2025/05/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にヴェスタさんが現れました。
■ヴェスタ > 夜の貧民地区のとある一角で、路地の横に元は何か建物があったであろう崩れた廃墟を雑に片付けて、やや広く場所を取った、と言うような場所で焚き火の灯りがゆらめいて。
その辺りに住む者達なのか、少々見栄えのしない格好の者や、もっとボロ布を纏った者や、逆に少し小綺麗にも感じる者や。様々な取り合わせの面々が、火を囲むように、或いは少し離れて残骸の壁にもたれかかり、各々の時間を過ごしていた。
「ああ、懐かしい歌だな。 何処で聞いたものだったか――」
路地からすぐの辺り、やはり崩れて丁度良い高さになっている元は石壁らしかった所に腰を下ろした黒い獣人男。
火の傍の何人かが、酒を飲み交わして盛り上がっているのか、暫し歌いながら笑い合っているのを目を細めて眺め、聴きながら。
何曲かめの歌が、妙に懐かしいもののように思えて、これは何の歌だったかなぁ、などと思いふけっていた。
路地を通る者達は、殆どがただ通り過ぎ、時にはこの一角へ目を向けて。偶には輪に加わっていく者が獣人男の横を通り過ぎ、或いは見るだけでまた興味をなくしたのか去っていく者達。
何気ない夜がただ流れていくのを、ただこうして過ごすのも、悪くないものなのだ。