2024/02/27 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」にフォグさんが現れました。
フォグ > 「寒いし暗いし、おっかない眺めだ」

男は王都からさほど離れてはいないが、今では寂れて鬱蒼とした旧道を進んでいる。
もう少しで『ブツ』の輸送の中継ポイントに辿り着く。

今、男は数人の同業者と税関などを通しては持ち込めないような代物をわずかな人数で持ち運んでいる。
それは王都内で使用が取り締まられた劇薬の類。

とは言っても上流階級では密かな愛好者が後を絶たず、健康リスクを承知でなおも未だやり取りが行われている。

「別のルートで運悪く摘発されたみたいだから。最悪、面倒になったら現地処分の準備をしておいて。
 逃げるのは……鬼ごっこやかくれんぼを頑張るしかないか」


王国騎士や、使い捨ての冒険者や傭兵がもしもこの非合法な密輸を取り締まる為に行く先で張り込んでいれば、
かなり面倒な事になる。

男達は戦闘集団ではないため、小汚い手を弄する事でしか抗う術を持たないだろう。
だが、男の「現地処分」と喩えた内容には、なぜか別の男がにぃ と邪悪に微笑んでいた。