2025/02/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にレトさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にレヴィさんが現れました。
レト > 昨今の治安悪化は留まるところを知らない。
盗難や軽犯罪ならば平民地区でも少なくない頻度で役場へ被害届が出されるが殺人に至るケースは稀。
しかし行政の監視が遠のきつつある貧民地区では衛兵程度で到底太刀打ちできない勢力が根を張っている。
もちろん騎士団の派遣など期待できないので、腕に覚えはあるが戦争はゴメン というレベルの人材を雇うほかない。

「今回採用した人はこの辺りに詳しい って話だけど……。大嘘ついてバックレる奴もいるからなー」

馬車が停まる看板つきの街灯近くで、立ち話をしているのは数名の衛兵。
男を含め、10代~20代程の若い者ばかりだ。新人冒険者のパーティにも近しい雰囲気かもしれない。
そこで話しているのは、上が採用したという今回の用心棒的存在。
運よく適性のある冒険者を雇えたので、ほっとする者もいれば過去のバックレから期待しない者まで。

今まさに向かっているであろうあなたにとっては見慣れた街並みと、どこか殺伐とした危険な香りのする貧民地区。
そこではやや浮いた平和ボケしている雰囲気の衛兵たちが人を待っている風にきょろきょろ辺りを眺めている。

レヴィ > 全体的に治安がいいとは言えない場所が多い王都。
内容は様々ではあるが、それらを衛兵では取り締まれない事も多々あり。
それゆえに冒険者が見回りなどで雇われることもあり、その手の仕事は実入りもいいので受ける事も多い。

そしてこの日はその地区の商店組合などではなく、衛兵が雇い主。
見回る場所は出身地と言っていい貧民地区なので、雇い主に不安はあるが大丈夫だろうと考え。
待ち合わせ場所にと向かえば、そこには若い年齢の衛兵が数人、恰好が統一でなければ冒険者だと勘違いしたかもしれず。
それはそれとし、今回の雇い主たちを見つければ近づいていき。

「お待たせ、雇い主の一団でいいよね?
今日はよろしくね」

衛兵の格好をしていなければ既に襲われていそうな平和ボケをしている一団に声をかけていき。
人目を気にしていないような格好で笑いかけてはリーダーは誰かなと見まわしていく。

レト > 「あ、来た!あの子だな。こっち向かってる」

華奢なシルエットの少女が近づいて来るのを視認すれば、あっちと指差す。
雑談に花が咲き始めてた数名の衛兵も一斉に指差した方向を見れば、鮮やかなポニーテールの少女が声をかけて来る。

『お疲れ様です!!!』

未熟さは感じるが、腐っても街の治安を守る衛兵たち。
一斉に横並びになって、背筋を伸ばして今回の助っ人へ元気のいい挨拶を行う。

「どもっす。危ない依頼なんで人に困ってました。一応、責任者のレトです。
 今回は頼みましたよ」

けだるそうな目つきをしている、一日経てば顔を忘れそうな平々凡々とした雰囲気の男が軽く頭を下げて名乗る。
現れた少女の物怖じせず肝が据わってるようにも見える振舞にはひとまず安心。

「一応大丈夫と思いますけど、撤収時刻までの間は何もなくても付き合ってもらうので。
 ただ歩くだけで終わるかもしれませんけど、よろしくっす」 

レヴィ > 「うんうん、元気がいいね」

声をかけると元気のいい挨拶を返してくる若い衛兵たちに感心したように見返し。
衛兵の印象はやる気がなく、いきなりに因縁を吹っかけてくるという事が多いのでいい印象は少ない。
しかしこうした元気よく真面目といえる姿を見ると嬉しくなってしまい。

「君が責任者なんだ。私はレヴィ、よろしくね。
この辺りの巡回をさせられるなんて付いてないね。
けど、私がいれば大丈夫だし、安心していいよ」

責任者を名乗った男を見れば、けだるげな眼が印象的ではあるが何故か直ぐに顔を忘れてしまいそうに思え。
ただ責任者を任されるだけの能力か統率力があるのだろうとみて。

「そう言う依頼だし大丈夫だよ。
けど……どうしてもやばい、あれは駄目って時は逃げるように言うよ?
数が居てもどうにもならない事があるから、ここはね。
でも、今回の範囲なら大丈夫だし行こうか」

最も今回、聞いている巡回する範囲ではそんな危険人物や、問題は起きる場所はなかった。
それを除いても撤収時間まではきっちりと依頼を遂行すると決めている。
なので早速出発しようと言っては案内、そして警戒も込めて先頭を歩きだす。

