。
「ははっ、勘が鋭いじゃないか。遊興って言えば大体はパーティーやお祭り騒ぎだね。
モノによっては、いわゆるデートまがいの事やそれ以上の事もあり得るかも」
視線を向けた張り紙を眺めながら、男が能天気な口調で語ったのは「デート」なる言葉。
いわば、金銭を受け取って権力者を楽しませるサービスなのだとか。
「もちろん、依頼人と交渉してサービスをどこまでやるかは調整できなくもないよ。
ただ、高額なのはお偉いさん相手だから、多少のワガママはこれだけの金を積むから我慢しろ って意味でもあるからね?
我を通し過ぎるとご機嫌を損ねて仕事自体がパーになるし、ボクらの信用にも響くから」
肩をすくめ、実際に顧客を怒らせて火消しに奔走するハメになった体験談を語る男。
「まぁ、身構えちゃうものだよね。でも、わざわざココに来たって事は王都じゃ見つからない
仕事が目当てなんだろう?キミの要望を通す手伝いはしてみるから、ダメもとで受けてみるかい??」
にこりとウインクしながら、貴方に目を向ける。
■ニュア > 「…ナニソレ。幅広すぎない? 内容は依頼先に行ってのお楽しみなカンジ?」
パーティやお祭り騒ぎ、ならまだしもデート紛い、となれば接触人数も限られるし益は無い。
それに、些か面倒臭い。フードの内側の表情が些か眉根に皺を寄せ。
「俺、男なんだよねー。賑やかしはできるかもだけど、オンナ役はできないよ」
その、少年容貌─…少年、は宣った。
その明晰に小賢しく、くるくると動く眸や口振りだけを拾うなら紛れもなく疑いようも無い少年だ。
けれども肥えた目で観察するなら、儚さすら漂う繊細な容貌と華奢さは、少女のそれに近しく。
何方にしても、冒険者と称するには些かひ弱な印象ではあった。
「ふゥーん……。正直に言うと、仕事のコネクションを拾いたいんだよね。
王都じゃ、この手の依頼は顔ぶれがお決まりだし。だからちょっとオイシイなって思ったんだけど。」
ワガママ、とやらがどの程度なのかも気になるところ。
しかし、訳あり物件には瑞玉も雑ざっているのは経験則で知るところなのだ。
だから、悩む。暫く沈黙を貫いて。
「ねぇ。依頼者にもう少し話を聞いたりもできるの?
ぶっちゃけ要望決裂なら断れるのがイチバン良いんだけどさ。」
どう?と視線で問うた。一蹴に断るには些か、魅惑的ではあったから。
■フォグ > ますます怪訝そうに眉間へ皺を寄せる貴方に対しては、「まあね」と予想通りの反応に全く動じない。
警戒するのはもちろんだが、王侯貴族とのデートなどやましい事情が無くとも面倒事しかないのは想像に難くないだろう。
男性を自称し、女役は出来ない と告げる貴方に男は軽く笑った。
「おっと、想像力が足りないよ。女性の貴族だって至る所で男の人と遊びたがるものさ。
だいたい、この手のサービスには女性が売り手市場だから比率としては圧倒的に男が女を求めてる事が大半だけど」
素早く機転を利かせて、相手が男とは限らないとさりげなく忠告する。
にこやかな笑顔で貴方をじっと観察している男は、貴方のシルエットや繊細さからは紛れもない女性のそれが持つものだと
感じつつあったが、貴方の公言した性別には言及せずに男の子という体で話を進めた。
「へぇ~、人脈づくりかぁ。キミ、ボクよりも一回り年下に見えるけど色々考えてるんだねぇ」
腕を組んで、ふんふん と合点がいった様子で考える。
その後、続けて貴方から質問が飛んでくれば軽く驚いた様子を見せ。
「もちろん、出来るよ。会って話してみるかい?
