2023/10/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にレンジュさんが現れました。
レンジュ > (ふう、と一つ息をついた。
ようやく王都に到着したばかり、
右も左もよくわかっていないためにいつの間にかこんな場所にたどり着いてしまった)

「…ン?」

(ビリビリと背筋に刺すような視線を感じつつ、早めに出ようと思っていた矢先、
明らかに食い物になりそうな美丈夫の姿を見つけた。
…おいおい、大丈夫かよ。と思ってとりあえず暫く様子を見守るつもりで…。
もちろん余計なお世話と言われる可能性もあるが)

サウロ > (夜間にこそ活性化するブラックマーケット内を歩き、情報を買い、違法品や御禁制のものには手を付けず、
 時折絡みにくるならず者を無手で制圧して、騒ぎになる前に離れる。
 ────奴隷市場都市バフートなら、求めるものがあるかもしれない。
 真偽はともかく、噂程度には聞いた事がある場所。この国の腐敗の坩堝たる都市。
 そんな情報を得れば、悪意と腐敗の瘴気でも沈澱していそうな闇市場から離れて、暫し。)

「…………先ほどから、誰かな?」

(マーケットに入ってから暫くして、こちらを見る視線と気配を感じていた。
 誰かはわからないが、つかず離れずついてきて、しかし襲い掛かってくる気配はない。
 まるで襲われないように見守っているかのような、この場所にしては珍しい敵意や悪意を感じない視線だった。
 自身を獲物として狙っているわけではないのだとしたら、一体何が目的なのかが分からず。
 一先ず、振り向いて声を掛けてみる。そう遠くない位置、場所にいるだろう人物へと。)

レンジュ > (夜間という時間帯故、まぁあちこちで盛んにやり取りが行われている。
それでも、ならず者を無手で制している様子を見れば、まぁそりゃそうか、と納得した様子。
少しでも腕に自信がない奴がこんなところ来るはずもないだろうなと、改めてそう思えば踵を返そうとしたが…)

「…っと。その前に見つか…るよな、そりゃ。」

(特別気配を消していたわけでもない。
ならば相手にこちらの場所を特定されることも驚くほどのことじゃなく…)

「おっと、失礼。
 あんまりにも浮かない顔した美人さん見つけたもんだからつい…ね。
 声をかけようと思ったところタイミングを逃したというところかな。
 と言っても、本気で無用の長物だったみたいだから今から離れるところだよ。」

(気を悪くしたなら悪かったね。と、ばかりに肩をすくめて見せた。
 お茶らけたように見せて、とりあえず敵意が無いことは伝えておこうと)

サウロ > (闇市の取り決めとして表面上は争いごとは禁じられているが、正当防衛は禁じられていない。
 結局争いはどこかしらで起こっているもので、サウロも身を守るために武力で応じはしたが、
 それ以上の争いごとを起こすつもりもないのは行動から知れるだろう。
 実直、真面目、少なくとも"裏側"にいる人間ではない雰囲気。
 それを感じ取ったからか、恐らくは付いて回っていたのだとは思うが。)

「……浮かない顔の美人、か。この暗がりでよく見えているんだね。目が良い。
 ……本当に、俺に用事があったわけではないのか」

(フードを目深にかぶっていたつもりだったが、夜間のこんな場所で、
 表情や美醜まで遠くから見えていたのだとすれば、そうとう目が良い相手だなと思う。
 声をかけようとして機会を逃したから離れる、という言葉に嘘は感じられない。
 気付かれたのなら距離を詰めてくるかと思ったがその様子もない。
 どうやら自分のことに関する噂を知る様子ではないことに、無意識に安堵の息を吐く。
 サウロより目線が幾ばくか高い相手、声も高すぎず低すぎず、フードを被っているので性別の差異はいささか見分け辛い。
 敵意が感じられないが悪意がないとも断じきれず、一定の距離は保ったまま。
 立ち去るというのであれば、止める理由は此方にはなく、ただ視線を向けている。)

レンジュ > (時たま自分も絡まれたりはしたが、最低限度の反撃を行う程度に留めておく。
具体的に言えば爪を使うまでもない相手にはそれ相応の反撃程度である。
じ、と改めて相手を見つめた。
それが不躾と感じたならばそれを否定することはできないくらいにはっきりと)

