2024/07/15 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にハクさんが現れました。
ハク > 「……流石にちょっと、度胸いる、かな」

ル・リエーの水遊場、地上最下層である貧民・ミレー族用のフロアにドキドキしながら足を踏み入れた。
男女共用の脱衣所には仕切りもなければ鍵も簡易的なものしかない場所であり、またフロア自体も最下層であるため地面の高さと等しい。
なんなら眼の前にはセレネル海に流れ込む川――上層から流れてきた水が浄水されつつ垂れ流されているためか、端の方は柵になり建物の外に流出していくのが見える――まである。
上層を支えるための柱もあるため景観はいいとはお世辞にもいえず、また上層のせいで陽の光も直接入らないためやや陰気だ。
周囲を見渡せば眼の前にある50mのプールの他はトイレと、それを除けば芝生広場のようなものと先述の川がある程度。
よくいえば自然的、悪く言えば金がかかっていない最下層エリアではあるが……
それも相まってか、人気(ひとけ)は少ない。まぁ、だからこそまずここで試そう、と思ったわけなのだ。

「地下に行け、っては言われてないし……まぁ、言われたら行けばいいかな?」

最下層の脱衣所には監視用の水晶が設置されており、着替えの最中も施設の管理人は堂々と見る事ができると聞いている。
だから、逆説何も指摘がなかった事で堂々と胸を張った。

水着はいわゆるスリングショットと呼ばれるタイプのもの。
首裏に紐を回して首でひっかけ、体の前面に垂らした紐は薄い乳房の先端部分の申し訳程度の布地が張って乳首の形を浮かばせる。
その後また紐になって下半身に向けて伸び、股間の割れ目の所で親指の爪よりは広い程度の布で水着の体をなしている。
残りは紐が割れ目に食い込みつつ、終端はアナルプラグに繋がり尻穴の中に入り込んで固定されていた。
いわゆるAストリングスと言われる、後ろからみたら全裸に見えるタイプの水着だ。もちろん、ここル・リエーの水着売店でも販売されている。
ちなみにハクの場合は購入した場所はマグメール平民地区の淫具系専門店。娼婦仕事に使うような淫具の中にあったこれに、興味を引かれてつい購入してしまったのだった。
しかしながら流石にこのような露出癖用水着なんて身につけた経験は流石に無く――バフートではそもそも性奴隷として全裸で歩かされていたとはいえ、それは別カウント――、あえてシーズンにまだ入っていない、その上人が少ないここで試そうとやってきたのだった。

「誰もいない……よし、ふー……ん、まずは準備体操から」

流石に脱衣所のロッカー使用状態まで確認していないが、少なくともロッカーに人がいなかった事からプールにも人がいないと思って覚悟してきたものの……予想通り人が居ないのを確認できて安心し。
プールの水を軽く浴びて水温を肌になじませた後にプールサイドで体を動かす。
何度かジャンプし、I字開脚をしたり腰をおろして股割りをしたり。筋力こそないが柔軟性は高い子供の身体は準備運動も大胆に行って水着が変にずれたり食い込んだりしないことを確認していった。

ハク > 「よいしょっとっ」

柔軟体操も終えれば、まず目の前のプールサイドへ。
子供用といった専用プールはないため、深さ1.5m程あるプールにちゃぷんと音を立てて入る。
泳ぎは元々得意であったため、軽く足を動かして浮力を得たなら、プール内壁を蹴って軽く泳ぎ始める。
ここにもし娼婦としての客がいるなら可愛さアピールでもして犬かきをするが、別にそんな事をする必要もないのでまずは体力消費の少ない平泳ぎから。
すいすいとまず50mプールを横断するように泳ぎきって、反対のプールサイドに上がる。

「ん、よし」

水に濡れて細くなった狐尾を振りたくり、水気を飛ばしつつ耳も揺らす。
実際、このような毛が多いタイプの獣人……ミレー族扱いの自分の場合、公衆の水浴びができるのは九頭竜の水浴び場かここくらいなもの。
それ以外ではペットと同枠扱いされて水(湯)に毛が混じるから、と断られる事が多い。
特に富裕地区ではちゃんとお風呂に入れた事もないのに比べたら気が楽なもの。
まぁ、上層にもし入れたとして入ったら怒られる可能性も無くはないが。

「さて、じゃあもう一本っ」

気をよくして、尾を揺らしながら今度はプールに勢いよく飛び込む。
次の泳法はクロール。手足を大きく動かし、気持ちよく水を掻いて泳ぐのだった。