2023/08/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にサタンさんが現れました。
サタン > 世闇の貧民地区、その中でも更に柄の悪く人気も無い路地裏。
溢れる浮浪は道端に座り込み、物乞い、悪臭漂わす。
暴力が物を言う世界は常に奪い合い。
力無き者は全て奪われる弱肉強食の世界。

そんな世界において一際場違いに整った装いの男が
路地裏の行き止まりの場で、煙草を燻らせる男が一人。

男の前には、胸に拳程度の大きさの孔が空き、力無く横たわるモノ。
この界隈でも有数の腕っぷしを持ち、その残忍さでこの界隈を支配していた男。

今夜、魔王の夜散歩の獲物だった男は、人の姿をした魔王の手によって刈り取られた。
魔族、魔王、その中でも一際イレギュラーな概念的存在のような男によって
悲鳴ひとつの自由も無く。

一服の紫煙を吸い込みながらまた一つ、収拾すべき物を集めると
短くなった煙草を、抜け殻へと弾きその身体に乗れば、煙草の火は
刹那の業火のように瞬間燃え上がり、その火はまた刹那に消え――全てを灰へと還す。

「さて――こんなもの、か…。」

なにも無くなったその場所を、興味も無く背を向け、歩を一つ。

カツン、と、音無き惨劇の路地裏に革靴の足音が鳴る。
闇夜から奏でられるその足音は、雑音の如く喧騒賑やかな、灯り宿す繁華街の方へと向かっていった。