2025/05/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にヴェスタさんが現れました。
■ヴェスタ > 突然の強い雨が、夜の街に風とともに吹きつけられている。
そのまま濡れて歩いても毛皮のおかげでどうと言うことはないのだが、服の方が水を吸って重くなるのは少々鬱陶しくもあり。
それよりも、小袋の中にある買ったばかりの食い物が水浸しになる方がよほど残念だから、通りから横へ入る小さな路地が丁度左右の建物の屋根のおかげで乾いているのを見つけると、そこに入り込んで一時待つことにした。
「ふむ……なかなかに美味い。塩だけと言うのがまた良いな」
袋の中からごそごそと、細く切った芋を油で揚げたものを、つまみ上げてもそもそと食べながら。
眼前の通りを、布を頭にかぶって小走りに走っていく者達や、もはや諦めてずぶ濡れでだらだら歩く者などが横切っていくのを眺めている。
時折、この場所が濡れないことを目ざとく察して駆け込んでくる者も居たが。黒くてでかい獣人と鉢合わせになるものだから、慌ててそのまま逃げる者、何か観念したようにじっと並んで暫し雨宿りと決め込んで、その後走ってまた出ていく者、色々だった。
別に、こちらから何かするわけでもないのだが、広いとは言えない路地の隙間で、謎の獣人男とじっと長居するほど肝の座った者はなかなか居ない様子。単に、さっさと急ぎで帰りたいだけなのかもしれないが。
■ヴェスタ > 「……おお、上がってきたか」
揚げ芋を食べ終わった頃、まだ完全に止んだとまでは行かないが、雨はだいぶ落ち着いた。
濡らしたくなかった食い物の袋ももう中身は空になった、ならばもう気にするほどでもなし。
ならば戻るとするか、と路地から顔を出し。
この程度ならもう、毛皮無しの人々でも雨具は要らぬだろうと言う程になっていた小雨の中を、宿の方へと歩いていく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からヴェスタさんが去りました。