レト > それなりの経歴を積んだ衛兵ともなれば、段々と悪い意味で慣れや手の抜き方が身について来る。
まだまだ若手の衛兵は仕事もしないのにやたら厳しい上官のシゴキを受けて良くも悪くも真面目だ。

「レヴィさん、よろしくお願いします。
 そうなんです、荒事に慣れた年長の人は富裕地区のお祭り騒ぎの警備に持ってかれました……」

ついてないね との言葉には、深々と頷いて。
絶対に安全であろう富裕地区であわよくば酒宴に混じってるであろう年長者たちが恨めしい。
思わず愚痴が始まりそうだったが、心強い言葉を受けて一同が『ありがとうございます!!』と元気よく返した。

「それでお願いします。うちらの間でも、絶対に何があっても入るなというエリアは共有済みです。
 とはいえ、路地裏とか入ると迷路みたいだから知らずに迷い込むのが怖いとこですね。
 行きましょうか」

命の危険が絡むとなれば、不真面目な男も自分の身を護るためにも気が引き締まる。
他の衛兵たちともアイコンタクトを取り、全員準備完了の確認が取れれば後ろに続いて歩いて行く。
物騒な雰囲気をものともせず、先導していくあなたの姿に頼もしさを感じる者もいれば

(……こうしてみるとすげぇ恰好してるな。ああ、軽装で偵察とかするなら鎧とか邪魔か)

顔合わせの時点で見えていたレオタードのような形状の装いに、視線が引き寄せられる。
あなたの恰好に気を取られているのは自分だけではなく、

『あいててっ!ゴミ多すぎだろ……』

ちらちらと後ろ姿に夢中になってた若い衛兵の一人がさっそくよそ見をしていたせいで、
跨いで避けなければいけない倒れたゴミ箱につまづいた。
警戒心も集中力もあったものではない。

レヴィ > 正直向かった先にそれなりに年を食った者か太々しい態度を見せる衛兵がいれば、依頼放棄も考えていた。
そう言う衛兵が雇い主ならば巡回は建前、適当な場所で襲われる事がほぼ確定といえるので。
しかし礼儀正しい姿を見れば、それはないだろうと考えて。

「あー…、あっちにね。あっちだと酒に料理って楽しめたのにね」

年長は富裕層にと聞けば、改めてここに居る衛兵の一団はついていないといえる。
あちらなら危険はまずなく、そのうえで酒や料理、それ以上も楽しめる可能性があっただろうにと。
しかし、最後まで付き合うといえばお礼を元気よく返す姿に真面目っていいなとみてしまい。

「それなら大丈夫そうだね。
入るときは絶対に私に声をかける、逸れないようにする、団体行動を守れば大丈夫だよ」

前もって危険エリアの共有も済んでいるなら男たちは無事に戻れる。
気を引き締める一団に、それでも入る必要があるときの注意を告げては歩き出すが。
服装やお尻に感じる視線に、真面目でも男だよねと見えない様に苦笑をこぼしてしまい。

「あ、気を付けないと怪我するよ。質が悪いのだとそんなこけたごみ箱一個でも難癖をつけてくるよ」

今回倒れているごみ箱はそういった物ではないが、そう言うのもあるよと説明し。
貧民地区とはいえまだ人通りのある道を衛兵の一団と歩くのは目立つので普段問題を起こすような連中は顔を見せず。
このまま巡回ルートを歩いていくのも良いが、脇道が多い場所に差し掛かれば、覗いていくか、気にせずに進むかと伺うように男に視線を向けて。

レト > 上の不始末や横暴の尻拭いを下がやらされる構図は果たしてどこでもそういうものなのか。
この場に居ない上官をぼろくそに人格否定するのは容易いが、来てくれた助っ人に気を悪くされるのは本意ではない。
言いたい事は無限にあるがグッと堪え、「すいませんねえ」とやんわり謝罪。

「お願いします。住民から何か言われた時は自分が対応しますので」

この辺りの貧民は絶え間なく続く飢えや暴力の気配に日々精神を削られている。
些細な刺激や、時にはいわれのない理由で絡まれる事は少なくない。
数でまとまっていればいいが、個人になれば途端に暴言を浴びせられる頻度が増える気がしなくもない。

時々見える浮浪者や、老いた住人を見ては大変そうだと憐れむも、今はお悩み相談が出来る時ではないのだ。
あまりはっちゃけすぎず、とはいえ殺伐とし過ぎない程度に小話も交えながらそこそこ良い空気で行動できていた。

「おいおい、集中しろって」

つまずいた衛兵に振り向けば、何やってんだか と呆れ顔で。
ぺこぺこと頭を下げて、すぐに隊列へ戻ってくる若い衛兵も『すいません!』と早口気味で謝罪。
正直こちらも思わず見てしまいがちだったが、後ろの同僚のやらかしで気を引き締め直す。

