2024/02/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にサウロさんが現れました。
サウロ > (昼間のまだ明るい時間、平民地区の通りを抜けて路地の奥から続く貧民地区へと足を運ぶ。
 ある程度慣れてきているとは言え治安がいいとは言えないこの区域。
 しかし明るい内から起きているのはぶつかったぶつかってないの路上喧嘩ぐらいか。
 後ろ暗いことは夜の帳が落ちてから、そんな暗黙のルールがある場所。
 目指す先は一つの建物。表向きには貧民地区の酒場であるが、裏向きには"いろいろな"情報を取り扱う情報屋ギルド。

 貧民地区の娼館に足繁く通う王侯貴族の情報、貧民地区から富裕地区に蔓延る魔に関して。
 あるいは平民地区の美味しいお店からお勧めの娼館まで、それこそ幅広く扱っているらしい。
 準備中の札が掛けられているの正面入り口から裏側に回って、細い路地の裏口を三回ノックする。)

『……準備中だよ』
「影が深まってきた」

(がちゃ、と扉が開く。
 中に招き入れられて足を運べば、準備中なのにそこら中に人の気配がある。
 窓を塞ぎ、間接照明一つだけでほぼ顔も見えない暗闇の中、促された席へと腰をかけた。
 「ご注文は?」と言う問いに、少し思案してから「ナグアルについて」と尋ねた。
 今回の目的は、魔族の国にあるというナグアルという都市についての情報だ。)

サウロ > (冬の寒さがまだ厳しい頃、ナグアルの滞在許可証を偶然か必然か手にすることが出来た。
 魔族の国とマグメール王国は争いの最中にある。
 古い歴史を辿っても魔族との争いが激化したのは200年も前のこと。
 詳細や仔細はどの歴史書でも語られておらず、それどころか200年以上前のことはどの歴史書にも記されていない。
 "黒の王"と呼ばれた王の時代についても同様。
 闇の歴史として、よほどの歴史家や考古学者でもなければ知ることも難しい。
 自身が調べられる範囲で調べた内容において、魔族の国の存在はほとんど情報がなかった。
 となれば、表舞台では得られない情報だと、ここへやってきたわけだが。)

『高くつくよ』

(情報屋が提示した金額に懐を痛めつつ支払う。
 ────曰く、広大な土地に、十二の魔族が治める国であると。
 序列が一から十二まであり、それぞれのエリアを各序列の魔族が統治している変わった国であるらしい。
 基本的な倫理観は人間の尺度では測れない。行くのであれば戻れない覚悟で向かう必要があると。
 より詳細な内容は流石に得られなかったが、基礎的な情報は得られただろう。
 入念な準備と教えて貰った"案内人"の存在を思い返しながら、席を立つ。)

サウロ > (建物から出た後、日差しの眩しさに目が眩んで、手で軽く傘を作る。
 どうしたものかと眉間に皺を寄せながら、建物から離れて路地を通り、平民地区へ戻る道を歩く。
 どちらにしても、今は支払った出費を補填しないといけない。
 旅の路銀というのもまた馬鹿にならないもので、得られる収入源も職柄そう多くはないのが実情。)

「冒険者ギルドに立ち寄ってみるか……」

(依頼の斡旋ではなく、賞金首になっている魔物の情報を仕入れに。
 路銀と準備を兼ね、調整をして、長期の旅程を考えて、となると、どうしても出発は先送りになってしまうか。
 などなど、顎に手を当てながら思考しつつ、まずは金銭確保の手段を講じるのが先かとため息を零した。)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にゲイリーさんが現れました。
ゲイリー > (――さて、青年が建物から出て少しして。
全く別の方向から歩いてくる、男性が一人。

見た所は魔術師だろうか。
しっかりとした足取りで歩くも、少し思案している様子。
片手を顎に手を当てながら考える。

幾つか気になった事があり、少し自分の足を使って調べてみたのだが。
文字通りの空振りに終わった為だ。)

「……まぁ、重要ではないと言えば重要ではないのですけれども。」

(それでも若干以上に不可思議な部分がある事なので、首をひねりつつ。
そんな風に歩いていると、溜息を零す青年の姿が見えた。

見ず知らずの人物ではあるものの、つい。)

