2023/12/15 のログ
影時 > 今日のおすすめ、と称されて出てきたのは何のことは無い。
塊のような黒パンと野菜と干し肉を長く煮込んだスープ、分厚い焼きベーコンだ。
兎にも角にも保存が利く食材を工夫して、腹を満たせ!と云わんばかりのもの。
若しかしたら此れしかないのではないか?という懸念もあったが、壁やカウンター席の上の品書きは其ればかりではない。
きっと偶々だろう。そう、偶々だ。出先で常に美食に在りつけるとは限らない。

「らしいっちゃらしいな。何はともあれ――」

イタダキマス、と。手を合わせ、硬く重いパンに手を伸ばす。
ごつごつ硬いうえに独特の匂いがある。初めて見た時はちょっと面食らったが、付き合い方には慣れてきた。
手頃な大きさに千切ってスープに漬けたうえで、ふやかす。それで食べやすくなる。
この場合気を付けるべきは、細かく千切り過ぎないことだ。思いっきり細かくして漬ける食べ方もあるが、これば恐らく好みの問題だろう。
そして、塩味ばかりが強くついたベーコンを切り、それを肴にちょっと温い麦酒を呑む。
これが味気ない、つまらないと感じるかどうかもまた好み、個々人の差だ。
だが、食えることは良いことだ。食えなければ生きていない。明日も生きていけるように、稼がなければならないのだから。

影時 > 馬鹿のように量がある、嵩増しな類ではないが、何分パンの量がある。
其れでも、工夫して食べれば最終的に食べきるのは難しくない。
スープも単調ばかりではなく、屑野菜でも数種の野菜を使うことで旨味が出るよう工夫している気配が伺える。
こういう考え方は悪くない。腹が満たせればいい、というのも限界があるものだ。

「ご馳走さん」

ともあれ食べ終えれば、代金分のゴルトをカウンターに置いて立ち上がろう。
腹が満たせれば、多少は仕事をしようとする気が湧いてくる。
面倒ではあるが先程見かけた仕事が残っているだろうか? 残っていれば、それを片してから王都に戻るとしよう――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」から影時さんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にバランガさんが現れました。
バランガ > まれびとの道沿いに設置された冒険者ギルドの出張所は今日も賑わいを見せていた。
丁度、大きな街道の結節点でもあり、行き交うのは冒険者だけではなく旅人や商人、キャラバン等も通過していく。

「おう、そいじゃァ気ィつけてな。ここまでありがとうさん、助かったわ」

ヤルダバオートに向かう商隊に別れを告げてを振る。
王都からここまでは大規模なキャラバンに随行させて貰ったが、ここからは目的地が別。
ここから出ている街道のうち小さな一本、山裾にある町が目的地だからで。

「とりあえずァ依頼出して待つとするか」

依頼の内容は目的地までの護衛。
報酬はそう悪くはない、といった程度だが、食事代と宿代はこちら持ちにすることで多少の色をつけた形。

ギルドの職員には通常の依頼料とは別にイロをつけて渡しておいたから、上手くいけば都合のいい女冒険者や随行者に話が行くだろう。