2023/12/16 のログ
■バランガ > そのうちに冒険者の一人が職員に案内されてやってきた。
見てくれはまあまあ、行商の旅でもあってそう時間を費やすことも出来ないのだから妥協点といえた。
契約を妥結すれば、護衛の冒険者と共に目的地へと向かっていくのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からバランガさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > 旧い道に居る。
道は整備されていた名残が在るが、今は殆ど点検されていない事が解る。
風雨を筆頭とする自然現象に晒され、いかに人が通行しやすい歩きやすい荷馬車が進みやすい道などは人の手を加えなければならないのか、それを物語るかのようにぼっろぼろだ。
でも、此処は元々は良く使われていた場所で、そして人が通るならば当然昼夜を問わずに進行し続けている訳には行かず。
「つまるところは休憩する場所が必要になって来るって訳」
それなりに見晴らしの良い道端、しかし森林の一群の一部を背景にしてキコリの掘っ立て小屋みたいなのが建っている。
多分最初は本当にキコリだったり、野伏のものだったりしたんだろうけれども。
それが次第に人の行き来が多くなるにつれて、旅人たちも使えるようにちょこっと改装したんだと思う。
中には最低限の人が…取り敢えず夜風や夜露から身を護る程度事が出来る程度の造りにはなっている。
でも正直余り使いたくはない、寝台は壊れかけているしノミとシラミが沸き放題。
水を使う為の井戸を覗き込んだら既に殆どちり芥で埋もれて枯れている上に何だか何時死んだのかよくわかんない獣の屍が横たわっていた。
■テンドン > 「でも住めば都とも言うしね」
床材も辛うじて腐っていないし、建の骨組みもまだ自分は大丈夫だよと言ってくれている。
眠っている内に突然屋根が崩落を起こして、二度と目覚めぬ眠りにつく、という事は無さそうだ。
だから現在は床上に持参して来ている寝袋を大きく広げてそこに横になる準備を進めている。
「さむ」
でも、凍えるような冬の寒波は容赦なく旅人を殺しに来る。
太陽は旅人を最終的に脱がして勝っちゃう、っていうおとぎ話があったけれども。
北風は加減を知らなくて旅人をきっと動かなくしちゃうんだろうな。
…火は余り使いたくない。この夜更けにおいてすっごい目立つから。
此処に誰かいますよって豪語しちゃうのは正直言って招かざるお客さんにおいで下さいってやる覚悟が必要。
なので明かり…という火は最低限。床面に置いているガラスのランタンからくゆる炎程度だ。
余りがんがん盛りまくっている方がそりゃあったかいけれども、安全の為にはこれが限界。
■テンドン > くるっぽー。
外から声が聞こえる、鎧戸をこつこつ突く嘴の音も。
これは合図だ。
「ありがとー、そのまま周囲の警戒を続けてねー」
少々危険な道を通って配達する際。
出来るだけリスクを下げる為に魔術師から使い魔を借りている。
今、いかにも森の野生動物で御座い、という雰囲気で飛び回っているフクロウ君も、その使い魔だ。
なんか危険そうなのが近づいて来たら直ぐに報告してくれるように伝えているという訳。
■テンドン > 「夜明けになったらまた直ぐ出発だね。早朝また寒いのかな…やだなー。今年は雪とか降らないといいんだけど」
現状は天候も決して悪くない。
きらきら輝くお星様を見上げ仰ぎながら天体の数を数えながら此処に来た。
でもやっぱりお日様に比較すると落ちて来る星明りは頼りない。
体を日光みたいに温めてくれるわけでもなくて。
ほら、はーって息を吐き出すと真っ白に息が染まる。
滅茶苦茶に寒いって事。
「……ぼちぼち、魔法の一つ二つぐらい学んでおくべきかな。どかーんって怪物の頭を吹き飛ばしちゃう派手な奴じゃなくて、生活する上で便利な奴」
今はランタンの風除けの器を一部外している。
そこに手持ちの鍋を翳していた。
くつくつ泡が立ち煮える音が聞こえる。
水と少量の動物の乳、そしてココアの粉末と安いラム酒をほんの少し。
毛布をかぶって毛布お化けになっても温かくはあるけれども。
体の芯から温めるには工夫が要る。
■テンドン > 錫で出来ているカップにその中身を注ぎ込み。
湯気立つ水面がまだ軽い沸騰にぐつぐつしている内にちびちび舐めるように頂く。
「…砂糖ケチらないで買っておくべきだったな、失敗しちゃったぜ」
贅沢はそれ以上余り出来ないのであんまり甘くは無い。
甘いは美味しい、つまりあんまり美味しくは無い。
でも熱を通した飲み物と酒の合わせ技は抜群で、あっという間に体はぬくぬくして来る。
一杯を飲み終えた後にフクロウ使い魔君からの報告を聞き。
そしてぐるぐると自らの体を毛布と寝袋に包み込む。
「お休みなさい…」
薄暗い部屋の中に呟く声が溶け込んだ。
眠りは深すぎてはいけない、何かあれば直ぐ蹴飛ばされて起きあがれるように。
浅い眠りにうつらうつらと入り込んで行く…。
眠りに誘われ、人里より遠い小屋の中…。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」からテンドンさんが去りました。