2024/08/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に枢樹雨さんが現れました。
枢樹雨 > じきに日付が変わろうとする頃の貧民地区。
随分と寂れた公園のベンチに腰掛け、小振りな酒瓶を眺めている人影がひとつ。
しとしとと静かに降る雨をしのぐ為、おおい茂る木々の下に在るベンチを選んでいるのは人間らしい判断か。
けれどどこか鬱蒼とした雰囲気が、夜闇の寂れた公園においては少々不気味かもしれない。

ゆらゆらと、透明の瓶の中で揺れる液体は、ロゼワインを思わせる色味。
透明度の高い赤のそれをしばし見つめた後、少々苦戦しながら栓を抜いた妖怪は、両手で瓶を持って直接口許へと運ぶ。
ちびり、ちびりと、控えめに瓶の中身を味わい、そうしてゆっくりと瞬き。

「――おいしい。」

小さく零れた声。長い前髪の下で見開かれる蒼の双眸。
しゃんと背筋を伸ばし、異国の衣装に身を包んで酒瓶を傾ける様は些か異質か。
否、この地区においては珍しくもないのかもしれない。
よくよく冷えているからこそ、じっとりとした外気の温度に雫滲ませる酒瓶。
其れを両手に持つまま再度口元で傾け、透き通る赤の液体をゆっくりと味わう。
零れる吐息は満足気に、そして酒精を帯びていて。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカミュさんが現れました。
カミュ > 貧民地区での仕事を終えて帰る最中の男。
しとしとと降る雨は男が周囲にまとう風の膜によって傘もささずに鬱蒼とした雰囲気の公園を歩くのは近道でもあるから。

そんな中ふと目に入るのはベンチに腰掛ける人の姿。
興味を持って見やればそれは見知った人物で。

女性が瓶から口のみで飲むというなかなかに大胆な飲みっぷりに小さく笑い。

「こんばんは、お久しぶりですね枢。元気にしていましたか?」

等と声をかけながらそちらへとゆっくりと足を進め近づいていく。

枢樹雨 > 静かなれど、雨音と言う結界が外音を遮断するかのような状況。
手入れなどされていない木々は鬱蒼と覆い茂り、まるでベンチに影を作って隠すかの様に枝葉を伸ばしている。
故に気が付かなかった。誰かが近づく気配に。
声をかけれてやっと、気が付き顔を上げた妖怪は、見知った貴方の姿にひとつふたつ瞬きを。
前髪の下の其れは貴方から伺えないかもしれないが、半分程に減った酒瓶は口元から離れ、胸元まで降ろされて。

「カミュ……。うん、元気にしているよ。…君は、あの大きな建物の外に出るんだね。」

貴方と出会った場所。そして会いに行った場所。
どちらとも随分違うこの場所で貴方に出会うこと。それに驚きの様子を見せる妖怪。
相も変わらず淡々と抑揚のない声ではあるが、言葉尻からその驚きは伝わるか。

近づく貴方へ左の手を伸ばせば、その白い指先は酒瓶の雫に濡れていて。

「雨、降っているよ。濡れてしまう。」

雨から逃げる様に駆け込んだこの木陰。
傘も外套も身に纏う様子の無い貴方の右手を掴み、此方へ引き寄せようとする心算で。