2024/01/01 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にノーマさんが現れました。
■ノーマ >
時は夜。
女は辺りをぐるりと回って、所定の場所に戻ってくる。
「さて、と……とりあえず、念のためだけど鳴子をしかけてきましたよーっと。」
戻ってきた先にいる人間に軽く声をかけておく。
仕事をする上で、そういう報告は大事、と最近学んだのである。
今回の仕事は、旅路の念のための護衛、というやつである。
まあどうせ街道だし、たいしたことはない、という話も聞いていたので受けてみたわけだ。
その割に、同じように護衛についているものがいる辺り、依頼主は臆病なのか心配性なのか。
はたまた、それ以外に狙われる理由でもあるのか。
まあ、そのへんは女にはどうでも良かった。
「じゃあ、見回り終わったし交代まで休んでるよー」
やはり声をかけて、火のそばに座り込む。
のんびりと一回あたりを見回せば、同じく休憩している者や、見張りに回る者。
それなりに人はいた。
「ま、こんだけいればどうにでもなるかなー」
やはりのんびりと呟いて、暇つぶしに本を読み始めた。
同じく暇人でもいれば声をかけてくるかもしれないが、さて……
■ノーマ >
読んでいるのは、恋愛小説。
ひょんなことで読む機会を得て、それ以来いくつか試し読みをしている。
まだまだ機微はわからないが、ヒトの心の動きを学べるのはなかなかに趣深い。
そんな小説もそろそろ終わりに近づき、もどかしい二人の関係がこじれていこうとする中……
「交代の時間だ」
声がかかった。
後少し、後少しでこの泥沼がどうなるのかわかりそうだった。
「……りょーかい」
切り替えは早い。
まるで、読んでいた本に興味がなかったかのように閉じて。
「んじゃ、いきますかー」
のんびりと、女は見張りの交代に回ったのだった。
面倒だが、おそらくは今日も平和に終わることだろう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からノーマさんが去りました。