2025/03/01 のログ
キーラ・コリンズ > コインが落ちたのを見れば、自分の席に戻りながらホッと一息。
こういうスリルを素直に楽しむのが、楽しく生きるコツだ。

「ちゃっかりしてたほうが世の中上手く生きれるってわかったからね。
それに、あんただってそういう場所、嫌いじゃないタチだろ?」

完全に当てずっぽうに言いながら、綻ばせる竜に軽く笑いかける。
そうして、彼の手番になったら腕を組んで見守り。

「そうかい。悪しき竜……っていう割には、と思うところはあるが。
そういうのは若気の至りって奴なのかねぇ?まぁあたしにとっては途方もない時間がたってそうだが。
あんたもしかしてエルダードラゴンレベルなんじゃないのかい?」

老練なその立ち姿や喋り方、出で立ち。雰囲気から。
まぁ、実際はどうなのかは全く分からない。単純に話のタネになるからと話題を吹っ掛ける。
ある意味、バーテンダーとしては必須の技能なのかもしれない。

「今はもうない貴族だったって言ったら信じるかい?
親が邪教にハマってて、娘はそれを無垢なままに信じる。
そして親に言われるがまま、より高位な存在になると言われる儀式をやって。
今じゃ、天涯孤独にこうして酒を飲んでいるのさぁ」

震える水面を見ながら、どこか遠いところを見つめるようにボヤき。
そうして、自分の手番になったのを感じれば、取るコインは一枚。
……ゆっくりと、その水面にその1枚を、慎重に落として……。
微かに、グラスから赤色がこぼれた。

TD > 意味含みにかそけく笑うだけで問にたいする明確な答えとしては何も応じない。ただ首を傾げてかくに言葉を繋げる。

「さて?誰にでも過去があり、それを経て現在が在る。思い返せばなんと愚かで狭量で井の中の蛙であったことか!と考えるが、当時においてはそれを正しいと妄信していた。君もまたそうかも知れないね、今の君を過去の君が知る事があれば、一体何と言うだろうか?まあ!?私がこんなふわふわの白い狼に!?バーの運営者だなんてとんでもない!」

台詞の終盤に至る頃には目の前に座り込んでいる相手の声色を真似て模倣するまでした。ぱたぱたと大袈裟な仕草で両手を掲げたポーズのまま、ワイングラスから溢れるその滴りを認める事になるのだろう。
指先を軽く押し当てて、グラスの側面を流れる葡萄酒の滝の流れを押しとどめつつ。

「…が、旧い旧い過去を鑑みるよりも今は近しき未来に視野を広げるとしようか。今回は君の敗けのようだね、貴き血統であり、そして今は呪われし狼のキーラ。グラスの中身を幾度呷った所で自らの選択を悔やむかも知れないが…これもゲームの勝敗。さ、このグラスの中身は君のものだ」

そしてつい、と、グラスの卓上についた底部分を指先で押すようにして相手側にへと静かにそれを押し遣った。
一旦のゲームの勝敗はついたがそれが全ての顛末であるとは限らない。この後においても対話を交わしながらコミュニケーションに興じる事になる。ゲームというのは言うなれば、そここそが肝であるのだから。
後の事については此処では語らぬ事としよう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からTDさんが去りました。
キーラ・コリンズ > くすくすと、目の前の老竜がおかしな真似事をし始めるものだからつい笑ってしまう。
思ったよりもずっとひょうきんな竜であることに驚きつつも、そんな姿が非常におかしく感じて。

「あっはははは!ちょっ!やめて!腹筋壊れちゃう!
あはははははっ!……はぁ、ふぅ……あたしの負けさね」

そう言いながら、押し出されたグラスを手に取り、コインが入ったままのそれを思い切り傾ける。
ごく、ごく、と喉を鳴らしてマズルニナが仕込み、ぷはっ、とした後。

「そうだねぇ。昔話に花を咲かせるのも楽しいけど、遊ぶなら遊ぶことにももっと集中するのも当然だね。
……選択はいくらでも悔やめるが、一生の悔みにはならないさ。
そういうゲームじゃないだろ?これ」

