2024/02/11 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にジェイクさんが現れました。
■ジェイク > 王都から離れる事、数刻。近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い道を遮るように柵が設けられ、
脇には幾つかの天幕が建てられて、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは王都の兵士達。
曰く、最近、山賊や盗賊の類が出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという兵士達の憂さ晴らしと私腹を肥やすための手段に他ならなかった。
「――――よし。次の奴、こっちに来い。」
でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、隊商の馬車を通せば、
列をなしている次の順番待ちの通行人に近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
そして、その事を理解している兵士達は、国の為ではなく利己的に民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にケストレルさんが現れました。
■ケストレル > 「――とまあ、そういうわけで
小鬼討伐のセオリーは今言った通りだ」
街道沿いの冒険者ギルド出張所、その裏手の修練所
幾つかの依頼をこなし、いよいよ本格的な魔物討伐に赴くパーティに向けて、ケストレルは作戦指示を伝え終えたところだった
今回は同行は無し、あくまでもこの出張所に待機し、訪れた冒険者たちに適時助言やアフターフォローなどを行うというのがケストレルの請けた依頼である
慢心した冒険者には手合わせを申し出て、騎士と冒険者、二足の草鞋での経験を活かして鼻を折るという損な役回りまで依頼内容に含まれているのは流石に辟易したりもしたが
(まあ、今日は思ったより少ないから良しとしよう……)
事前にギルドから受け取っていた周辺地図を丸めながら、入念な準備に勤しむ後輩冒険者たちを見て肩を竦める
本当ならば自分も魔物討伐に参加したいところだったが、新人育成のためと釘を刺されているので断腸の思いで次の冒険者たちが訪れるのを待つ
「……頼られるのは悪い気はしないけど、生き字引扱いに近いのはどうなのさ」
溜息と共に呟いた言葉は誰の耳にも届くことなく穏やかな風に散らされて
■ケストレル > 「にしても、彼らはちゃんと言ったことを守ってくれるだろうか……」
ケストレルが冒険者パーティに指導する際、留意してる事はそれほど多くはない
昨日登録し結成されたばかりの右も左も分からない様なド新人ならともかく、今回は既に何度かの冒険を経験した冒険者たちだ
そんな彼らに助言できることと言えば、とにかく『生きて帰ること』に重きを置いたもの
これまでに同行した冒険でどれだけ危機的な状況に陥っても、
必ずパーティ全員を生還させてきたケストレルが経験と知識をありったけ詰め込んだ生存術だ
彼らが順守してくれれば負傷者は出ても死者は出ないと、ケストレル自身も確信している
故に、今回の様に現場での指導者役という依頼が回って来るのだろう
「駆け出し冒険者にゃ蘇生代なんてとてもじゃないが出せないだろうしな……」
願わくば誰一人欠けず、更に望むならば無傷で帰還して貰いたい
出立するパーティの背を見送りながら、密かにそう願わずにいられなかった
「……っと、感傷に浸ってる場合じゃねえや
次のパーティが来る前に、斥候に周辺環境確認して来て貰わねえと」
今日は新人冒険者たちがあと数組、この出張所を訪れることになっている
彼らが来る前に朝からの状況が変化していないか、定期的に確認を行って貰っている馴染みの斥候へとケストレルは向かうのだった
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からケストレルさんが去りました。