2023/08/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にレイリエさんが現れました。
レイリエ > 貧民街の中でもとりわけ活気付いた大通りを、一人のエルフの女が進んで行く。
人の往来こそ絶え間ないものの、其処に他の地区に見られる様な華やかさは何処にも無く。
周囲を見渡せば視界に入るのは娼館に売春宿、非合法な品々を取り揃えた露店の数々と、
それらを目当てに訪れた素性の知れぬ人の影が殆どであった。

「―――恐らく、この辺りだと思うのですが………。」

行き先が綴られた手許の紙片と、周囲の風景を見比べながら慎重に足取りを進めて行くエルフの女。
魔法薬や魔道具の製作依頼を受けて納品する事を教師とは別の生業としている女だが、
今回の様に対面では無く書簡のみで依頼を受け、直接指定された場所に自ら納品に赴く機会も少なくは無い。
とは言え、今回の依頼を受けたのは少し早計だったでしょうか―――次第に脳裏に浮かび始めたそんな不安を人知れず漏らしながら。

レイリエ > そうは言いつつも、一度受けた依頼を投げ出して帰る様な真似はせず、紙片に記された場所を探し求めて彷徨う事暫し。
同じ場所を幾度も行き来して漸く見つけたのは、建物と建物の間に伸びる細く狭い路地。
白昼にも関わらず薄暗い道の向こう側に薄らと、小さな明かりと扉の様なものが見て取れた。

「―――此処で、間違いありませんよね………?」

その風景と手許の紙片とを何度も交互に見遣って、記された目的地に間違いが無い事を慎重に確認する。
それが何かの手違いや、或いは何者かによって仕組まれた罠である可能性も決して否定は出来ないのだが、
だからと言って、此処まで来て引き返す理由にはなり得ない。
少しばかりの逡巡を見せながらも、やがて意を決した様にエルフの女は薄暗いその路地の向こう側へと足を踏み入れて行った。

レイリエ > 程無くして辿り着いた小さな明かりが照らす扉の前。
外観からして何かの店舗の様に思われるが、周囲には看板や掛札の類は一つも見当たらない。
その奇妙な様子に首を傾げながらも、エルフの女は遠慮がちに扉を叩く。
意外な事に返事はすぐに返され、来客を招き入れる様に扉が開かれると、女の姿はその向こう側へと消えていった―――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からレイリエさんが去りました。