2024/02/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にエルバさんが現れました。
エルバ > 丁度太陽が真上に上る頃――にも関わらず、裏路地は何時もと変わらず薄暗く、どこか陰鬱とした空気が立ち込める。
ギルドで受けた依頼の内容を頭の中で反芻しながら、近道とばかり、宿へと向かう道を足取り軽く進んでいた。

「久しぶりに良い依頼入ってたなー。」

小さな声で嘯く言葉も、何処か浮きとした調子。
成功すれば破格の報酬とくれば、それも当然ではあるのだが。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にキールさんが現れました。
キール > 用心棒の仕事も朝に終わり、軽く昼寝をしてから窓から差し込む天頂にいる太陽の光に無理矢理起こされ、そのまま二度寝もできなければ退屈紛らしにぶらりと街へと繰り出した男。
幾分か暖かさを感じる昼下がり、馴染みの裏路地を歩いていれば、なにやらウキウキと浮かれ軽い足取りで男の視線の先に路地を歩きこちらに向かって来る女が自然と目に入る。
やや小さいながらも肉付きも良く、なにやら金回りの良さそうな匂いもして来れば、声を掛けずに通り過ぎるわけにはいかない。

「よぅ姉ちゃん。 ずいぶんと景気良さそうだな。」

等とひらりと軽く手を上げ口角を上げ声をかけたのは巨躯の男。
相手の腰回りもあるかもしれない太腿に筋肉で服を盛り上がっている大男。
さらに、用心棒の仕事でも使う服もを来ていれば、どう見てもカタギには見えない。

エルバ > 宿の代金は勿論の事、装備や備蓄も新調したいところ――だなんて考えながら歩いていれば、進行方向、少しばかり遠目に見えた巨躯。
明らかに、路地を寝床にする浮浪者の類ではない事は見て取れて、ほんのり警戒を抱く。
矢先、声を掛けられて双眸が瞬いた。

「え? あ、う? いや――……そうでもない、よ?」

予期せぬ問い掛けに呆気に取られて、言葉が縺れる。
距離が近付いた事で目線が持ち上がったからか、遠目に見ていた時よりも殊更大きく見えるのだから尚更。
無意識の内、立ち止まった足が距離を取ろうと地面を僅かに擦って。

キール > ちらっとぶつかる視線。
男が好奇心を抱けば、相手は警戒。
それは当然のことであり、その位でいきりたつほど沸点は低くはない。
そして、声をかけて見れば縺れる言葉に動揺と警戒はありありと。

「ほぅん… それにしちゃぁ随分と浮かれていたようだが? 春が近くなったからか?」

等と呟きながらがっちりとした自身の顎を片手で摩りながら、相手を見ながらすんすんと鼻を鳴らしてみれば、路地裏の澱んだ匂いの中に混じる桃の香り。
相手が距離を取ろうと地面を僅かに足で擦れば、男はやや脱力し膝を曲げ、腰をやや落としながら相手と距離を保つように下がれば下がった分足を滑らせる。

「いやぁ? 違うなぁ。 おつむの軽い面白い女っていうよりも、良い女と金目の匂いだと感じるんだがなぁ─。」

等と呟きながらくつくつと、喉を鳴らして愉しげに笑うも、相手に向ける目線は口は笑っているが目線はしっかりと相手の全身を映す。
男が僅かに足を滑らす度に路地の石畳と男の靴が摺れ、ズッともジャリっとも聞こえる音が小さく響く。

エルバ > 「そう――だね、ずっと寒かったしねぇ。」

多少、表情が強張ってしまったかもしれないけれど、表情には愛想の良さそうな笑みを貼り付ける。
場所が場所だ、下手に刺激しては不味いだろう、とは本能が鳴らす警鐘。
相手から離れれば、離れた分だけ距離を詰められて、少しずつ焦りが滲み始めていた。

「やー、勘違いじゃないかな? ――――それじゃあ、」

続けられた言葉に小さく肩が跳ねる。
現状、金目の物など持ってなどいやしないのは本当だが、
何処か品定めでもするような視線が、何よりも己の警戒を煽り――堪え切れず、身を翻した。
ともすれば、がら空きの、隙だらけの背中を相手に晒して。

キール > 「そうだなぁ。 ようやく暖かくなってきたよな。もう少ししたら完全に春だな。」

うんうん頷きながらも強張っていても、表面に張り付けられた愛想の良さそうな笑みを見れば楽し気に笑みを返しながら、相手が離れればジリ、ジリと距離を僅かに縮める様に脚を滑らせる。

「くく。つれないなぁ。 景気のいい話あるんだろ? ─!」

体だけでも圧があるのに追い詰められつつある相手であればその圧を何倍に持感じてしまったのだろう。
耐えきれずに身を翻す。
それは野生動物と遭遇した時にしてはいけないことの一つであった。

捕まえる。押し倒す。
等と考えるよりも早く僅かに前へ倒れる男の身体。
腰を僅かに捻り、太腿に力が入り、曲げていた膝を伸ばし袋萩に力を籠めれば、相手の顔よりも大きな足の裏が大地を蹴れば、巨躯は前へと打ち出され、踏みしめられた石畳はざっと音がして僅かな砂埃を立てる。

重い体ながらも、それを作る筋力によって相手の想像する以上の速さで迫り、離れようとしたその無防備な背中との距離が縮まるも、男の体を当てれば女の体が飛ばされてしまうのは明白。
捕らえるために腰に腕を伸ばし肘を曲げ、相手の体勢を崩すために僅かに相手側へとその腕を押し込みながら片腕を相手の腰に巻き付け、地面から引き離す様に抱え上げようとした。