「あー……この辺かぁ。スルーで行きましょう。
 レヴィさんは心配要らないと思いますけど、自分らが足引っ張るかもしれないです」

正直に、今の人員では非常事態への対応が難しいのでリスクは避けたいと申し出る。
本当なら隅々まで見回るのが筋だが、荒事となれば不慣れな環境と経験不足からあまりに危険と判断し。

レヴィ > 「その時はお願いね?でも、大丈夫だと思うけど」

貧民地区となれば貧困のせいで明日の生活も厳しい者が多数いる。
当然、飢えや暴力は当たり前、酒場で屯している連中すらも明日の金を持って居ない事は多い。
そんな中に衛兵が歩いて居れば憂さ晴らしに絡もうとする者もいる。
自分は貧民地区は地元ではあるが、ある意味脱出できた成功者なのでやっかみを買う。
一人ならさっさと去るが、今はそれもできないので団体行動を告げながらも自分も衛兵一団で身を守っていて。

衛兵の一団が冒険者を連れていれば問題を起こすものは隠れ、逆に浮浪者や食うに困る住人がお零れを狙い顔を出してくる。
しかし一人に構えば皆が押し寄せてくる、声をかけようとすれば止めるのだが、その様子がないことに安堵し。
衛兵たちの醸し出す空気も悪いものではなく、遠目に見られるだけで危害を加えようとする者も現れず。

「レト君の言うとおりだよ。変な怪我をしちゃうよ?」

注意をする男に続き声をかけ。
直ぐに隊列に戻る若い衛兵に怪我がないかの確認をするように告げ。
もしごみ箱が錆びており、それで怪我をしていれば治療をしないといけないこともあるからで。
そして責任者の男の他の衛兵を見ている姿に良いチームに思えて。

「だね、私は別として皆にはきついかも。
じゃ、ここはスルーでいくよ」

視線の問いかけにリスクを避けるという言葉に頷き。
それに脇道の狭さで衛兵の武器では戦いにくいのもあり。
その言葉にそうしようと返しては脇道は無視して巡回ルートを進んでいく。

レト > その日暮らし、それも今日生きるか死ぬかの瀬戸際に追い込まれた者はなんだってする。
装備や金目の物を奪って銭代わりにする為か、或いは自ら牢に放り込まれる事を望んでか。
獄中でも寝食が用意されているとは限らないのに、嘘かまことか富裕層の犯罪者の待遇が独り歩きしたのだろう。

「まあ……上の人達が滅茶苦茶した分の逆恨みがこないの願うばかりです」

信じられない話だが、壮年の衛兵が住民にカツアゲを行ったり邪魔なので暴行を加えたという噂もある。
そんなまさかと現場を知らぬエライ人は信じなかったが、山賊や無法者とほぼ変わらない暴力性の持ち主。
よく知る若い者たちからは、恐らく事実だろうというのが共通認識。
とはいえ命の危険が絡めば、自分達もそうせざるを得ない場面があるのかもしれないが。

『は、はい!足元に気を付けます……』

周りにも気を付けろよ とすかさず男はツッコミを入れる。
不慣れな土地とはいえあまりに不用心だ。
しかしチームワークには優れているようで、道中も衛兵同士で散乱の激しいゴミに注意を呼び掛けたり連携をとっている。

「それにしても迷いなく進んでいくな。平民地区かよってぐらいだ」

男の顔にも少しずつ余裕が生まれていくが、危険地帯ということを忘れてはいけない。
衛兵が転んでしばらくは気を引き締めてた若者たちだが、あなたの頼もしさに少しずつ甘えや油断が。
日没が近づくほど危ないのだが……

レヴィ > この辺りは貧民地区とはいえお行儀は良い方。
もう少し奥に行けば食うに困れば衛兵を襲い、女が欲しければ貴族でも襲うような住民も出てくる。
そして審議のわからない噂を信じて馬鹿を行うような住人もいるので警戒は必須となっていく場所であり。

「それは私も願うよ。酷い衛兵もいるんだよね」

衛兵が市民に因縁をつけ暴力を振るう、カツアゲをするのも場所次第ではみられる光景。
貧民地区では金銭の代わりに強姦をされるという事もあるので、恨みを持つものも多い。
住人からすれば場所によっては衛兵と犯罪者は同等の扱いも多く。
この若い衛兵たちがそうならないことを祈るばかりであり。

「貧民地区を歩くときは、最初に足元、次に頭上に注意を忘れないようにね」

男の突っ込みに付け加え、特に危ないものが多い場所を説明。
チームワークはよいが不用心さが目立つ行動、それを連携でどうにかしている姿は、冒険者のほうが向きそうに見えて。

