2024/02/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフォグさんが現れました。
フォグ > 日が暮れてすっかり見通しの悪くなった貧民街。
人が住んでるのかどうかも分からないボロボロの家屋や「CLOSED」の看板がずっとぶら下がったままの店など終末感漂う眺めだ。

「そろそろ、”旬”の季節だね」

真っ赤な髪の男は、そんな独り言を零しながら貧民街の表を歩いている。
先日に続き、今日も仕事の仲介を終えたところだった男は今日の顔ぶれを振り返る。

相変わらず己の非合法な人材斡旋の”商材”となるのは若者が中心。
酒場へのツケが溜まってる冒険者や、自身と似た業種の依頼者にハメられて借金を背負った者……

腕っぷしは立つが法律や金の話に無頓着ゆえにまんまと利用される者も多く―――

特に男がこれから標的を定めているのは、王立コクマー・ラジエル学院だ。
この学院は近年、入学のハードルが低くなっているとはいえ依然として授業料や設備使用料は高くつく。

貴族はまだしも、平民層なら実家の援助がない場合働きながらの通学となる。

学期の終わりにかけて、入学および進学を控えた学生および進学希望者が多額の資金を求めて躍起になっている頃。
何なら、子の学費を賄う為に親が奔走している事すらある。


「学院の”彼”にはお願いしているけど、どれだけ流れ込んでくるかな。
 出来高報酬で向こうにも悪くはない取り分を渡しているから、それなりに案内してくれるだろうけど」

半ば人身売買にも等しい、最低の商売に微塵も罪悪感を抱く事なく。
男は取引先がたくさんいる風俗店エリアの方向を目指す。

「そういえば、ボクらにハメられた! とか騒いでお店を抜け出した子がいるみたいだね。
 ……世間知らずのお子様たちは、果たして逃げられるかな?」