2023/11/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にレヴィアさんが現れました。
レヴィア > ――…極稀に極々稀に、例えるなら砂漠の砂の中に蛇が隠れているくらい稀に、元来の始祖吸血鬼としての性質が強くでてしまう夜がある。

そんな時は屋敷にいても集中力は欠片もないので執筆は無理。
なら気分転換にと街中を歩けば誰も彼もが美味しそうに見えてしまうので無理。
だからそんな夜はこうしてメグメール街道を一人で歩くのだ。

もし、抑えこめなくなっても不幸な事故で終わらせられる場所、不幸な出来事に巻き込まれても問題ない存在がうろつく場所、――吸血鬼としての疼きを渇きを潤せる場所、それがこの街道である、と少なくとも少女・少年は思っている。

そしてそんな日は薔薇の香気もいつもより濃い。
だってそれを欠かすと血の香りがしてしまうから。
出血しているわけでも他者の血を吸ったわけではなくて、魔力が溢れると同時に血の香りも香ってしまうので、それを隠す為に香気を強めに。

「んー………んー……ララー………ラララー………。」

気分は非常に良好、テンションはハイ・テンション。
今なら特別に眷属にするか否か悩んであげてもいいし、駒手いる人がいたら血の一滴で助けてあげてもいいし、何なら見逃してあげてもいい。

この時期には少し肌寒く見えるオフショルダーのワンピースから珍しく血色良い肌を見せながら、長いスカートの裾をひらひらと揺らして歩く様子は無防備にしか見えない。

歩く姿は高貴さの欠片もなく、ただ街の娘が散歩するような弾む足取りで、表情はいつになくニコニコと機嫌に合わせて花咲くような笑み浮かべ。


しかしそれは異様な光景である。
月が薄雲に覆われ、星の瞬き程度しかない宵闇の中を少女?が一人灯りも持たず歩いているのだから。

レヴィア > ――何事も無ければそれでよし。
無差別に血肉を食い荒らす事は好まないし、夜風で身体が冷えれば落ち着くに十分である。

うす雲が風に流されて、月の輝きが夜の街道を照らした時には少女?の姿はそこにはない。

名残はいつもより少しだけ濃い薔薇の香気。
それもまた夜風に吹かれて流されて……。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からレヴィアさんが去りました。