「この辺は地元だしね。でも奥はこうはいかないよ。
それにこの辺でも危ないのはいるし……ひゃ!」

何かあれば気を引き締める若い衛兵たちも何もなければ油断をしていく。
そして暗く成れば危険も増していくことを話していれば、道の脇に座っていた浮浪者の手がお尻に触れた事に驚きの声を上げ。
その直後に振りぬかれた足が浮浪者を一撃で伸し、危ないからねと赤い顔で念を押して。

レト > 酷い衛兵 その言葉には心当たりがあり過ぎて衛兵一同が全員、うんうんと深刻にうなずいた。
気の強い老人からは真昼の平民街で、うちらの税で好き放題してくれて と公開説教を喰らう事さえある。
完全にもらい事故なのだが、暴力に頼れば本当に上の連中と一緒になるので泣き寝入りばかり。

そのせいで、若くして辞めてしまう者も多いので常に人手不足でギルドへ求人を出すのはもはや恒例行事だ。

「流石に問題になったら上が飛ばされて違う人が来るんですけど、その新しい人も……。
 まあ運次第というか……」

言葉を濁す男。前の上官の方がましだったと思えるような、更なる邪悪な人物が異動してくる事もある。
ひたすら嵐を過ぎるように耐え忍ぶしかない。
噂では、失脚した問題のある衛兵が貧民地区の荒くれものに加わったという噂もあるが、本当かもと思えるのが怖い。

「頭上……富裕地区だと腕利きの殺し屋が屋上から狙ってるとか聞くけど、
 この辺でも……うぉっ!!!」

なぜに頭上? と男は訝しんだが、富裕地区での狙撃事件を思い出し我に返る。
支給品のメットは投石程度なら跳ね返すが、鎧を貫く弓となれば恐らく自信はない。
公職なのに、エライ人が横領したり色々悪用したせいで予算もケチられておさがり品ばかり。

げんなりしていたところで不意に高い悲鳴が。
一斉に振り向けば、そこには格好の的となるであろうあなたへ触れる薄汚い浮浪者。
男たちが武装するより先に、浮浪者は渾身の蹴りがクリティカルヒット。

少女の悲鳴より一際壮絶な野太い悲鳴の後、成人男性の図体が家屋の壁へ叩きつけられる音に一同は戦慄する。
悶絶してうずくまり『てめーら……覚えとけよ』と身を震わせてあなたを物惜しそうに見つめたままだ。

「……あー、……いますよね。ああいうの。
 っと、いつの間にかこんな時間か。レヴィさん、撤収しましょう。人気の多い場所に近い道はありますか?」

危ないからね そう告げるあなたの言葉には、こくこくと頷く。
衛兵同士では暗に、安易に手を出せばこうなると脅されたようにも感じて緊張感が戻るのであった。
幸か不幸か、汚い手で触れられる程度のハプニングしか起こっていないが、そろそろ空の隅が暗い青に染まり始めてきた。

レヴィ > 酷い衛兵、その言葉に全員が頷く姿に噂は真実とよく分かる。
実際に衛兵を嫌うものは平民地区でも多く、商売をしている者は特にかもしれない。
きっと彼らはそのとばっちりを受けているのだろう、そう思えるほどに深刻に頷くのを見て。

「なんていうか……全員で冒険者になるのはどう?」

若い衛兵たちの様子を見れば、思わずにそう進めてしまうのは仕方なく。
冒険者なら嫌な先輩は居ても上官ほどではないだろうと思え。
むしろそんな上官の下で働けていたなら、いやな先輩程度は気にしないかもしれない思え。
荒くれや犯罪者に妙に衛兵のことを知っている者もいるのを思い出せば、ドロップアウトもいるのかなと。

「上からいきなりレンガを落とされたりもあるんだよ」

例え兜があってもレンガが勢いよくぶつかれば致命傷にもなりえる。
それを注意したのはよかったが、気を抜いていたつもりはないが自分が手をだされた事に悲鳴をあげてしまい。

その犯人は反射的に蹴り飛ばしてしまい対応したが。
完全な逆恨みの言葉に睨みつけて返して。

「いるよ、何処にでも……。
あ、もうそんな時間なんだ。それならこっちだよ」

脅したつもりはないが結果的な事を見せてしまい。
そのことで緊張感が戻ったことはいいことではあり。
撤収しようといわれ、近道を尋ねられると浮浪者から離れるようにして道の反対に。
そこの路地を抜けていけば最初にあった場所に付けると説明をしては先に路地に入っていく。