2024/03/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/闇ギルド」にエイジさんが現れました。
エイジ > 冒険者ギルドは表に看板を掲げている以上、違法な仕事は存在しない。
採集、討伐、探索、護衛……まっとうな仕事が掲示板を埋めている。
スリやピッキングなどグレーな仕事、ギリギリアウトな仕事は『裏ギルド』と呼ばれる盗賊ギルドが仕切っている。

では完全に非合法な仕事はどこに集まるかといえば、ここ『闇ギルド』である。
暗殺・誘拐・拷問……そういった仕事を斡旋する。たいていがわかり辛く、偶然紛れこむような場所にはない。
冒険者ギルドなどと違って頻繁に場所を変えるのも特徴的だ。

今は貧民地区の外れ、あばら屋を模した建物にある。
人は少なく、店主らしき老人と客と思しき男の二人だけ。もとより五人も入れば一杯になりそうな狭い部屋だ。

「仕事は……ない、か。通常の他に『一晩』の方もないのか?」

厄介な呪いのせいで、依頼者が女の時だけ「一晩身体を差し出せば代金代わりに受け取る」ということを男はやっていた。
そんな例外を除けば、男は冒険者ギルドでいう所の高ランクである。若手向きの安い仕事を奪わない点は表と変わらない。

エイジ > 「クシフォス殺し? アスピダ内部の情報がないからダメだ。ただ殺すだけならできるが……。
莫大な懸賞金を遺す相手がいれば受けたかもしれんな」

店主が水を向けると、話にならんとばかりに頭を振った。
そう。ただ殺すだけならば、過去の実績から考えて達成できそうな者達は片手では足りないくらいいる。
問題は殺した後だ。脱出するまでが暗殺だ。男の擬態能力ならばそれでもなんとかなるかもしれないが……。
何より、身近な場所に仕事のタネはある。アスピダくんだりまで行く必要がなければそれに越したことはない。

煙草を口にしながら男は考える。ここに来る途中、尾行されていた。
この貌で活動するのもそろそろ潮時やもしれない。近いうちに顔を変えよう、名前もだ。
そのためには乗っ取れる、都合のいい存在を見つけなければ。
社会との接点が弱く、親しい存在がいないか、ごく少数の者。性別はどちらでも良いが、男の方が楽だ。