そう言いながら、ダイスを振り、さらに酒を煽るのだろう。
そうして彼女らがどこまでこの遊びに興じるかは……。
諸君らの想像に、任せて。

「ふへ……。たまにはゲームも楽しいもんだね」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からキーラ・コリンズさんが去りました。
ご案内:「貧民地区 / 娼館」にノア = セシルさんが現れました。
ご案内:「貧民地区 / 娼館」からノア = セシルさんが去りました。
ご案内:「貧民地区 / 娼館」にノア = セシルさんが現れました。
ノア = セシル > 賑わい始めた夜の通り、一件の娼館に 大きな大きな包みを抱え入っていく便利屋の女。酒場で知り合った娼館のオーナーに依頼され、女達のドレスを買い付けてきたのだった。一部売れっ子を除き ろくに衣装も持たず働く娼婦が多く、貸し衣装ではサイズが合わなかったり 好みのものがなく不満が多かったそうで。数日前一人一人採寸し、それぞれの顔立ちに似合いそうなドレスを数十着ほど選び。報酬は既に別で貰っていた為、釣り銭は依頼主に返すと

「 ︎︎買ってきたよ、着てみて。 ︎︎」

女達が集まる部屋まで包みを運び、中身を広げて見せた。“わぁ♡” と嬉しそうに歓声を上げる者や、“先に取ったのは私よ!” なんて一着のドレスを取り合う姿が見られれば、気に入ってもらえたようで一安心。元よりファッションや買い物が好きな女は、さっそく着替え始める女達を眺めながら ( こんな依頼ならまた受けたい ) と… 新たな商売を考案中。

その部屋は通りに面した窓が飾り格子となっていて、表からも見える待機所でもあり。きゃっきゃと楽しげに 色とりどりな衣装を身に纏う娼婦達の姿は、どの店よりも活気に溢れている。

ご案内:「貧民地区 / 娼館」にレグルス・ダンタリオさんが現れました。
レグルス・ダンタリオ > そんな娼館の近くを、一人の青年が歩いてくる。
格子となっている娼館へとふと眼を向ければ、なんだかひどく騒がしい。
何が起こっているのか、興味を惹かれた青年がその左右違う瞳を向ければ。
服の取り合い、だろうか。少々危なっかしいが、どの娼婦たちもとても楽しそうに見えた。

「……ほほえましいな」

そう、なんとなく。若い外見で、実際精神的にも若いのだが。
思わず年寄りのようにしみじみのその光景をぼやいて眺めていると。
……気のせいだろうか、自分が以前見かけた女性のような姿が見えて。
思わず目を丸くして、ごしごしと彼女の姿を見つめる。

「……(いや、別人……だよな?)」

素顔は直接見てはいない。とはいえ……特徴が似てる、と。
思わず青年は足を止めて、その格子の中をじっと覗いてしまう。

ノア = セシル > 『 ︎︎あら…… お姉さんと遊んでく ? ♡ ︎︎』

格子の仲を覗く青年に気付いた一人が、卸したてのドレスの裾を靡かせながら 色気たっぷりにウインクひとつ。“新しいドレス効果かしら♡” だの “ねぇ次はいつ来るの?” だのと沸き立つ娼婦達には、

「 ︎︎またオーナーにお願いしてみて。 ︎︎」

などと呑気に談笑。そろそろ彼女達も忙しくなる頃だろうからと 仕事の邪魔にならぬよう立ち上がった、その時 ─── 不意に、青年と視線がかち合って。随分と若そうな容姿に ( あんな若い子も来るのね、 ) などと視線を逸らしかけた けれど

