2025/04/08 のログ
:: [一覧へ] :: :: ::

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にティータさんが現れました。
ティータ > 夜も更けてくると、こういうちょっとだけ治安が悪いような地区の方が人通りはかえって多かったりして。
この日の用事はほぼ終わったから、ふらふらと夜の散歩に出ていたら、歩く方向の少し前の方でちょっとお婆ちゃんかなと思う女の人と、もう少し若い男の人――お婆ちゃんと比べたら若いって話で、私からみたらおじさんなんだけど、歩いていてちょっとぶつかったように見えた。
あ、あれってそういうコトだよねぇ、なんて確信もあったから、こっちに向かって歩いてくるおじさんと今度は私がちょっとぶつかってみたりもして。

「わわ、ごめんなさーい!」

舌打ちされて、いかにも邪魔くさそうな目で見られたけれど、そのおじさんは急いでここを去りたいのも予測済みだから、特に何も言われずそのまま去っていく。
じゅうぶんに離れたのを背中越しに確認してから、足早に進んでおばあちゃんに追いついて。

「……あの、これ、落としましたよ?」

なんて声をかけながら、小さな革製のお財布を、にこやかに微笑みを浮かべながら手渡してあげる。
そう、さっきのおじさんが擦りとったやつ。

ティータ > おばあちゃんたら、何度も感謝しながら、何かお礼しなきゃねぇなんて言うんだけど。

「たまたま落としたのが見えただけだし、お礼なんて要らないよっ。それより、ちゃんとしっかり仕舞っておいてね?……この辺ってほら、危ないし。拾ったのが私じゃなかったらそのまま持って行かれちゃったかもだし、ね」

説得して、何もなくていいよってやっと見送る。
まぁ……一応、助けたことになるのかな?とは思うけど、見返りを期待してそうしたわけじゃないし。見返りと言うか、そのぶんの収穫はちゃんともらってるし。

「上手く盗めたと思って気が緩んでると、それ以上にしてやられたりするよ〜?」

誰へともなくそう言って、ふふんって笑いながら懐から別の布財布を取り出して。
そう、おばあちゃんのお財布を取り返すついでに、さっきのおじさんのお財布も貰っておいたのよね。そろそろびっくりしてる頃かもだけど。流石に恥ずかしくて戻ってこれないよね。
そんなわけで、お礼を貰わなくても、私はじゅうぶん得をしているのです。

どうしようかな、想定外に臨時収入もあったし、ちょっと贅沢に何かいいものでも食べようかな。なんて、んんーって背伸びをしながら考えたり、この辺に何かお店とかあったっけ、とか歩きながら考えたり。

ティータ > 少し歩いたら、他の建物よりも明るい灯の感じが外まで漏れてる所があって。
近づくと美味しそうなにおいがしている気もしたから、たぶん遅くまで開いてる料理屋さんか酒場かなにかだ、と入ってみようかなって気になったんだけど。

「……あ。もしかして追って来ちゃった?」

まさかね、とは思ったんだけど念の為ってよく言うし。雑踏の中じゃ聞き耳立てるのは難しいから、精霊魔法で軽く警戒だけしてもらっていたんだけどね。
さっきのおじさんっぽい感じのが近づいてきてるよ、って。数も一人じゃない感じになってるし。

「逆恨み、ともちょっと違うのかな。でもそもそも自業自得でしょうにっ」

何か食べようって気分にせっかくなってたんだけど、これはさっさと逃げちゃった方が良さそう。
判断は素早く、が安全だし、ね。一度帰ってから、まだやっぱりお腹が空く感じだったらまた何か改めて探しに出るのでもいいなって。ここがどういうお店――ほんとにお店かどうかもちゃんと確かめてないし、またそのうち見に来よう、と心に決めつつ、今夜は逃げ帰るのです。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からティータさんが去りました。