「ま、職業病みたいなもんよ。
たまに見たくないもんまで見えるけど。
アレ?俺が嘘ついているように見えちゃう?」

(だとしたら参ったな。と頭をかいた。嘘じゃないと証明する証拠が何一つないと。
この身に流れた人のものではない血のせいで、耳も目も人並み以上に働いている。
何やら無意識にか、一つ息をついている様子を見れば小首をかしげて見せるものの、
相手が言いたいことでもないのならばそれを問い詰めるような性分でもない)

「お買い物中に失礼したね………?」

(そう言って前述のとおり立ち去ろうとしたものの、ふと、何事かに気づいたかのようにすん…と鼻を鳴らす。
相手が一定の距離を保ったままでいようとするならばそれ以上距離を詰めようとはしないものの、
ぐるぐる…、と動物が相手の様子を窺うようにして相手の周りを回り始める)

「…なんだろ、お兄さん、すごい不思議な匂いがする気がする…。」

(フードを被った先、紫色の瞳を細めながら、ぽつり、と小さくつぶやいて)

サウロ > 「嘘をついているようには、まあ見えないけれど……。
 職業柄。なるほど、それは敢えて聞かない方が良さそうだ」

(自由騎士であるサウロとて、こういう場で馬鹿正直に自身の職業を吐露する愚は犯さない。
 王国の法が遍く正しく届くことがない無法地帯と化している区域。
 自身の手札はなるべく隠しておくものだと。故に、此方も言わないし、訊ねないことにしておく。
 明るい場で出会たならば、それはそれとして別の話ではあるのだが──。
 見据えてくる紫の視線に、形の良い碧の双眸は臆することなく、静かに見つめ返す。

 立ち去るまで見送るように見ているつもりが、ふと何かに気付いたかのように、
 距離を保ったままぐるぐると此方を見ながら周囲をまわる相手に不思議そうな表情を浮かべた。)

「不思議な匂い……?」

(何のことだろうかと外套を軽く持ち上げて匂いを嗅ぐ。
 そんなひどいにおいはしないと思うのだけど、と衣類の匂いや、軽く襟元を引いて肌の匂いも確認する。
 そうして確認している間にもし近づいてくるのであれば、一瞬反応は遅れてしまうだろうが──。)

レンジュ > 「ははは、そうだね、お兄さんみたいに真面目そうな人は聞かないほうがいい。
何かあったときに、聞かなきゃよかったと思ってからじゃ遅いしね。」

(青年の言葉を聞けばとても愉快そうにけらりと笑った。
闇に溶けた場所、その場所ですべてを明らかにするのは野暮というものだろう。
万が一、この広い王都の中、もしも明るい場所で会えたなら。
そんな万が一に預けてみても楽しいものだろうと。

―――そして青年は気づくだろうか。
獣が獲物を狙うときも、同じように相手の周りをぐるぐると回ることに)

「うん、何か…。」

(そこまで言って言葉を止めると、ふ、と少しばかり青年との間の距離を詰める)

「…美味そうな匂い。」

(魔力の匂いでも感じ取ったか、それとも単純にいい男だからという意味でか。

つ、と青年の顎先に手を伸ばしていく。
紫色の瞳にどこか熱を宿らせて、白く鋭い牙を見せつけて)

サウロ > 「……、っ」

(周囲をぐるぐると回るその行為が野生動物めいた動きに似ていると気付いた時には、
 じわじわと此方へと近づいてきていた。
 一歩、また一歩、その動きにぞくりと危機感を抱いて、距離を取るように目を反らさぬまま後ろへと下がるが。
 周囲を回っている間に立ち位置が調整されていたのだろう。
 運悪くというべくか、相手の技巧というべくか、サウロの背後にどん、と壁が当たる。
 手を伸ばせば届く距離で顎に伸ばされた手、美味そうだと開く口に見える、人とは違う鋭い白の犬歯に、
 咄嗟に手首を掴んで捻りながら肘を圧し、護身術による最小限の動きで相手の腕の関節を抑えて制圧しようと試みる。

