2024/02/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > 夜の貧民地区。
しかも、酒場やら娼館やらが建ち並ぶ繁華街から離れた一角。
治安状況はお察しのとおりで、そもそも街並みからして廃墟とさして違いが無い。
王都成立時の旧市街か、あぶれた者達が勝手に構築した貧民窟か。
インフラを維持する費用は、国からも住民からも捻出できず。
当然、家屋を維持するだけの財力を有する者は、斯様な環境には住み付かず。
半世紀以上前は家でしたという構造物の中に、小さなシルエット。
四方は石を積み上げて築いた壁が覆っているものの、漆喰が剥げ落ちて惨憺たる有様で、
天井に至っては抜け落ちて、晩冬の、或いは早春の夜空が丸見えである。
開放感ばかりが過剰で、居住性は最低。
家人を訪ねたという与太は無く、たまたま”商売相手”との待ち合わせ場所として拝借しているだけ。

「何とも回りくどい話じゃがのぅ。
よく言って慎重、悪ぅ言って取引相手の事情を鑑みぬ粗忽者…」

ここを指定したのは、取引相手…になるかもしれぬ輩。
幾人かの代理人を挟んで、伝言ゲームの様相を呈した連絡によって。
途中で投げ出しても良かったのだが、たまたま手すきだったという事情があり。
そこまでする相手が、どのようなツラをしているか興味が皆無ではなかったせい。
用件を聞くでもなく、ほいほいと興味本位で姿を現していることは棚上げして。
真っ当な取引であったなら、こんな所に呼び出す必要はない。
平民地区にある、店を訪れれば事足りる。
加えて、店主ではなく、”店主代行”を指名しての呼び出しは胡散臭い。
誰にも知られたくない案件というよりは、このちんまいお子様の人外としての貌に用があるというのが合理的な判断だろうか。
伝えられた刻限は近い。
待ち合わせの約束が成就したのか、或いは予定外の闖入者が現れるか。
小柄な体を踏ん反り返らせながら、胸の前で両腕を組んで。

ホウセン > どこからか足音が近づく。
妖仙は、ゆっくりと視線を向け――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からホウセンさんが去りました。