2023/11/13 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 王国練兵場」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 王都郊外にある練兵場。
騎兵の訓練をするため広い敷地が使われているそこは、有事の際には前哨基地となる。
今は騎兵――つまり、ほぼ騎士達だ――が己の腕を磨く場所となっている。
竜騎兵(ドラグーン)の実用化もこの施設で検討されていると聞くが、いまだ研究段階とのこと。

駈歩をさせながら、直線路を移動する銀髪の男。
右手で手綱を握り、左手を真横に真っ直ぐに突き出す。
進行上左側には的がいくつか立ち並んでおり、道からの距離も高さも違う。
東洋から訪れた者の中には笠懸を思い出させるかもしれない。しかし、撃つのは矢ではなく魔法だ。

男の手から衝撃波が放たれる。男が的の前を通過する度に、ぱたりぱたりと的が倒れた。
自身または標的が移動中に魔法を命中させるには偏差射撃を行うか、誘導性能を付与する必要がある。男は前者のようだ。
的が立てかけられていたエリアを過ぎると手綱を張り、速度を落としていく。スタート地点に戻ると息をついて下馬した。

「これくらいなら扱えるんだけどなぁ……」

ヴァン > 今男が行ったものは児戯に等しい。
敵集団の周囲を旋回しながら魔力弾を叩き込むのは魔導騎兵の基本戦術の一つだが、男に期待されるものではない。

単騎で敵陣の槍衾に正面から突っ込める馬。
そんな相棒が見つからずに戦場に居続けて、結局離れる羽目になった。
今この地にいる馬の中にも、男が望む役割を果たせる騎馬はないだろう。

「……馬じゃなくとも、思いのままに機動力が高まればなんでもいいんだが」

労うように柔らかく馬体を撫でながら、厩舎へと向かう。

ヴァン > 「とはいえ、馬より早く移動するには魔法でも一苦労するしな。
そもそも移動に魔力を使いたくない……」

ぶつぶつと独り言を呟きながら、男は去っていく。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 王国練兵場」からヴァンさんが去りました。