2025/01/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娼館通り」にシェラグさんが現れました。
■シェラグ > 娼館通りの小さなスペースに立つテントは、今日ももうもうと湯気を立ち上らせていた。
その中で鍋をかき混ぜている一匹のミレーは、満足げに額の汗を拭いながら頷く。
「よし、ローションの準備はOKね。」
漏斗を使って小瓶にローションを分け注ぎながら、次々と運搬用容器に
詰めていく。
最後にその容器を手にテントの外に出れば、商売の準備は完璧だ。
シェラグの準備が終わったと見るや、娼婦・娼夫がわらわらと群がって来る。
シェラグの作るローションは、マーグメルで一般的に流通しているものとは異なる。
より体に優しいこともあって、春を鬻ぐ商いをする面々には好評だった。
『やあ、シェラグ。 一本もらってくよ。 まだ女の子になりきれないの?』
娼婦からかけられた相手の言葉ににっこりと笑って、自分の股間…
小さな小さな膨らみを指差す。
「女の子になっちゃったらあなたの一夜を買えないでしょ?」
『アタシはどっちでもいけるからいいよ。今度お店においでね!』
「安くしてねー」
のんびりした会話を交わし、彼女も含めた娼婦たちは、
片手に小瓶を持ってお店に戻っていく。
「うーん…でもなんとかしたいよねえ。」
マグメールとは異なる場所で生まれたシェラグは、
出身部族の女神の加護を受けた男性である。
その影響でたわわな乳房と女性的な肉体を持つが、”一応”男性だ。
手で乳房を持ち上げると、柔らかくもずっしりとした重量が返ってきた。
■シェラグ > 第一波のお客さんに対応しきったのを確認し、テントの中から
運搬容器を持ってくる。 それを見た娼婦たちとやり取りしながら
小瓶を引き渡す。 お店がわかっている人たちに対しては、
後でお店に空ビンと費用を回収に行く寸法だ。
一方、現金でやり取りをするお客さんもいる。
例えば小さすぎて潰れる危険性がある娼館や、娼婦が個人で買う等のものである。
幸いにして、一般的なそれより少し高いだけで買えない程度ではないので、
そういったお客さんにも需要がある。
「はーい、いらっしゃい。 今日は大きな娼館が流行り病で休みらしくてね、
ちょっとだけ増量するから、よかったら持っていってよ。」
サービスも大事だ。 どんどんと売れる小瓶、そして小銭。
なかなかに良好な売れ行きであった。
人がはけてくると、ちょうど鍋の中身も空っぽになる。
テキパキと後片付けをしてから、テント内に簡易ベッドを敷いた。
自分が客を取ることもある。 最も、取らなければ”普通に”ベッドとして使うだけだ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娼館通り」にクロスさんが現れました。
■クロス > (貧民地区の娼館通り
様々な種類の店が並んでおり、時には万人受けの普通の店、時には以上性癖者向けの過激な店など種類は様々な。
そんな街も今日は人通りが少なく感じていたのだった)
「最近、病やら何やらで店がどこも閉店だなぁ…?」
(道を歩く一つの影、クロスは立ち並ぶ店を眺めながら歩いていた。
何処の店の扉にも「close」の立て札があり、同時に休業についてのお知らせが出されている。
そのせいで訪れる客も少なくなっているため、いつもとは違う風景に違和感を感じてた。)
「こりゃ、今夜はあんまり期待できねぇかもなぁ…あ?」
(大人しく帰ろうかと思った矢先に人込みを見つける。
一つの小さなテントに群がる娼婦や娼夫らしき者たちが小瓶を買っている様子が見えていた。
何かの精力剤か?と思いながら鼻を動かす。
変わった香り、薬ではない匂いに心当たりを思い浮かべながら同時に香ってきた見知った匂い。
その匂いを感じ取るとしばらく考えた様子を見せて客足を眺めることにした。)
「…すまんが、俺にも一本売ってくれるか?」
(しばらくして客の数が少なくなったタイミングでテントの中に入ろうとする男。
感じ取った匂いが自分がよく知る相手の匂いだと気付き、人が少なくなった所を狙って顔を見せに来たのだった。)