馬車の手配が済むまで、あっちの部屋で”面接”しようか」
穏やかな口調で、貴方をじっと見つめる。
しかし、男は内心で、貴方……もとい貴女を食い物にする算段を着実に整えていたのだ。
こっちへおいで と貴女を手招きし、貴女が応じてしまったならば、そのまま奥の個室へと連れていくだろう。
途中、仲間らしき男性には準備をよろしく と伝えて。
■ニュア > 女性もいる、と言われれば。まぁそうか、と納得する。
「フゥン。なるほどね。まぁ良いケド。どっちにしろ接待以上のコト、する気ないからね。
変な依頼だったら、ギルドには悪いけど破談にさせて貰うし。その辺もちゃんと交渉に含めてよね。」
そこはきちんと釘を刺しておくだろう。
正直、その線引きは確りとしておかねば安心なぞ出来ようも無い。
とはいえ、“面接”からというのは此方的にも都合が良かった。
その間に詳しい内容を聞き、気に入らなければ反故にすれば良いのだし、多少は内容も精査できるだろうと踏んで。
「それでイイよ。取り敢えず“面接”ね。
そこでもう少し詳しく聞けるでしょ?ソレならそっちで請けるかも決めるしさ。」
だから、その少年は頷いた。
幾度かこの手の依頼は請けたことがあるし、まぁ順当にいけば問題は無い筈。
金と実益が絡めば多少の愛想も振り撒けるし、とんでもない要求をされたら逃げるくらいはしてやるし。
───そうして、促されるまま。個室へと足を運ぼうか。
■フォグ > 「ははは、ガードが堅いね。このご時世だと気を許すと何が起こるか分かったものじゃないから」
貴女の念押しには、やんわりと笑顔で応える。
無条件でホイホイ餌に釣られてしまう者も多い中、見込みのある子だと感心しながら、「任せておいて」と告げる男。
「この時点で既に”変な依頼”だと思うけどね。
キミぐらい色々と警戒出来る子だと、かえってこっちもやりやすいからいいんだけど」
後で話が違う、詐欺だ なんて喚かれるよりも、当人が自分で納得のいく落としどころを見つけてもらった方が
トラブルはよほど少ない。
―――男が貴女の合意を得て、個室へと向かう。掲示板が張り出されていた場所からは、妙に長い廊下の向こうへと。
「キミ、名前は?王都で暮らしてるの?」
なんてさりげない、最低限の問いを投げかけながら、やや古い扉の前へやって来れば鍵を開け、入室を促そう。
そこには対面で談話を行う為に設置されたローテーブル、ややボロいソファ……出張所といえやや目に余る貧相な設備の数々。
貴女が室内へ入ったのを確認すれば、男は迷う事なくカチャ……と音を立てて扉を施錠し、静かに問う。
「とりあえずさ、最初に聞いておこうか。……キミ、本当に男の子で合ってるかな?」
そういうと、後ろから両肩へ静かに手を置いて。やや低めのトーンで問う。
■ニュア > 「“変な依頼”───…じゃなくて、“ヤバい依頼”て言うべき?ソレは困るし。自衛だよね。」
鼻で笑って相手へと返す。正直、未だ胡散臭い気持ちは若干消えない。
けども王侯貴族へのルート開拓なんて、時折博打でもせねば新規開拓は困難だ。
頭の中で面接での交渉事項を確認しながら、男について歩く。
こつ、こつ、こつ。周囲を眺め乍ら、廊下を歩む。
随分と距離がある。てっきり、ギルドの執務室にでも通されると思ったのだけど。
「名前?ニュアでいいよ。 王都に家はないよ。拠点は、──…商売上、いろいろ?」
一応は斡旋主。聞かれた事には答えよう。尤も─…それ以上を答える愛想はないけども。
そうこうしていれば漸く、目的の部屋らしい。
何の変哲も無い、部屋。少しばかり内装は古めかしく、お世辞にも綺麗とは言い難い。
少年が、眉を顰めた。仮設の出張所であるなら、家具備品の類が「おさがり」という線はあるだろう。