「腕に憶えもある様ですし……余計なお世話だとは思いますが。
あまり溜息を零すのは、宜しくないかと思いますよ。
こんな場所です、そういった所に付け入る人もいるのですから。」

(そんな言葉を青年に向ける。
言ってしまえば単純、ただのお節介だ。

杖を持ったまま、頭を下げつつこんにちは、と声を掛けながらそう穏やかに声をかけてみた。)

サウロ > (どうやって金策するかを思案していた矢先にかかる声に、足を止めて振り向く。
 碧い瞳が捉えたのは黒い法衣を着た男──。手には杖、白い髪に赤い瞳、赤褐色の肌は異国の雰囲気を漂わせている。
 マグメール王国はまれびとの国。他国の出自である人間が根付いていてもおかしくはない。
 洗練された雰囲気と柔らかな物腰。ここの住人というには、身なりもよく気品を感じられる。
 スラムにたむろする破落戸とは違う雰囲気。
 思考にして二、三秒、彼の姿を見てから胸に手を当てて微笑を返す。)

「こんにちは、優しき隣人の貴方。ご忠告痛み入ります」

(穏やかな声にそう返す言葉は、教会の挨拶の一つだと知っているかもしれない。
 彼はすくなくとも、貧民を塒にしている人物ではないだろうとサウロは判断した。
 とは言え、"自己紹介"である可能性もないわけではない。
 この場で他人のことに忠告するほど注視されていたとなれば、警戒は必然だろう。
 表情には人の好さそうな笑みを浮かべているが、その目は声をかけてきたことに対する疑問も含まれている。)

ゲイリー > (自分が声をかけて数秒後、返される挨拶。
それにおや、と少しばかりの疑問が出た。

これは確か、教会の挨拶だったはずだ。
腰に提げた剣を見るに、恐らくは騎士だろう。

となると――密命か、私用か。

どちらにせよ疑われてしまったか、と内心でのみ溜息。
他ならぬこの様な場所だ、疑われても仕方はあるまい。
若干軽率だったと思いながら。)

「何、困った時はお互い様と言う事ですよ。
少し遠くから二人程、貴方へ視線を向けていたのが気になったものですから。
後はまぁ単純に……お節介、ですかね。」

(先程居なくなったようですが、とも付け加える。
付け加えた、ものの……これは単純に、自分にかけてある補助魔法のお陰だ。
別に襲いに来たと言う訳ではない、と言うのは若干困ったような表情からも伺えよう。

そも、そう言って安心させるような手口よりも何も言わずに襲い掛かる方が手っ取り早い。
何より、顔を見られて襲う程に愚かでも無い訳で。)

「……失礼、どうにも探し物が空振ったので胡散臭い言い回しになってしまったようですね。
無駄に疑わせて申し訳ありません。」

(素直にそう言って頭を下げた。
警戒させるような意図は全く無かったと判って貰えれば良いのだが。)

サウロ > 「……、そうでしたか。その誠意に感謝します」

(建物を出てから追いかけてきたということか、あるいは別の人間か。
 サウロの持つ金髪碧眼は貴族に多くみられる特徴ともあって、狙われやすいことは自負している。
 とは言え、武器を持った騎士風の男に真昼間から襲い掛かってくるような輩であれば、どうとでも対処が出来るだろう。
 わざわざ余計なお世話かもしれないと自ら告げての忠告をした彼の反応を見れば、ただ単に気になったから声をかけた、とも捉えられた。
 どちらにせよ、襲い掛かるつもりもなく、騙すつもりもないのであれば、警戒は多少緩むだろう。)

「いえ、とんでもないです。それより、この辺りで探し物ですか?
 曰くつきなどであれば夜のバザーを待った方がいいかもしれません」

(昼間はスラムを巡回する警備兵もいれば、違法なやり取りなどを密告して金を貰おうと相互監視している者もいる。
 探し物が人か物か情報かは分からないが、そういったものがまとめて「売られる」のは、不規則に開催される闇市だ。
 貧民地区で探し物をする=表立って見つからないもの、という先入観からか、彼に勧めるのはそういった類のこと。
 闇市自体も法的にはグレーゾーンである為、あくまでも色んなものが流れ着く"バザー"と称するほかない。)

ゲイリー > (単純なお節介ではあるが、どうにも胡散臭く見えてしまう言動であった。
無駄に警戒させてしまった事に申し訳なく思いつつ、警戒が僅かでも緩んでくれれば素直に感謝して。)

