2023/09/24 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にカジャさんが現れました。
■カジャ > ――…真夜中、メグメール街道「まれびとの道」。
もう夜更けと言ってもいい時間であるが、各地から王都マグメールへ、王都メグメールから各地へ、旅立ち帰還する冒険者や商人と思しき人影が稀に行き来している姿が見える。
その行き来する者達の中に一際異質な人影があった。
傍目からみれば浮浪者か若しくは奴隷商人の下から逃げ出したとしか思えないボロボロのマントで顔も身体も隠した小柄な人影である。
それだけなら稀に見受けられる人影であるが、その人影は何の『匂い』もさせず、何の『息遣い』も感じさせず、幻か幽霊か視認する事は出来るが、視線を外し戻した時にはその人影は其処に居ず、暫くすれば視界の片隅に人影は見える不確定で、不安定で――…一際異質で怪しい存在だった。
これが日の高い昼間であればもっとそんな怪しい存在を気にした人間がいたのだろうが、今は真夜中、誰もが自分のことで精一杯であり、誰もその人影を気にする事が無かった。
カジャ、人間の負の感情を喰らって生きる呪詛の塊。
ただ今宵の個体はそんなに強い生命力を持っていない。
だからか、こうして不安定な様子で動き回り、獲物を求めている。
力づくでは叶わない、故に今宵の個体は搦め手を使う。
見る者の猜疑心を削り、庇護欲を煽る、そんな呪詛を宿した姿で、ふらり、ふらり、とコチラを気にかける人間を探してさ迷い歩く。
■カジャ > おぼろげな存在はふとした事で消えてしまう。
今はただ夜風が吹いただけ、吹いた夜風がローブの裾を少し撫でただけ、それだけで人影は霞の如き消えてしまうのであった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からカジャさんが去りました。