「なんか、金回り悪そうな部屋じゃない…? ──────… て、」
施錠の音に、先ず。過敏に振り返る。そうしたら─… 背後。肩に手が置かれるのだ。
少年は、露骨に肩を斜に逃がし、振り払おうとするだろう。
「男だけど?嘘ついてどうすんのさ。あと、触んないで。金にもならない相手に触られんのキライなんだよね。」
鼻白みながら、口端が僅か傾いた。
しゃあしゃあと宣う、それは牽制だ。相手を見上げる細面は、少年と呼ぶにはあまりにも繊細で。
■フォグ > これで打ち解けた……とは正直思っていない。
だがこのまま依頼人のもとへ渡しても、果たして興じさせる事が出来るのか男もまた貴女には気がかりな点が残っていた。
とはいえ、無理やり言って聞かせる真似はせずにこのまま貴女のペースに合わせた応対を続けていく。
「そっか。まぁ、下手に家や店を構えるよりも身動きがとりやすくて楽だもんねぇ」
貴女の言葉には、自身がそうであるからかとても理解を示している。
他愛も無い、過度に親睦を深められるような世間話もないまま部屋へとたどり着けば、
率直に放たれる感想。
「そう思うよねぇ」
男は否定しない。貧相な部屋は、王侯貴族とのやり取り という話すら嘘か本当か疑わしくなる。
そんな貴女の可愛げのない態度にも構わず、男はスキンシップをとろうとするが……
拒絶された。
「おっとっと。驚かせちゃったかな?」
振り払われた男はにこにことしたまま。だが、反省してる様子はまるでない。
それどころか、一度振り払われても全く怯んだり様子を見る事もなく、構わず距離を詰めて。
「金にもならない?色々と誤解してそうだから、その辺を解いていく必要がありそうだね……??
まず、金になるのは誰かってハナシ。ひとまず、今のキミでは偉い人からお金は引き出せそうにないから、
接客態度から教育しようか」
軽やかだが、どこか脅迫めいた言動でそっと告げる男。
もしも貴女に腕力で勝るならば、そのまま無造作に衣服に手を伸ばして雑に脱ぎ散らかせようとするだろう。
■ニュア > 相手の名を聞き返さない、そのあたりも態度の程が知れるのだ。
最低限のみを拾い、最低限を返す。観察眼の優れた男であれば、潔いまでの線引きが分かり易く窺えるだろう。
だからきっと、会話が弾んだかといえば───否。あくまでビジネスライクというやつで。
そう。そんな、餌だけを囓って撫でられるを厭う野良猫の如き振る舞いであったからこそ。
室内の貧相さに、厭な予感が、直感的に働いてしまったといえよう。
その直後の施錠音。そして見計らったかの、ささやかなスキンシップとくれば。
「驚いたわけじゃないよ。イヤなだけ。」
愛想を崩さぬ相手の表情に、にべもなく言葉を重ねた。
相手は此方の拒絶に構わず、また一歩を踏み出してくる。それには流石に少年が、踵を一歩下げようとし。
「さっきも言ったでしょ。依頼人の前ならちゃんとやるってば。
でも、アンタはあくまで仲介人! 商談にスキンシップする義理はな、い────… !? 」
相手が、不穏な事を言った気がした。“金になるのは誰か”。
あ。これ最悪なヤツじゃない? 思う。思ったから──… そこから、拒む。きっと揉み合いになる筈だ。
されど腕力で適わぬ細腕の御業、外套は床に散り、露出の極めて少ない長衣の襟元が肌蹴て、白く細い首元を晒しだす。
「や、ッ……! ウザ… ッ…!!」
呻きとも唸りともつかぬ声が恨みを紡いだが、最後。
扉の内側に、以降の音色は隠されて───。
■ニュア > 【移動いたします】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からニュアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からフォグさんが去りました。