2024/12/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にオウルさんが現れました。
■オウル > 右耳を澄ませば酔っ払いの喧騒。
左耳を済ませば娼婦の姉さん方の客引きの声。
今夜も何時も通りか何時も以上に騒がしい貧民地区。
その喧騒に混ざりたくても混ざる金もなし、もっと言えば混ざる暇もなし、少年は貧民地区の見回りの仕事に邁進している。
「ったくさー………いいよなぁ?金のある奴らはさ。」
金があれば貧民地区で生活なんぞしたくない。
平民地区で極々一般的な暮らしをしたい。
それが目標であるがゆえに盛大に愚痴をこぼし、こぼした愚痴を飲み込むように「おっと」と口を押えて苦笑いをする。
貧乏暇なし、俺は金なし。
どっちも意味もまあ同じである。
眼帯下の異形の瞳も裸眼の人間の瞳も細めて、どこか遠い目をする。
今は『ギルド』の仕事ではなく、冒険者ギルドの仕事。
愚痴をこぼしても聞かれなきゃいいし、何ならサボってもバレなきゃOK、『ギルド』と違って監視もないのんびりとした空気の中で、平民地区と貧民地区の境の路地を歩く。
迷子がいれば確保して目的地へ案内を。
指名手配の人間がいれば笛を吹いて仲間を集め、喧嘩が起きていれば仲裁を、何てなんにも起きなければ簡単な仕事なのだ。
今夜は何も起きなさそうだ。
あとは時間が過ぎるまで適当にぶらぶらしていよう。
少年の1日はこうして終わるのだった。