2024/03/11 のログ
ミィル > 差し出された幼子は、甘い香りのするお菓子に釘付けだったけれど、周りの子たちがそれを許さない。
男の子が間に立ちはだかると、女の子がそのこの手を引いて朽ちかけた孤児院の中へと引っ込んでしまう。
取り付く島もないとはこのことで。

「これ、置いておくから……みんなで食べてね?」

これ以上、押し問答をしていても埒が明かないだろう。
少しずつでも信用を得ていくしかない。
今日のところはクッキーのほかにパンが入った袋をその場に置いて立ち去ることに―――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からミィルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にイェフィムさんが現れました。
イェフィム > ズパンッ。

開けた路地裏、壁や人を切り裂く音が響く。

「っは……はぁ…。」

多勢に無勢と言うべきか。
次から次へと現れる野党にいい加減息も切れ切れになってきた。

「ったくあのバカ親…。」

親に雇われた連中だとは分かっている。
中にはおこぼれに預かろうとしている野良もいるようだが。

イェフィム > 「ッ…!!!」

ビリッ、と、胸元の騎士服が裂けて乳房が露になる。
じわじわと嬲られるように、柔肌が露になっていけば、
下卑た男たちはニヤニヤと近づいてきて…。

「くっそ…。」

此処は逃げるに限るか、と。
本来ならば逃げは選びたくない道だが、
胸元を手で隠しながら細い路地へと入り、
全力疾走を始める。

イェフィム > そしてようやくたどり着いた人気のない古民家。
逃げ込み、息をひそめ、外の気配に意識を集中させる。

「――――ンっ。」

そんな時、きゅうん♡と下腹部が疼いた。
あいつ等…、とうめき声を上げそうになるものの、
外から気配が無くなるまではまだ動けない。

「……っく、うう…。」

そしてようやく周りから気配が消える。
少女はフラフラと、しゃがみこんで、
誰の家とも知れぬ場所で熱を抱えた身体を抱える。

「くふ…っひ、ひゃう…。」

クリトリス…、触りたい、イジメたい。
少女はしゃがみこんだまま、もじもじと太腿を擦り合わせる。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアーディスさんが現れました。
アーディス > (――外の気配に意識を集中していれば、恐ろしいものが見えたかも知れない。

 人 が 降 っ て き た

 ゴロツキの一人は、蛙の潰れた様な声を挙げた。
 そこから、一言だけ。)


「面倒臭ぇ、あァ面倒臭ェ。
 あのなァ――今の俺ァ機嫌が悪ィぞ、とっとと死ねや劣等共?」


(――蓋を開ければ単純だ。
 貧民街で宿を取って寝て、起きてさぁどうするかと悩んでいたところにこの騒ぎ。

 加えて虫の居所がかなり悪かったのも彼らの不幸だったのだろう。
 こうなった場合、たった一つだ。

 おおよそ人の出して良い音がしないめきり、ごきりと言った音と
 少女を追っていた気配が一つずつ消えていくのが聞こえるだろう。

 チンピラの八つ当たりである、本当に『ご愁傷様』と言わざるを得ない事象がこの時に起きていた。
 ただ、運が悪かったのだろう。

 物の数分もせずに全て消えてから)


「おい、そこの隠れてるの、もう居ねェから出て来いや。
 それとも手前も空を飛びてェか?」


(言ってる事が脅迫じみていた)

イェフィム > 「っは、はぁっ……ッ!?」

突如として人が降ってきた。
何が起こったのか正直わからなかった。
いや、いろんなことが起こるこの国、この世界。
こんなこともある日が来るかもしれないと思うかもしれないが…。

「――――。」

今まさに、厭らしいことをしようとしていたという後ろめたさもあり、
少女は家の中から様子を伺うばかり。
野党たちが居なくなったことは良かった、
そう思うものの、少女にとっては事態が好転したと言えない。
何故ならば、明らかに聞こえてきた言葉が脅迫じみていること。

…だが。

「……。」

淫紋のせいで力も入らない状態。
このまま隠れ続けていても結果は変わらないかと、
そう思わされて、しばらくの沈黙の後にギィ…と音を立てて古民家の扉が開かれ、
開けた胸元だけを腕で覆い、片手を上げた少女が男性の目の前に現れる。
ただ、明らかに赤く染まった頬や時折もじ…と身じろぐ様子から、ただただ怯えて出てきたわけじゃないことだけは窺い知れるだろうか。

アーディス > (出てきた少女を見れば、溜息を一つ吐きだす。
 何処も変わりゃしねぇなぁ、なんて思いながら。)


「取り敢えず劣等共はもう居ねぇから安心しろや。
 ――ほれ、そこにいんだろ」


(顎でくいと示せば――壁に突き刺さったり、明らかに人体が曲がってはいけない方向に曲がっている。
 誰一人動かないのは死んでいる訳ではない。
 気絶しているのだ。 多分放っておけば誰かが拾うだろうが。

 ただ、少女の様子を見ればあァ、と声を出して。)


「――時間、あるか? あんならちっと付き合えよ。
 辛ぇんだろ?」


(先程までの言葉と変わらない不機嫌なものではある。
 ただ、明らかに彼女を気遣っているのは判るだろう。

 そしておおよその状態は推察しているが、心配そうな表情だった。)

イェフィム > …少女と言えど一応は騎士だが。
それでも目の前の騎士と比べれば力では劣るだろう。
ましてや淫紋のせいで力が入らない。
こればっかりは運が悪かったと思うしかなかった。

「……。」

そんな状態で姿を現した少女。
片方の胸を開けられた状態、そして今の状態。
明らかに何があろうとしてこの状況になったかは窺い知れるものだろうと。

「………いいのかよ、首根っこ噛みつくかもしれねぇぞ。」

恥ずかしさからか、悔しさからか、それとも両方か。
そう言いつつも、明らかに気遣われていることは分かっている様子。

「…いや、ありがたいけどよ。」

ぼそり、と呟くと、ゆっくりと男の方へと歩み寄っていく…。

アーディス > (そのまま彼女を連れ立って、貧民地区の一角へと)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアーディスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からイェフィムさんが去りました。