2025/03/31 のログ
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ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にジェナスさんが現れました。
ジェナス > 貧民地区の路地を少々足早に歩いている。
ただでさえ治安の悪い貧民地区、この時間帯は特に治安が悪くなり、
もっと言えば高価で非合法な品を持っている今が一番カモに見えているだろう。

胸に抱きかかえるように紙袋を抱えている。
本命は紙袋ではなく、よれよれの白衣の中に閉まっている。
抱えている紙袋から頭だけ出ているワインの瓶は傍目から見ればそこそこの値打ちものに見えるモノで、
実際に『いいもの』であり、無事貧民地区から抜けれたら研究室で一杯やる予定のモノであった。

「……寒いん、だが?」

メガネのレンズ奥で瞳を細めて機嫌悪そうに呟き、白い吐息を吐く。
ヨレヨレの白衣に防寒性能なんて無く、正直に言っても言わなくても愚痴ったくらいに寒さを感じている。

一歩、一歩、歩く。
頼りない街灯の下を歩く。
この辺にはいざとなったら逃げこめる場所はない。
――…無事帰れるだろうか。

心配は無用だったらしい、何者にも襲われることなく平民地区へと抜けるのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からジェナスさんが去りました。