 美味そう、というのが相手にとって、性的な意味なのかお肉的な意味なのか、それとも魔力的な意味なのかは、わかりかねるが。
 抵抗なく喰われるつもりはないという抵抗。
 とは言え、人間を制圧できる護身術程度、人ならざる者の膂力からすれば、振りほどける可能性はある。
 その際にもし"女"であると此方に認識させることが出来るのであれば、とある淫魔によって植え付けられた"暗示"により、
 『性的なこと』に関する事でのみ、サウロを無力化することが出来る。
 それ以外は、身を守るために抵抗と反抗は続くことになるが。)

レンジュ > 「ぐ……ぅ…。」

(ぐるぐる…。
徐々に動きが野生動物のそれに近づいて、
青年の背中に壁が当たったころにはギラリと紫色の瞳に妖しい色が混じり始めていた。
けれど、そんな獣じみた動きに反してレンジュの手はあっさりと青年の手に取られ、
捻り上げられながら腕の関節を圧せられる。
けれど…)

「っぐ…ァ、…ふーっ…!!!」

(何かを堪えるようにして大きく息を吸って、吐き出す。
痛みか、それとも、魔力によって高ぶらされた感情か、それとも性的なそれか。
苦し気に吐き出す呼気には、どんどん熱が籠ってきて、
それを逃すように頭を振ればバサリとフードが外れて月明りの下に素顔が露になる)

「う、ぁ、ぁ…。」

(はぁ、はぁ、と熱を籠らせた目が青年の目を捉える。
男にも見える容姿をしているとはいえ、手足や身体の骨格は女のそれ。
腕をつかみ上げた青年にもそれが伝わることだろう)

「ン…ぁ…ぅ~…ッ…。」

(痛みと熱とで高ぶった身体を持て余すようにぶんぶんと頭を振る。
青年が少しでも力を抜いてしまえば、ぐるる、と喉を鳴らしながら青年の上に乗り上げて押し倒すように倒れ込まんとするだろう)

サウロ > 「おい、動くな、……────っ!?」

(紫の瞳が一瞬妖しく揺らめいたように見えた。
 獣じみた気配が増してフードが外れて覗いたのは夕焼けのような橙色の明るい髪。
 中性的な顔立ち、その表情が苦し気に熱を持ち始め、呻くように唸り出せば怪訝そうに眉を寄せたが。
 手首の感覚、手の甲や指先のそれは、体躯に見合っているが男とするには細く、女性的であり。
 獣めいた動きも相俟って、困惑が浮かぶ。
 苦し気にしてるのが決して腕を押さえているからではないと解れば、手首を押さえる力を緩めてしまい。)

「一体何が、……うわ?!」

(一体何に苦しんでいるのかが分からず、病か呪詛的なものかと心配の色が浮かぶ。
 その一瞬、獣のように大きく体を上げた相手に、肩を掴まれ地面へと強い力で押し倒され、圧し掛かられ、
 背中を強かに打ち付けたサウロは眉を寄せながら、「うぐっ…」と苦痛に呻いた。
 フードが外れれば金髪がさらりと落ち、いい男だと彼女の審美眼が捉えた素顔も明らかになる。
 獣が獲物を捕らえたようなもの、彼女を蝕む熱の正体はサウロには分からないが、
 倒れた衝撃と痛みで無防備になる青年の身。
 少しも間を置けば、また動き出すだろう。)

レンジュ > 「うぐうぅうっ!!」

(バサバサと髪を振り乱しながら、
腕を押し固められたままの状態で無理に動こうとすればミシリとレンジュの骨が嫌な音を立てる。
それでも暴れるような動きが留まることは無く、むしろ激しくなっていく。
そんな中、青年の手の力が緩まれば先に言った通り、
青年の身体に圧し掛かるようにして倒れ込んでしまえば…)

「………ッ…ぐ、逃げ…ッ…!!!」

(苦痛に呻く青年の顔に、ぽたり、と汗がしたたり落ちる。
ギリギリと歯を食いしばって何かに耐えるような顔をして、レンジュは青年を見降ろした。
けれど、すぐにその紫色の瞳にはさらなる熱が籠り…)

「…んっ…。」

(がぷ。

…決して可愛く表現したわけじゃない。
無防備になった青年の首筋に、子犬が甘嚙みするようにして歯を立てたのだ)

「ん、ぅ…。」

(かぷ、かぷ、とぐすぐすと涙を堪えながら、何度も何度も同じように歯を立てている)