「 ︎︎…………… 、 ︎︎」

何か、どこかで見掛けたような… そんな違和感につい、再び視線を戻し。そんな女と青年をきょろきょろと交互に見遣る 不服そうな娼婦の隣へ、思わず近付き飾り格子に手を掛けて

「 ︎︎あの……… どこかで会った、 ? ︎︎」

まるで、古臭いナンパの常套句じみた言葉を ぽつりと零す。後ろでは先程まで友好的だった娼婦達が “あら横取り?” “さっさと帰りなー!” なんて、楽しげに野次を飛ばしていた。

レグルス・ダンタリオ > 「あぁ、えっと……」

思わず話しかけられて、いちおうの手持ちは確認しようと懐から財布を取り出す。
湧きたつ娼婦たちをわき目に、(いちおうは買えるが)と中身を確認したが。
もう一度、顔を上げて見れば、格子越しに手をかけてこちらを見る、あの女性の姿。

琥珀色の瞳と、翠玉と紅玉の瞳が交差して。零されたその言葉は嫌に耳に残った。

「……会った、気がします。……えっと……」

若干のしどろもどろ。それは彼女の後ろにいる娼婦たちの飛び交う野次のせいで。
なんだか居心地が悪いような、なにかに追い立てられるような。
頬を搔きながらも、彼女の視線から目を離せずに。

「どうせなら二人きりに、なりたいかな。なんて……。
 その……いくら、ですか?」

と、琥珀の女に、青年は格子越しに、少し青年より高い位置にある娼館は。
背丈的には青年のほうが高いはずの彼女を、見上げる構図となっていた。

ノア = セシル > “あった気がする” と零れた声、そして何より、こちらを見上げる翠と紅の瞳に ──

「 ︎︎ぇ、 ………レ ───── ─ ︎︎」

まさかと思い、しっかりと記憶に刻まれていた名前を口にしかけるも… “そんな女タダでいいわよ~” “さっさと連れてって頂戴” “営業妨害だわ” なんて野次に、女の声は掻き消されて

「 ︎︎………… っ、 ︎︎ ︎︎違うの、ちょっと待ってて。  ︎︎」

女を買おうとする青年に、思わず小さく吹き出した。くすりと肩を揺らしつつ、一度格子からは見えぬ所へ。少し部屋を借りても良いかとオーナーに頼み込めば、入口から ひょこっと顔だけ出して手招きを。

「 ︎︎こっち。 ︎︎」

青年が素直に歩み寄るならば、オーナーに案内されて空き部屋へ入ろうと。ただ、青年からすれば いくらなのかも答えてもらえぬまま中へ手招かれ… その手招きには、少々躊躇するかもしれない。

レグルス・ダンタリオ > 「……」

一瞬、何かを言いかけた彼女の声が、娼婦たちにかき消されたので首を傾げる。
いったい何を言いかけたのか、もう一度耳を澄まそうとするが。
彼女は格子の奥へと向かって行ってしまい……。
まぁ、やっぱりただの別人なのかな、と思って踵を返そうとしたが。

「えっ?」

と、入口から顔を出した彼女のを見て、戸惑いの声。
手招きをされれば、少し目を左右にキョドらせたあと、おずおずと足を向けていく。

「あの……?」

驚きつつも、その手招きのままに、彼女と共に空き部屋に入ろうか。
あの時のように仕立てのいい服を着た青年の素顔は、マスクで見るよりもずっと幼く見えるか。
体格や身長はかなりあるが、その雰囲気は青年というより少年のようである。
躊躇いながらも、空き部屋の中へと入って、ブーツを脱いだ。

ノア = セシル > 二人を案内するオーナーは “特別ですからね、うちは宿屋じゃないんですから…” なんて弱った笑みを女に向け、そんなオーナーに感謝を述べつつ部屋に入ると

「 ︎︎………レグルス、 ︎︎でしょ ? ︎︎」

マスク越しに見るより 更に若さの際立つ顔立ちを、覗き込むように見上げながら。その声に、瞳に、背格好に、確信を持って再び名前を呼ぶ。その表情は、予期せぬ再会に ふわりと柔らかな笑みを浮かべていた。

