2024/08/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > みーんみんみんみんみん、しゃわしゃわしゃわしゃわ…
陽炎立つ程に茹る熱波の見舞われた王都の一角、蝉の声が騒々しい。
何故って此処は余りあばら家も無く、その代わりに夏の植物や木々が群生しているから。
地中からようやく出て来て羽化したので皆子孫を残そうと必死なのだ、命の叫びなのだ。
「みーんみんみんみん」
30db以下の迫力も気合も無い声。
模倣の音声を追いかけさせながら貧民地区を行く。
熱火の炎天光を避けて彷徨っている内に辿り着いたのが此処。
木陰の中にへと避難して行く、汗だくでふらふら、汗腺から水分と塩分が逃げまくり顔付がげっそりとなる。
■テンドン > 「あつ……地獄か?こんなのもうオーブンの中じゃん」
夏真っ盛りの直射日光を浴び続けて力なく垂れ下がった尻尾が生い茂る雑草のカーペットの上に引きずられる。
余り人気のない。他の肉体労働に励みまくっているおっさんやにいちゃんの集まりの無い場所を選択。
静かに休めそうな場所にへと引き寄せられていく。
でっかい大木が聳え立っていた。その根元が良いだろう。木漏れ日すらも少ない陰に入る。
「焼き上げられるパン君は何時もこんな感じなんだろうね、よよよよ」
とすんと向けた背中を樹の肌に任せるようにして腰掛ける。
両足を伸ばした、ぐい、早朝から昼まで地獄のマラソン(長距離走)をやっていたので脹脛とかもうパンパン。
陽射しによって極軽度の火傷を浴びこんがり薄い小麦色になりつつある自らのお肌を見回す、焼かれたパンの表面みたいだ。
■テンドン > 指でつまむとぺりぺり皮膚の一部が剥がれた。
新陳代謝の超元気な若人なので、直ぐ下ではもう新しい肌が復活している。
まじまじとそれを寄り目で見つめた後に、ふうっと吹く息で飛ばした。
「美少女の垢を滋養に良く育つんだよー」
ひらりひらりと舞ったそれらは下生えの草花の中に埋もれる。
土壌の養分になる前にその生態圏で元気にしている虫君とかの餌になるだろう。多分。
熱中症になるぞ!!!のレッドアラートから、熱中症からは遠くなったからまだ気を付けようね、ぐらいの身体警鐘になる頃合いを見計らい。
近くの御店で買ってきたサンドウィッチと果実水と、普通に井戸で汲んだ水を取り出す。
ばしゃー、と、井戸汲みの水は直ぐに頭から被った。テンドン(渇いた姿)からテンドン(びしょ濡れの姿)となる。
「ぷぁー!!」
犬みたいにぷるぷる体を震わせてしみついた水分の飛沫を払う。
■テンドン > 人心地。水自体はぬるかったが、気化熱で大分涼しくなって来た。
べしょべしょの前髪を手で分けつつ、ぐびぐび果実水を飲む。
甘い以上に熱中症対策に放り込んである塩のしょっぱさが嬉しい。
「……早く涼しくなんないかなあ…」
胡乱とした眼差しで湯気(陽炎)もわもわの街並みを眺めている。
サンドウィッチを一口二口。休憩中。今は仕事をしていない。
■テンドン > 「……いや、午後の計画立てておかないと。めんどくさ。不労所得が欲しいよー」
時間を詰めて仕事を入れまくっているので今日中に終わらせる予定の為にやっぱり仕事をしている。
ぼやきを蝉声に霞ませながら、手元では午後の配達の順路を手持ちの手帳に書き加える。
水を吸わせてから絞ったタオルを首回りに軽く巻いた。
おっちゃんたちがやっているのを真似したら結構涼しかったのだ。
ぼんやり顔で身を休め、オーバーヒート寸前になった脳に軽い運動をさせている。
■テンドン > 「よし…休憩おーわり!午後もがんばろー!えいおー!!!!!」
自分鼓舞。
手帳を仕舞う。飲み食いの終わった容器も鞄に一度収納する。
そして其の場より跳ね上がるように起き上がると。
ウォームアップの小走りで影より脱して離れ始める。
また午後からもお仕事だ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からテンドンさんが去りました。