サウロ > (押し倒し、倒れ込み、のしかかっている彼女の瞳が揺れながら、汗を滴らせて歪む表情を見上げて、
 逃げろと言われてもと見上げる碧の目は、熱の籠る双眸を見据え。
 熱に当てられるようにぞくり、と震える。
 次の瞬間には────がぷ、と首筋に立てられた歯。
 しかしそれが頸動脈を無情に切り裂き────なんてことはなく。)

「んっ、……ぅ、ぁ、……っく…」

(くすぐったい。甘噛みされている。
 かかる息が、熱を孕んでくすぐったい。唾液が滴ってぞくぞくと肌が粟立つが、
 首筋を甘噛みする以外に何かをするわけでもなく、しまいにはぐずるようにすすり泣く声まで聞こえてきて。
 自分より大きな女性が、熱を持て余すようにぐずりながら甘噛みしてくる。
 一体どういう状況なんだこれは……!)

「ちょ、っ……と、待って、くれ……っぁ、くすぐった…ッ、ん…やめ、」

(性的な意図などない様子ではあるのだが、皮膚の薄い首筋への刺激は、むずむずする。
 それが女性からのものであるなら、なおの事、力が抜けそうで。
 背中に腕を回して、ローブを引っ張り、肩に手を置いて引きはがそうと試みるが。
 一体どうすればいいんだと、深まっていく夜空を見上げながら途方に暮れてしまう。
 引きはがせそうになければ、耐えながら落ち着くまで背中や後頭部をそろりと撫でることになるだろう。)

レンジュ > (のしり、と圧し掛かった身体が青年の身体に密着していき、
汗を滴らせながら歪む表情でぐるる…と喉の奥を鳴らす。
碧の瞳がこちらの瞳を映せば、ぼろ、と今にも涙をこぼしそうになっているのがわかるだろう)

「んっ、ん…ふ。んむ…ッ…。」

(かぷ、かぷ…。
唾液がつう、と青年の首筋を伝っていけば、それを拭うようにして舌先を這わせる。
すりすりと全身をすり合わせるようにして身体を合わせながら、すん、と時折鼻を啜る音が聞こえる。)

「んっ、…く、…ごめ…、くるし…。」

(ぐすん、と涙を啜りながらはむはむと子犬のように、でも言葉はぽつぽつと謝罪の言葉を零した。
ぐいぐい、とローブを引っ張られて、肩に手を置かれて、ちゃんと引きはがそうとされているのはわかっている。
それでも、熱に高ぶった身体が、身を放すことすら許してくれずにいて)

「んん…。」

(レンジュの両手は青年の肩から胴体へ、しがみつくようにして回されている。
背中や頭を撫でられれば、最初こそ怯えるようにビクリと小さくはねたものの、次第に落ち着きを見せ始めて…)

サウロ > 「……っ、ふ……、く、ぅ」

(涙を湛えて濡れて揺れる双眸を見れば、まるで大きな子供と相対しているようで。
 しかし行動は殆ど野生の獣めいている。首筋をがぶりとして食いつくわけでもないのであれば、
 しばらくは落ち着くまでそのまま耐えることを選び。
 それでも首筋に滴る唾液を舐めとるように舌が這えばびく、と小さく肩が跳ねて、声が漏れる。
 発熱しているのが分かり、擦りついてくる体、密着されるほど熱が移されて煽られるような。
 はぁ、と零れる吐息には、熱がこもる。)

「……わかった、わかったから……、そのまま、落ち着いて」

(とん、とんと背中を一定のリズムで撫でる。
 ごめん、と泣きすする声で謝られてしまえば、きっとこれは彼女にとって不測の事態なのだろう。
 それが自分の匂いのせいなのかもわからないが、きっかけになったことは恐らく間違いない。
 背中に回された腕で抱きすくめられる体勢のまま、落ち着いてきたのが分かればそっと髪を撫でて、
 顔を覗き込む。困ったように眉尻を下げているが、口元には優し気に笑みを携えて。)

「……大丈夫かい?」

(そのまま頬へと滑らせた指で、彼女の眦に浮かぶ涙を拭う。
 今にも鼻先が触れ合いそうなほどの至近距離。
 この夜風の中でも少し熱を持って火照っている様子に宥めるように頬を撫でて、ゆっくりと身を起こそうと。)

