2025/04/30 のログ
グラスシエル > 貧民地区・裏路地

にゃー

「にゃあじゃあねえよ、どっかいけどっか。 ここは俺が使うんだよ。」

人の気配のない裏路地の木箱が並んだどん詰まり
そこで少年が猫と縄張り争いをしてる。
とはいえ少年はここがねぐらというわけではないし猫の方も縄張り争いとう雰囲気ではない。
猫からしたら少年にかまって欲しいらしく、少年は宿にありつけず、また宿にこだわないので木箱が並んでるここを寝床にしようとしただけだ

にゃー

「うっせえよ、しっし」

手をひらひらして追い返そうとするが、猫はひらひらうごく手をじっと見てる。 人間のしぐさの意図など当然猫にはわからない

グラスシエル > 猫が嫌いというわけでもないがやたら群がってくるし膝に勝手に登ってくるし餌ばっかくれくれ言ってくるし食ってる餌に手を出してくるし奪ってくる。
別に猫が好きなわけでもない。
わー猫ちゃん可愛い!という性格でもない。
よって、少年は無視を決め込んで木箱を3つばかり並べてよこになる。

ひょいっと猫は木箱に飛び乗って少年をじーっと見下ろす。 そのまま無遠慮にお腹あたりに乗って、ちょこんとソコに座ってる。

「…………なんでお前らはいつもいつもそうやって腹にのんだよ重いんだよどっかいけ」

猫を睨んでも、猫の方は目を合わせるとちょっと目を細めてまばたきしてる。はーと重い溜息をついて、猫を放置
まあここが縄張りなのかもしれないしそうならこっちが侵略者、おじゃま虫、邪魔ものだ。寝床を貸していただけるなら多少は何かを支払うべきだろう、腹とか胸とか

グラスシエル > にゃあ、にゃあ

良く鳴く猫だ。 少年に何度も鳴きながら少年が纏う軍服に鼻をちかづけスンスンと匂いを嗅いでいる。
軍服は濃紺で、この闇夜だと真っ黒に見えるほど。手首も脚も腕も細い。 それは虚弱な細さではなく無駄を削ぎ落とした、ワイヤのような痩身。
肉食の獣――それこそ猫科の猛獣のようなしなやかで細い体躯だ

「なんだよ、食いもんなんか――あれどうだっけな。」

寝転がったままポケットに手を突っ込んで漁る。干し肉干し魚のかけらぐらいならあったかもしれない。

「…………お、ラッキーじゃんお前」

指にあたるザラザラした軽い感触をつまみ上げて引き抜く。親指ぐらいの小さな干し肉のかけらを自分の胸に置いて。
猫はそれに気づくと顔を近づけ、スンスンと匂いを嗅いで咥える。 少年の腹の上で干し肉をかじって

「いや、そこはお前野良らしくかじって離れて他所で食えよ。 重いんだよ重いの。 ねえわかる? お前今座ってるの鳩尾なんスよ重いの」

グラスシエル > 小さな干し肉だったが猫は満足したようで顔を洗っている。
そのまま腹の上で座ってじーっと少年を見下ろしてる猫を少年もまっすぐ睨む

「ンだよ、もうねえよ」

猫は目をゆっくり細めて少年を見ているだけ。 少年は無視するように横を向いてると、猫は少年の腹の上でくるんと丸まってしまう。

「だから、その鳩尾で落ち着くのやめろよ、重いんだよ重いの。 起きるとそこそこ痛いの」

猫はゴロゴロと喉を鳴らしてて少年の方を向きもしない。

「くそが、無視すんなクソ猫、おい、おい」

グラスシエル > 猫がすんすんすんすんとお腹の匂いを嗅いでると、少年は鬱陶しそうにぽんぽんと猫の頭を撫でる。

「はいはい、君も寝ましょうね」

と、少年は猫と一緒に眠って

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からグラスシエルさんが去りました。