2024/01/11 のログ
テオドーラ > 妖魔は大抵は二足、馬車ならば振り切れる。

正体さえわかってしまえば無理に戦う必要はなく。
しかもこちらに気が付いているなら襲ってくるので、襲ってこないなら居ないと判断でき。

自分は痕跡を見つけることができず、いないと判断をした。
しかし男が立ち上がり腰を伸ばすしぐさをすれば屈めていた体を起こして森の外へと駆け出す、
あれは痕跡を見つけたという合図であり、それを見れば逃げろと言われていたからで。

「猿なら森から離れれば大丈夫…!」

男の言葉に走りながら言葉を返して。
逃げれば襲ってくるかもしれない、来ないかもしれない。
しかし危険があるなら迷わずに逃げるのが一番の手。
背後で大きな音が立つのを聞こえても足を止めずに森から脱出し。

「わかってます、急ぎましょう」

後ろは確認しないで商隊に向けて走る。
合流さえしてしまえば数の優位で猿の妖魔なら襲ってこないのはわかるので。

そうして走れば商隊がすぐに見えてきて安堵の息を吐いて。

クレイ >  
「でも素早いからな、追いつかれるなよ」

 なんて言いながら後ろから追いついてくる。
 しかしその後ろからキーキーという鳴き声も聞こえるのはテオドーラ、その後ろに男、その後ろに猿の構図になっているのだろう。
 走っていれば商隊が見えてくる。しかし。

「安心するな馬鹿! それは終わってからだ!」

 安堵の息を吐いた姿が後ろからは力が抜けた様子に見えた。それを見てそんな風に言えば身体強化の魔法使用。
 もしその声ですぐに元の雰囲気で走り出さないようなら後ろから抱えるようにして商隊の方へ飛び込んで。もし走り出したら少し後ろを維持するように走る。
 そうして到着すれば。

「全力疾走! 急げ急げ!」

 なんて商隊に指示を出して危険を脱する。
 殺してしまうのは簡単だが、その血が別の得物を呼ぶかもしれないのでそれは控えた。
 少し遠い所ではギラギラと目が光っているだろう。

テオドーラ > 追いつかれるなという言葉。
捕まれば最悪な未来が待っているので走る速度を上げ。
自分の後ろを男が走っているおかげで襲われる心配はないがそれでも足は動き。

男の言葉とともに後ろから抱きかかえられると顔が真っ赤に染まり。
そんな恰好で商隊に飛び込めば視線を集めるのが本当に恥ずかしい。

しかし恥ずかしがる暇もなく男の指示で商隊が動き出し。
馬車が護衛が一斉に走り出しその場を離れて。

その場を離れる商隊の背後で光る眼を見れば逃げ切れたと再び安堵するしかなくて。

クレイ >  
「おうおう、借りばっかり増えてくじゃねぇの。1杯のつもりだったが3杯位世話になろうかこれは」

 なんて言えばそのまま商隊の馬車の上に下ろす。というか飛び乗ったわけだし嫌でも馬車の上に飛び乗る形なわけだが。
 上に乗るなとか怒られるかもしれないがじゃ、魔物に奪われるか? なんて荷物の入った馬車を指させば依頼人は黙って前を向く。

「ま、とりあえず何かは起きたけど無事達成ってな。二度は流石に無い……と信じたいが」

 結局自分もそのまま馬車の上に座る。高い方が回りも見れるし問題ないだろうたぶん。

「っと、お疲れさん、あっち側見てくれて助かったぜ。1人だと2分の1で外してたしな。そう考えると2杯分の奢りって所か。場所代と最後のカバーでな」

 見落とした訳じゃない。それなら彼女は確実に功績を上げている。
 だからそれに関してお礼は伝える。その時の彼はもう最初の馬車の時のいい加減そうな傭兵だった。

テオドーラ > 「一杯だけ」

貸しばかり増えるという男にそれだけはしっかりと返し。
馬車の上に載ってしまったこと、動く馬車の振動に落ちないようにとし。
文句を言いたそうな依頼人が前を向くのを見てはようやく力を抜き。

「無事だけど……疲れた。二度目は遠慮したい」

そう大きく息を吐いてはタイミングを見計らい馬車の中にと降りる。

「あなたもお疲れ様。でも私は何も見つけてない。けどそういってくれるならそれでいい…」

男の言葉に少しだけテレを見せながら見つけたのは男だと告げる。
しかし二杯の驕りと聞けば眉間に小さくしわが寄り。
それでも今は無事に馬車に戻れたこと、それを感謝して。

クレイ >  
「んだよちいせぇなぁ」

 ケッと先ほどまでのベテラン雰囲気はどこへやら。結局元の兄ちゃんに逆戻りである。
 だがまぁ良いけどと言って肩を竦めた。

「よく勘違いされるんだが、見つけてないのは功績だぞ? 本来ならあのあたり一帯を吹っ飛ばす必要があるのをピンポイントにあの木を切り倒してすぐに逃げれたのはお前が何もないって発見をしたからだ……見落としならミスだがな」

 でも黙ってればわからないと冗談めかして笑う。
 そう言えば屋根の上でもたれかかれそうな所にもたれかかって。
 目線は今度も遠くへ、だが見つけるような目ではなく見ているだけである。

「ま、その辺は付いてからってことで」

 そう言えば静かに周りを見ているだろう。
 そうこうしている内に朝日が昇り、そのまま少しすれば街に付くだろう。
 その後は酒を飲んだか後日飲む事になったか。どちらかだろう。

テオドーラ > 「そこまで余裕はないから」

小さいといわれても二杯を奢る余裕があるかといえば否。
出来ない約束よりも確実に実行できる事、一杯奢るだけは行おうと考え。

「そういうもの?でもあなたがそう言うならそう思っておく。
けど……あの木を切り倒した腕前、魔王クラスの話は信じてもいいかもね」

冗談めかして笑って告げられるとそういうものかと思うことにして。
何にせよ、男のおかげで無事に戻れたのだから感謝しかなく。
馬車の中でらしくもなく両足を伸ばして力を抜き、屋根の上にいるであろう男を見るようにして。

「二度目がないこと、本当に祈ってる」

そう言っては例え鎧が上半身腰回りだけでも全力疾走は疲れ。
少しの間目を閉じることにし、そうしている間に夜は明けて朝に、そして町につけば報酬を受け取るだけ。
その報酬を受け取れば、約束と酒場へと向かうことになったはずで。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からクレイさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からテオドーラさんが去りました。