2025/05/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に孫伯さんが現れました。
孫伯 > 貧民街の通りに面した酒場。場が場だけに日中でも人の出入りはあるようで、しかし今は事実上の貸し切り状態。
普段は基本的に柔和である男が、珍しく眉間に皺を刻み、苛立たし気にカウンターを指が叩く。
そのカウンターには、けして少額ではないゴルドが積まれていたが、明らかにそれが不足している事に関する苛立ちなのだろう。

「気紛れに仏心を出してみればこれですか……。」

所謂、取り立ての類。決められた期日までに決められた額を用意出来なかった事へ憤りを見せれば、目の前の年老いた店主へと提示する。

「助けた娘か、或いは貴方の娘……は論外──か。孫娘なりに稼がせますので、呼びなさい。」

悪漢に拐された少女を助けたいと依頼し、無事取り戻したまでは良かった……
しかし結局、一度下り坂を転がり始めたら、行きつくところまで堕ちるしかなく。

店主が奥へ引っ込んだのは、娘を、身内を差し出すためか。或いは、誰かに助けを求めるためか。
一人になった所で、長い、長い溜息が零れる。それは罪悪感からか、それとも仏心を出した事への後悔か。

孫伯 > とある貧民街にある酒場。
その看板娘の姿がある日ばったり、また見えなくなったらしい。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」から孫伯さんが去りました。