「 ︎︎言ったでしょ、便利屋。 今日はその用で来てたの。 ︎︎」

とりあえずは、ここで働いてはいないことを伝えて。野次る娼婦の言う通り、この時間は “タダ” であると答えておこうか。

レグルス・ダンタリオ > なんとも味わい深い笑みを浮かべるオーナーに頭を下げて、部屋に入っていく。
完全に二人きり、あの時のように周囲には誰もいない空間。
少しばかり肌寒いのは、ここの暖炉が着いていないのもあるか。

「はい……じゃあ、やっぱりノア、さん?」

不安になりながら、名前を呼べば、柔らかな笑みを浮かべる彼女の姿。
間違っていなかったことに安堵を覚え、ため息を一つ零す。

「そうだったんですね。じゃあ、仕事か……びっくりしました。
 てっきり、その……こういうところでも、副業かなにかで働いていたものかと」

申し訳なさそうにそう告げて、部屋の中にある椅子に座ろう。
娼館なだけあって、二人で過ごすようにいろいろあるのが今は助かった。

「時間とか、大丈夫なんですか?オーナーさんは少し困ったような笑みを浮かべてましたが」

ノア = セシル > 貴方がブーツを脱いだのを見れば、女も続いて靴を脱ぎ。ヒール分の高さが差し引かれ、パーティー会場で出逢ったあの日よりも低い所から視線を送り

「 ︎︎そ、 あの日マスク越しに会ったノア。 ︎︎………やっと会えた。 ︎︎」

確信は持っていたものの、改めて貴方があの日の青年だと肯定されたなら嬉しそうに目を細め。人差し指で貴方の胸元を柔く突っつきながら、揶揄うように ゆるりと首を傾げて

「 ︎︎まさか “こんなとこ” で会うなんて、ね ? ︎︎」

年頃の男の子な訳だし、家柄も良さそうで お財布事情的に充分遊べるのだろうけれど。予期せぬ場所で再会を果たせば、ほんの少しだけ意地悪を。そうして女もまた椅子に腰を下ろし 脚を組んで座ると、どこの店よりも楽しそうな待機所を思い出し… まだ空き部屋だらけだろう と、呑気に笑って見せた。

「 ︎︎大丈夫よ、あんなに待機してたし。 ︎︎ ︎︎……それで、
 ︎︎ ︎︎どう ? ︎︎夢は見つかった ? ︎︎」

あの日から それほど経っていない、まだ見つかっていないかもしれないけれど。ちら、と貴方を見遣り訊ねてみる。

レグルス・ダンタリオ > 「えぇ……やっと、ですね」

そこまでの期間は経っていないはずだが、不思議と長く空いた気がする。
その間に、彼女はどんな経験を積んだのか。あの時よりもまた顔つきが少し変わっているように見えた。
胸元を突っつかれると、困ったように後ろに軽く仰け反ってしまう。

「あ、はははは。たまたま通りかかったら、とても楽しそうな遊女たちの声が聞こえたもので」

そんな意地悪に、少しばかり困った笑みを浮かべながらあそこにいた理由を話して。
吞気に笑う彼女の姿に、自分も少し深く考えすぎかと思って肩をすくめた。

「……いえ、残念ながら。まだ夢らしい夢を持てずにいます。
 それほど経っていないというのもありますが……いや、時間は言い訳か。
 結局のところ、探して見つかるものじゃないから気長に待つのも手かなと思って」

目尻を下げながらそう告げて。足を組む彼女の姿を見て、少しばかり頬が赤らむ。
改めて正面から素顔で見られれば、なんだか恥ずかしい。

「諦めかもしれませんが、それでも前に進めるようにはしています。
 いつか、と言うのはネガティブに聞こえるかもしれませんけど。
 転ぶのが、今は怖くて」