レンジュ > 「ん…ちゅ、ふ…。」

(熱に浮かされ、涙を浮かべた目は青年を見つめて、
ただひたすらその肌の味を味わうように、それでいて戯れるように甘噛みを繰り返していた。
時折ちゅ、と唾液をなめとり啜るようにすれば、青年の首筋には赤い花が散っていくだろうか。)

「……ん、ぅ…。」

(とん、とん、と、一定のリズムで背中を撫でられれば、すんすんと涙を零しながら小さく頷く。
自分でもここまで前後が分からなくなったのは久しぶりのことのようで、子供のようにただ頷くしかできなくなっていた。
半ば縋り付くようにして青年の背中に回した手に力を籠めていると、ドクドクと脈打つ心臓はともかく、少なくとも気持ちは落ち着いてきて)

「………ん。
ごめんな…、ほん、…と…こんなこと…ンっ。」

(する気は無かった、と、弁解にもならない言葉は熱に浮かされた吐息となって消える。
青年が身体を起こした際に触れあった皮膚がこすれるだけでもビリビリと脳みそがしびれるような感覚にとろけたような声を漏らして)

サウロ > (彼女の吐息がかかって、甘噛みして、味わうように舌が這えばそこに汗も混じっていたかもしれない。
 皮膚の薄い首筋、同じ箇所をずっと続けられれば、色白であるサウロの首筋には当然のよいに赤い痕が残り、
 サウロの頬から耳も、薄っすらと赤く火照ったような朱色が乗る。
 女性に押し倒されてずっと首筋を舐められて甘噛みされて、色っぽさの混じる熱の籠った吐息を吹きかけられて、
 耳元で喘ぎにも似た啜り泣きを聞かされれば、下腹部の熱く、熱を持つというもので。
 それを、なんとか、鋼の理性で耐えているだけに過ぎない。)

「……すまない、俺の何かに中てられたんだろう?」

(原因はわからないが、サウロの肉体は淫らな呪詛まみれだ。
 少女の肉体ではないのでそちらが原因ではないとするなら、恐らくはサウロの身に残っている淫魔の魔力かもしれない。
 サキュバスの中でも高位の存在が、サウロを餌にした痕跡や残り香。
 それが鼻のいい彼女の獣性に、発情や興奮を促したという線。
 とは言え、サウロの記憶はその淫魔に改竄されていて記憶がないため、原因も伝えられないのだが。
 他にも何か原因があるのであれば、やはりサウロには察することは出来ていない。)

「とりあえず、その……離れようか?
 じゃないと、落ち着けないだろう…?」

(お互いに。
 蕩けて気持ちよさそうな声を出されると、どうにも気まずさがあって、視線が逸らされる。
 背中を撫でて、一旦離れて、落ち着こうと、至近距離から顔を見据え、彼女の理性に訴えかける。
 少し顔を前に出せば唇まで触れ合いそうな距離感。
 がっしりとサウロの体をホールドしている彼女次第。)

レンジュ > (ふ、ふ、と何度も吐息を吐き出す。
甘くすら感じる汗をなめとり、はむ、と耳たぶへも甘噛みを残していくだろう。
ちゅ、ちゅ、と、何度も甘く噛みつき、甘く吸い上げ、嘗め上げた。
ドクンドクンと胸から感じ取る鼓動にうっすらと涙をにじませた目で青年の瞳を見上げていた。
もはや、青年の鋼の理性に助けられていたなんて思いつきもしていない様子で)

「……まりょく…だと、思う…ごめん…。」

(呪詛の類の魔力に充てられやすい体質。
自身の体質と、おそらく青年の体質がきれいに合わさった結果だろう。
はふ、はふ、と、何度も浮ついたような吐息を零しながら青年を見上げていた)

「………ん。ぁ…。」

(とろんととろけた瞳で青年を見つめると、少し名残惜し気に頷いた。
最後にギリギリ残った理性で身を放すとすぐにへたり込んでしまう。
そのまま青年が自分を置いていけるなら、自分は闇の市場の中へ適当な相手を探しに行くだろうが、果たして―――)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からレンジュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からサウロさんが去りました。