「ふむ……バザー、ですか。
確かに、昼間から探してもそう見つかるものでもないですし。
そこにあれば良いのですが。
――最悪、ギルドの方に依頼を回さないといけないかも知れませんね。」

(しかもこれが常であればともかく、今回は自分が動く事は困難だ。
また、下手をすればもうこの都市にはない可能性もある。
そうなればハイブラゼール辺りだろうが、すぐにそこまで行く気にはならない。
よりにもよって副業でこういう事になるのだから、儘ならない。

と、そこまで呟いてから目の前の騎士に名乗っていなかったのを思い出した。)

「申し遅れました、私はゲイリーと言います。
これでも本業は冒険者なのですが……今回は、さる高貴の方々の命で探し物をしている形、ですね。」

(流石に副業――王城紋章院の紋章官、と言う立場は出せないのでこういった言い回しになる。
我ながら回りくどい言い回しだとは思うが、仕方がない。)

サウロ > (彼の事情、背景、探し物、それらについて何も知らない自分が首を突っ込むべきことではないだろう。
 長身でがっしりとした体躯の男を改めて見据え、慇懃な対応で何かを思案する様子にはどうにも。
 そう、王侯貴族と対面しているような、妙な緊張感があった。
 首の裏がチリチリするような。彼自身には悪意も害意もなく、ただありのままに発言しているのだろうとは思うけれど。)

「冒険者……ですか。そうでしたか。
 申し遅れました、僕はサウロ。自由騎士です」

(胸に手を当てる敬礼の形で名乗りを返す。
 自由騎士は国公認の組織とは言えない民間運営の騎士業。
 仕えるのは城でもなく王でもなく民と国。マグメール王国各地に支部があり、治安維持や魔物討伐などを中心に活動している。

 本業が冒険者である彼ならば耳にしたことはあるかもしれない。
 が、ただの冒険者なら本業は、なんて言い方はしないのだが、副業に商売か何かでもしているのだろうか。
 何にせよ、彼がこなしている依頼に関して情報が欲しいのか、そうではないのか、判断がつきかねる。
 とは言え、サウロに出来ることはバザーのことを伝えるくらいしかなく。

 そもそも、依頼に関しての依頼をギルドに回すとはどういうことだろうか?
 と、ふとした疑問もまた湧き出てしまって、何とも言い難い表情になってしまう。
 一言で言えば、だいぶ怪しい。
 警戒は緩めど今度は疑心からだが、遭遇した場所が悪いとしか言いようがない。)

「……、大変な依頼であるとお見受けします。
 ゲイリー殿の探し物が無事見つかりますよう、お祈り致します。
 何か困りごとがあれば、平民地区の自由騎士詰め所までお訪ねください」

(王都に関連するなら、本部へ問い合わせた方が早い。事務官からも「勝手に依頼を引き受けない!」と口うるさく言われている。
 他に何もなければ、軽く一礼をして、それではこれで、と踵を返すだろう。)

ゲイリー > (自由騎士、その言葉に得心を一つ。
成程、それならば納得はいくというものだ。
同時に、民の為に活動している彼を素直に尊敬するように見て)

「そうでしたか……サウロさんですね。
機会があれば、またお会いするかも知れません。」

(実際、特に何かしようとしている訳ではない。
本当に素である。

素であるのだが、元々の生まれが生まれだ。
持って回った言い回しをする事があるのは仕方がない。

加えて、今回は副業の方での探し物だ。
はっきり言って自身の興味を引いている訳ではない。
院の方からも出来れば見つけてくれれば良い、程度ではあるのだ。
その方が依頼量を出さずに済む、と言う理由である。

結果、微妙に迂闊な発言が混ざる事になった。
一言で言えば、物凄く怪しい言動をしているのだ。
問題があるとすれば、本人が自覚が薄い事なのだが。)

「わざわざありがとうございます。
サウロさんも、お気をつけて。」

(立ち去る彼を見送りながら、自身もまた何処かへ歩き出す。
最悪はギルドと、後は彼の言っていた自由騎士の詰め所へも依頼を出す必要があるだろう。

取り敢えずその辺りは上に投げる事にしようと改めて思いながら何処かへと去っていった。)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からサウロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からゲイリーさんが去りました。